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しばらく使っていない機器が動かず、電池を取り変えようと開けたら液漏れしていた!ということはあり得ることでしょう。電池の液漏れはなぜ起こるのでしょう。また、そもそも液漏れとはどういう現象なのでしょうか。ここでは電池が液漏れする原因、また液漏れしてしまった場合の掃除方法などについて見ていきます。

電池が液漏れをする原因って何?

電池の液漏れの状態は2つ

電池の液漏れの状態は大きく2つに分けられます。

  • 未使用電池の液漏れ
  • 使用中・使用後の液漏れ

未使用電池の液漏れの主な原因は、長期保存による自然的劣化、外部からの刺激など。管理の悪い店舗に長く置かれていた、あるいは自宅で保管していた場合でも起こります。輸送中の大きな振動や、落下させたり衝撃を与えた場合、変形し液漏れにつながります。サビ、金属によるショートなども液漏れの原因となります。
電池が液漏れするのは、実は安全構造の結果です。衝撃や温度変化などで異常な化学反応が起こり、大量のガスが内部に充満した場合、規定圧力を超えると安全にガスが抜ける仕様となっているのです。この時、ガスが放出されると同時に、電解液が外部に漏れだすのが、液漏れ現象です。

使用中・使用後の液漏れの原因は?

使用中や使用後の電池が液漏れを起こすきっかけには、次のようなものがあります。

  • 電池を逆向きに入れた
  • 電極をショートさせた
  • 切れた電池を機器内に放置した
  • 異なるメーカー、使用期間の電池を使っている
  • 機器のスイッチをオンにしたまま

電池が正常な位置に入れられておらず、ショート状態の電流が流れると短時間のうちに電池が発熱することがあります。高温状態で機器が熔ける可能性もあり、大変危険です。電池を「裸」のままピンなどの金属類と一緒していると、ショートが発生して異常加熱し液漏れを起こします。また、異なるメーカー・種類・使用期間の電池を混在させると、電池容量の少ないものから過放電となります。電池容量の多いものが異常加熱し、結果として液漏れを起こす原因となります。

電池の液漏れの状態にはどのようなものがある?

白い粉が液漏れ 周囲のサビは電解液が原因

しばらく使っていなかった時計やおもちゃなどの裏ぶたを開けたときに、白く粉が固まった様な状態になっているのが、液漏れです。多くは電池の極部分から広がっていますが、場合によっては電池ケース全体が粉まみれになっていることも。また、青サビのように色がついていることもありますが、これは漏れ出した電解液が大変腐食性の強いアルカリ成分のため、周囲の金属がサビてしまうためです。切れてしまった古い電池を入れっぱなしにしたり、電源をオフにしていないと、電池の中で異常な化学反応が起こり、電解液が漏れ出してしまいます。

素手でさわるのは危険!液漏れは肌も腐食させる?

アルカリ電池の電解液は、水酸化カリウムで、非常に強いアルカリ性です。周囲のものを腐食させるだけではなく、人間の肌にも影響を及ぼします。すぐに洗い流せば問題はありませんが、付着したままにしておくと、化学やけどを起こす可能性があります。知らないうちに皮膚が深く傷つき、血がにじんできます。ひどくなると潰瘍ができてしまう危険もあります。また、目に入ると失明する恐れが!液漏れを発見したら、素手では触れないようにし、周囲に粉が飛び散らないようにしてください。できれば防護メガネを着用するのが、ベスト。また、衣服に付いた乾いた電解液にも注意が必要です。

電池が液漏れしたときの掃除方法

マンガン電池は液漏れしづらい

電池の液漏れが起こるのは、ほとんどの場合アルカリ電池です。マンガン電池も液漏れがないとはいえませんが、ごく稀です。アルカリ電池の溶解液は非常に危険なため、液漏れ掃除を行なう際には扱いに注意をしてください。手順は次のとおりです。

    1. ゴム手袋、防護用メガネなどを着用する
    2. 外せる部品は外して置き、液漏れの状態を詳細にチェック
    3. ワイヤーブラシ、紙やすり、金属たわしなどで固まった電解液を落とす
    4. ティッシュなどで粉が残らないようにきれいにふき取る
    5. ミシン油や潤滑油などを塗り込んでおく

金具についている液漏れは、十分に落とし、キラキラになるまで磨いてください。電池と接触する金具が黒く錆びている場合には、入念にサビ落としを行ないます。

通電しない!意外なお助けツールとは?

液漏れがひどい場合、汚れやサビを落としても機器が動かないことがあります。新しい電池を入れても作動しないときは、接点への通電が不具合を起こしていると思われます。接点を交換できれば良いのですが、それが難しいときには簡単に復活を試みる方法があります。ワイヤーブラシなどで丁寧に汚れを落とし、粉をふき取った後、鉛筆やシャーペンで接点をこすります。この時、接点全体に鉛筆の粉が行き渡るように行なってください。鉛筆・シャーペンの芯は黒鉛と粘土を混合して作ります。黒鉛は電気を通すため、鉛筆の粉を塗り込むことで、通電が可能となります。鉛筆は濃いほど黒鉛の量が多いため、3B・4Bなどの方が効果的です。周囲に散った鉛筆の粉は、良くふき取っておきましょう。

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