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業務用冷蔵庫は365日稼働しており、もしも動かなくなったら大変です。汚れが蓄積すると、冷えが悪くなったり、故障の原因となることもあります。衛生上の問題もあるため、できればこまめに掃除をしておきたいもの。しかし正しい掃除の仕方を知らないと、かえって状態を悪くしかねません。ここでは業務用冷蔵庫の内外、フィルター、コンプレッサー、コンデンサーなどの部品についての掃除方法をご紹介します。

業務用冷蔵庫は日ごろから自分で掃除を。たまに業者に依頼

業務用冷蔵庫の掃除、日頃の手入れは自分でもOK

業務用冷蔵庫の掃除は、できるだけこまめにした方が良いですが都度、業者に頼むのも大変です。保守契約については、1台あたり年間で3万円程度かかります。手の届く部分や日頃の手入れについては、自分たちで行い、定期的に本格的な掃除をお願いするのが理想的です。正しい掃除の仕方を覚えれば、自分でやっても見違えるほどきれいになり、気持ちよく仕事ができます。

コンプレッサーなど難しいところの掃除はプロにお任せ

コンプレッサーなどがの汚れがひどい場合には、専用の洗浄液でないと落ちなくなります。業務用の洗浄液は、中和させる必要があるなど扱いが面倒です。また、洗浄液自体の洗い流しなど正しい掃除の仕方で、しっかりと行わなければなりません。通常はどこにでも売っている掃除用洗剤で問題ありませんが、頑固な汚れは素人の手に負えません。また、無理な掃除方法は故障の原因ともなります。機械部分については、自信がない場合には手を出さず、専門の業者に依頼をするようにしましょう

簡単手入れ!業務用冷蔵庫の掃除方法3ステップ

掃除をしようと外装を傷つけるとサビの原因に!

掃除の仕方として、まずは大きな部分から始めていきましょう。本体の外装は、柔らかい布で水ぶきします。汚れがこびりついているところは、スポンジでこすりましょう。中性洗剤は汚れが良く落ちますが、洗剤が残らないように良く水でふき取ってください。
本体外側の汚れが目立つときは、次のような掃除方法で行ってください。

  1. 洗剤をティッシュやキッチンペーパーに吹き付けて、貼りつける。
  2. そのまま30分ほど置く。
  3. 濡らした布で数回ふき取り、丁寧に洗剤を落とす。

外装に傷をつけると、錆びやすくなります。スチールタワシやクレンザーの使用はやめましょう。機械部分は故障の原因となるため、水や洗剤などをつけないよう、注意が必要です。

見落としがちな天板部分の掃除、扉のパッキンも丁寧に

庫内の清掃も、柔らかい布やスポンジで水ぶきをします。洗剤はオレンジ由来などの安全なものをつかうか、アルコールで拭きます。庫内の排水溝に汚れを流すと、詰まりの原因となり霜取りの水が流れなくなります。庫内は水をあまり使わず、ふき取りを行ないましょう。

ドア部分のパッキンは、汚れをそのままにしておくとカビ状になったり、本体とくっついて劣化します。丁寧に汚れを落とし、黒ずみにならないようにします。天板部分は見えづらいので、汚れがたまりやすいところです。空気中の油分とほこりが混ざり、固まっている場合があります。中性洗剤をキッチンペーパーや新聞紙に吹き付け、しばらく放置すると汚れが溶けて落ちやすくなります。

業務用冷蔵庫のコンプレッサー、コンデンサーの掃除方法

業務用冷蔵庫のコンプレッサーが汚れると放熱能力が落ちる

放熱する部分のコンプレッサーが汚れると、冷やす能力が落ちてしまいます。裏側部分で掃除しづらいところですが、冷蔵庫の下にキャスターがついている場合には引き出すことができます。できれば裏蓋を開けて、ほこりを掃除機で吸い込むか、エアダスターで吹き飛ばすのが良いでしょう。そこまでできない場合には、掃除機のノズルを伸ばしてブラシパーツなどで、通気パネルのほこりを良く落とすようにします。熱くなる部分なのでうっかり触れないよう、注意してください。できればプラグを抜いてから行なうと安心です。このとき、トラッキング防止のために、差込プラグのほこりも忘れずにはらっておきましょう。

コンデンサーはフィルター掃除をこまめに

コンデンサーのフィルターが目詰まりしていると、良く冷えません。比較的簡単に取り外しができますので、タワシなどで水洗いを行ないます。布で良くふき取り、完全に乾いてから取り付けるようにします。フィルターの目詰まりは電気代にも影響します。1週間に1回程度の掃除が理想的です

コンデンサーそのものは、電源が近く洗浄しにくいので、できれば業者に依頼する方が安全です。掃除方法に不安がある場合にはプロに任せてください。自分で行う場合には、強アルカリ性洗剤と大量のタオル雑巾を準備します。ファンをモーターごと外して、洗剤をスプレーで吹きかけます。30分ほど放置して汚れが溶けたら、水スプレーで洗剤を洗い流しながら、タオルでふき取ります。洗剤成分が残らないように、しっかりと洗浄してください。作業の際には、マスクとゴム手袋も忘れずに。

業務用冷蔵庫の日頃のメインテナンス。買い替え時期は10年程度

大切に使えば故障知らず

業務用であっても冷蔵庫は電化製品ですので、水には弱いものです。うっかりと水を流してしまうことのないように、気をつけます。コンプレッサーのフィルターが詰まると余計な負荷がかかります。フィルター掃除をこまめにするだけでも、冷蔵庫のもちが違います。また、庫内に入れるものは、8割と考えましょう。詰め過ぎると冷えが悪くなり、冷蔵庫が過稼働の状態になります。業務用冷蔵庫を使用するときは以下のような点に気をつけましょう。

  • 温度設定
  • 霜が付きすぎていないか
  • フィルターの汚れ
  • ものの詰め過ぎ

10年を目安に買い替えを検討

どれほど気をつけて使っていても、365日休まず稼働する冷蔵庫は徐々に冷えが悪くなっていきます。業務用冷蔵庫の耐用年限は、陳列用で6年、その他は8年と言われています。コンプレッサー、コンデンサーなどの交換をしても、結局買い替えた方が安くなる場合が多いようです。業者による徹底掃除でも機能が回復しない場合は、買い替えを検討した方が良いでしょう。長持ちさせたい場合には、こまめにフィルターなどの手入れをし、年に数回は業者に依頼して機械部分まで掃除を行なう必要があります。

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