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国などが環境に配慮した取り組みとして推奨するグリーン購入法ですが、オフィスでは特によく使うコピー用紙に目が向けられます。グリーン購入法適合製品の基準や、調達基準など、グリーン購入法については一般的に知られていない部分があります。実際に購入する際の価格も気になります。ここではグリーン購入法とはどのようなものか、その基準や活用方法について見ていきましょう。

グリーン購入法の4つの考え方

国などの機関は義務化、民間でも次第に重要視されるように

グリーン購入法は、環境への負荷を低減化するために平成12年に制定されました。グリーン購入とは、物品の購入に際して環境に留意し、必要性を考慮しながらできるだけ環境負荷の少ない商品を積極的に購入する行動です。この行動を通し、個人や企業の環境行動を意識し、製品の供給側となる企業に、環境に配した商品の開発を促します。
グリーン購入のための基本的な考え方は次の4つです。

  • 買う前にそれが必要かを考える
  • 買う時には環境を考えて作られたものを選ぶ
  • 長く大切に使えるものを選ぶ
  • 使い終えた時にごみが少なくなるものを選ぶ

グリーン購入法は国などの関係機関に対しては、発足当時から義務化されています。民間については任意であるため、スタート時は環境への取り組みアピールとして企業イメージ向上のために利用されていました。ですが環境への意識が社会全体で高まるにつれ、企業の社会責任として業績を左右しかねないほどの必達項目となりつつあります。大手企業の中には取引先に対し、グリーン購入の一定水準を条件に掲げている会社も見られるようになりました。

グリーン購入法の対象となる商品は数多い

グリーン購入法の対象となる具体的な商品にはどのようなものがあるのでしょうか?主なものを次に挙げてみます。

  • 紙類
  • 文具類
  • オフィス家具類
  • 画像機器等
  • 電子計算機等
  • オフィス機器等
  • 移動電話等
  • 家電製品
  • AC等
  • 照明
  • 自動車等
  • 制服・作業服
  • インテリア・寝装・寝具

その他にもおよそ身の回りで目に付くほとんどの物品、および公共工事の工法などまで含まれます。

特にオフィス関連では、テープカッターや鉛筆削り、筆記用具、消しゴムに至るまで細かく分類されています。これらのグリーン購入法の適合商品については、提示されている基準を満たせばメーカー側が表示して良いことになっています。第三者が確認し得る基準となっているため、データの表示請求は可能ですが、偽装表示への罰則は明確になっていません。

コピー用紙のグリーン購入法の基準は主に古紙配合率

現実に即して見直しが行われたコピー用紙の適合基準

相次ぐ古紙偽装問題の発覚により、コピー用紙のグリーン購入の基準は古紙100%から現実的な路線への改訂されています。古紙利用最優先ではあるものの、古紙以外では、森林認証材、間伐材、未利用材等が原料として利用できます。新基準によれば、古紙の割合は70%以上で、残りが環境に配慮した原料となります。

評価基準はポイント制で、80ポイント以上の獲得でグリーン購入法の適合基準を満たします。ポイント計算方法は次の通りです。

古紙パルプ配合率+(間伐材・森林認証材)+環境に配慮された材料+白色度+坪量(単位あたりの重量)=総合評価値

ただし、白色度は低いほど加点が高く、同じく坪量も値が少ないほど加点が高い計算となります。各項目には重み付けがされ、環境負荷の軽減につながる指標となっています。

コピー用紙の白さや厚みが環境に負荷をかける?

  • 白色度が低いほど環境に優しい
  • 紙の厚みが薄いほど環境に優しい

古紙偽装問題の原因のひとつには、紙の白色度がありました。古紙の割合が高くなるほど、白色度が低下します。しかし、消費者側の要求に従えば各メーカーは「美しい紙」を製造せざるを得ません。古紙を利用しながら白色度を高くするためには、工程が余分に重ねられてかえって環境負荷が大きくなってしまいます。白色度の上限を決め、加算点を大きくすることには薬品の使用量を抑制するねらいがあります。

また、厚みのある紙は丈夫で高級なイメージがあります。坪量が小さいということは、それだけ紙が薄くなるということです。グリーン購入法の基準には、坪量を小さく抑えてパルプ使用量を削減すると同時に、流通の際にかかる環境負荷も低減させる意味があります。さらに廃棄や焼却処理の際にも、坪量が小さいほど環境への負担は低くなります。

グリーン購入法適合商品の計算では、白色度と坪量にそれぞれ15点が最高点として加えられます。

グリーン購入法適合品と普通のコピー用紙との比較

グリーン購入法適合のコピー用紙の価格は高い

グリーン購入法では再生紙率が70%以上を基準としています。雑誌や新聞などのやや色が濃くざらつきのある紙の場合には、バージンパルプから作られた紙よりも価格は低くなります。しかし、コピー用紙のように白さが求められる紙については、処理工程が多くなるためその分価格に上乗せされます。

回収された再生紙はそのままでは紙原料として使えません。一度パルプ状に戻し、漂白をくり返します。さらに白いコピー用紙とするためにコートという工程が加えられます。手順が多くなるほどコストが高くなります。

また、バージンパルプの製造工程では自前の燃料となる物質が排出され、それを利用して紙が製造されます。再生紙の場合にはその燃料が調達できないため、石油燃料が消費され、その分が商品価格に反映されます。再生紙率が高いグリーン購入法の基準に適合したコピー用紙は、通常のものと比較して価格の高い商品が多くなります

グリーン購入法適合品と普通の用紙の価格の違い

コピー用紙にも、様々な色合いや厚みの違いがありますが、同条件であればほとんどの場合グリーン購入法適合品の方が高くなります。グリーン購入法は環境保全のための施策であり、これを理解するかどうかで購入する側の企業の姿勢が問われます。製造メーカーの工夫や努力により、通常の用紙との価格差が縮まってはいるようですが、一般的にはまだ開きがあります。
現在のところ5000枚単位では、700~1000円程度の違いが見られます。
今後、再生紙を処理する技術が向上していけば、人件費を含めた製造費用が下がり、より安いグリーン購入法適合品が増えていくでしょう。

用紙種類 A4用紙5000枚あたり 1枚あたり
通常コピー用紙 2595円 0.52円
グリーン購入法適合品 3384円 0.68円

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