万年筆にネームを入れる

ネーム入りの万年筆はステイタスを感じさせ、持っていて嬉しいものです。世界にたった一本の自分のためだけの品として、一層愛着が湧きますよね。購入したときにネーム入れしてもらう他にも、ネーム入れのために持ち込みができる専門店があります。入ってしまっているネームを消す際も、素材次第では相談にのってもらえます。ここでは、万年筆のネーム入れについての情報を詳しく見ていきましょう。

＜目次＞

万年筆に自分のネームを入れるにはどうする？

購入時以外にもネーム入れは可能

通常ネーム入れは購入時に注文しますが、すでに買ってしまったものについても持ち込んでネーム入れをしてもらえるサービスがあります。万年筆の販売店によっては、購入品以外不可のところもあるので、事前に確認しておきましょう。また、プラスチック製など万年筆の材質によっては入れられない場合もあります。文房具やペンを扱っているお店以外にも、あらゆるものに刻印できるという業がもあります。
器用な人だと自分でできそうな気もしますが、万年筆のような硬質な表面加工のものに素人が挑戦するのは、かなり困難です。専用の刻印機でないとうまく文字を彫り込むことができません。プロに頼めば、オリジナル商品のような美しい仕上がりにしてもらえます。

ネーム入れにも種類があるの？

ネーム入れにもいくつか種類があります。一般的なのはステンレス・真鍮等などの金属軸や樹脂の高級筆記具にネームを入れる彫刻法です。単なるインク印刷による文字入れと違い、こすれても落ちることが無く、耐久性があります。手動彫刻機を使った職人による手掘りがもっとも高額となります。現在は、パソコンと連動させたコンピューター彫刻機が主流です。また、さらに細かい彫刻が可能なレーザー彫刻もあります。樹脂素材は溶ける可能性があるため、金属製の素材に向きます。インクによる印刷は、版下を作るためノベルティなど数の多いネーム入れに向きます。主にプラスチック素材に利用されます。

○ネーム入れの主な種類

ネーム入れ方法		特徴
彫刻	手動彫刻機	文字盤を使い機械を主導で動かす。彫りの深さ調節など繊細な技術が必要
	コンピューター彫刻機	もっとも一般的。PCソフトと連動しており短時間でできる
	レーザー彫刻機	レーザー光線を照射した部分の下地が文字となり現れる方法。熱が発生するため金属・皮素材に向く
印刷	インク印刷	版を作るためある程度の数量がある場合に向くロゴなど文字以外も印刷可能。主にプラスチック製の素材推奨

万年筆に入れたネームを消すにはどうする？

DIYの場合には材質に注意！

軸やキャップの素材が金属などで、ネームが刻まれている場合には削り落とす方法があります。まず次のようなものを準備します。

ダイヤモンドヤスリ
耐水ペーパー
マスキングテープ
コンパウンド

先に、ヤスリでネーム部分を削り、さらに600～10000位のペーパーで徐々にこすります。ネームが見えなくなったら、コンパウンドで丁寧に磨きをかけて光沢を復活させるという手順です。リングやクリップ部分など、傷つけたり汚れないようにマスキングテープで保護してから開始してください。ネームの彫りが浅いものであれば、これできれいになります。ホームセンターで販売されている金属磨き用品や、カーワックスも利用できます。
ネームの刻印が深い場合には、一度彫られた部分をマニキュアや接着剤で埋めてから、上記のような作業を行う必要があります。ネームの色を溶かすという方法もありますが、素材が樹脂製の場合、溶剤を使うと軸そのものが溶ける可能性があるため注意してください。

万年筆修理業者でもネームは消せない？

万年筆の修理を行っている業者や、ネーム入れをしてくれるショップでも、ネームや刻印を消すサービスを扱っていないところが多いようです。素材によって傷がついたり、万年筆本体を傷める可能性が高いため、クレームになりやすいのが理由です。依頼に応じてもらえる万年筆修理専門の業者や万年筆販売の老舗などでも、必ず事前確認を行います。素材や作りによっては、断られる場合も。万年筆は一般的に高価で、ネームが入ったものは特に装飾的な要素が付加されていることも良くあります。ワンカラーであれば何とか処理できても、木目調・大理石調など表面加工が複雑に施されていると、手に余るのでしょう。