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糖”と聞くと、甘いケーキやお菓子を連想します。事実、砂糖は甘味料の代表としてスイーツには欠かせない調味料。しかし、「砂糖イコール太る」という思いから、ダイエット中には砂糖を使った食品は控える傾向にあります。そんななか、カロリーゼロの甘味料を配合した、ダイエット用のお菓子や飲料なら、カロリーを気にせずに甘さを堪能できます。しかし、甘味料と砂糖はどう違うのでしょうか?砂糖は健康に良くないのでしょうか?砂糖と甘味料について調べてみました。

いくつ言える?砂糖の種類

こんなにあります砂糖の種類―砂糖の基本を知る

普段何気なく使っている砂糖。料理の味付け、コーヒーや紅茶に入れたり、そしてスイーツの甘さに砂糖は欠かせません。日本で発売されている砂糖の種類は多く、代表的な上白糖やスティックシュガーでお馴染みのグラニュー糖など、さまざまです。まずは、基本的な砂糖の種類を紹介します。

名称 特徴
白砂糖(上白糖) しっとりとした風味の白砂糖は、砂糖の代表。上白糖とも呼ばれ、どの料理にも合います。
グラニュー糖 白糖より少し粒が大きめで、サラサラとした砂糖。スティックシュガーとして使われます。
白ザラ糖 グラニュー糖より大きめの結晶の白ザラ糖は、無色透明。氷砂糖を小粒にしたようです。
三温糖 白ではなく茶色い砂糖。甘味が強く独特の風味があります。
中ザラ糖 白ザラ糖と同じ粒の大きさですが、色は茶色。独自のまろやかな風味。
氷砂糖 氷のような形の砂糖で、果実酒によく使われます。
角砂糖 グラニュー糖を四角に固めた砂糖。コーヒーや紅茶に利用されます。
粉砂糖 グラニュー糖を粉砕したもの。粒子が細かくパウダーシュガーと呼ばれ、雪のようです。
顆粒状糖(フロストシュガー) 冷たい水にも溶けやすいのが特徴。プレーンヨーグルトによく使われます。
黒砂糖 さとうきびの絞り汁をそのままに詰めた砂糖。独自の強い風味と濃厚な甘さが特徴。

白い砂糖と茶色い砂糖の違いは?-砂糖の製造方法について

砂糖と言えば白い砂糖が定番でしたが、三温糖や黒砂糖といった茶色い砂糖も良く使われています。特にヘルシー志向の人達は、茶系の砂糖を好んで使うようです。白い砂糖と茶色い砂糖は何が違うのでしょうか?

<砂糖の製造方法>
白い砂糖と茶色い砂糖の違いは製造方法です。まず、原料となる「サトウキビ」や「甜菜(テンサイ)」から取り出した搾り汁を煮詰めます。このときの色は茶色です。茶色の正体は「糖蜜」です。そして、糖蜜のなかから糖分だけを取り出すために、沈殿やろ過をすると透明な砂糖の結晶が出来上がります。これが白い砂糖です。糖分だけを取り出す理由は、糖蜜には糖分以外の不純物も交じっているため、味に雑味が生じるからです。

つまり、三温糖や黒砂糖が茶色いのは、製造過程でろ過などをせず、自然に近い状態だからです。そのことがナチュラル志向、ヘルシー志向の人達に支持される理由です。

一方、白い砂糖は人工的なイメージを持たれる場合がありますが、糖蜜から不純物を取り除いた純粋な糖分です。そのため、味に雑味を含まないので、いろいろな料理に利用可能な万能砂糖なのです。

この食べ物や飲み物には、どんな種類の砂糖が使われている?

料理に合ったお砂糖を選べばおいしさアップ!

砂糖は、製造方法によっていろいろな種類が作られることがわかりました。そして、砂糖の種類によって味や特徴も変わってきます。砂糖によって“得意”な料理や飲み物があるので紹介します。

名称 料理や飲み物との相性
上白糖 どんな料理や飲み物にも合う、オールマイティな砂糖。
グラニュー糖 スティックシュガーでお馴染みの、コーヒーや紅茶に合う砂糖。
三温糖 甘味が強く、煮物に向いています。
氷砂糖 果実酒を作るのに最適です。飴のようにそのまま舐めてもOK。
粉砂糖 ケーキなどにフワッとかかったパウダーシュガーは、見た目の美しさも演出します。
顆粒状糖(フロストシュガー) プレーンヨーグルトに附属されています。シリアルや果物にも合います。
黒砂糖 濃厚な甘さは煮物や、かりんとうによく使われます。

砂糖はダイエットの強敵は本当?砂糖と健康の話

砂糖と言えば、甘さが特徴の調味料。しかし、その甘さによって虫歯の原因となることが懸念されます。そして、砂糖に含まれる糖質は、肥満や糖尿病など生活習慣病を引き起こすと言われています。健康と砂糖にはどのような関係があるのでしょうか。

(1)肥満
砂糖(糖分)を摂取すると、ブドウ糖と果糖に分解され血液に流れ出します。ブドウ糖は膵臓から分泌されるインスリン(ホルモン)により代謝されますが、多く摂取されたブドウ糖は代謝されず、中性脂肪となり体内に貯蓄されます。つまり、糖質の取り過ぎに注意し、適度な運動を行い、代謝を高めることが肥満を防ぐ秘訣です。

(2)糖尿病
糖尿病とは、インスリンの機能の低下により引き起こされる病気です。初期症状として多尿、喉の渇き、体重の減少があげられます。インスリン機能に問題があるため、摂取した砂糖から分解されたブドウ糖を処理することが出来ず、血中にブドウ糖が増えすぎた状態です。ブドウ糖の代謝が悪い状態のため、砂糖やその他の糖質の摂取を控えることが推奨されます。

(3)虫歯
「甘いものを食べると虫歯になる」は定説ですが、実は、虫歯の原因は「甘いもの」ではありません。虫歯ができる主原因は「虫歯菌=ミュータンス菌」によるものです。虫歯菌が歯に付着し歯垢(プラーク)を作り、口の中の食べものの残りを栄養源とし繁殖します。しかし、この虫歯菌の繁殖を手助けするのが砂糖を代表とする糖質です。虫歯菌は糖質を酸に変え、その酸で歯を溶かし虫歯を作ります。虫歯を防ぐには、口のなかに酸のもとになる食べ物、特に糖質を残さないことです。

砂糖と甘味料の微妙な関係

甘味料とは?砂糖以外の甘いもの?

食べ物や飲み物を甘くするのは、砂糖だけではありません。砂糖を含む「甘味料」は糖質系甘味料非糖質系甘味料の2種類に分けられ、各甘味料はさらに細かく分類されます。代表的な甘味料を以下の表にまとめてみました。

甘味料
糖質系甘味料 非糖質系甘味料
砂糖 でん粉由来の糖 その他の糖 糖アルコール 天然甘味料 人工甘味料
分蜜糖 含蜜糖 ブドウ糖
果糖
異性化糖
乳糖
オリゴ糖
※糖質に水素を添加(還元)し、科学的に安定させたもの
キシリトール
ソルビトール
マルチトール
還元水あめ
※植物や果実の甘味成分を抽出した甘味料
ステビア
甘草(グリチルリチン)
羅漢果
※化学合成により作られ、主に、
低カロリー甘味料として使用される
アスパルテーム
スクラロース
アセスルファムK
サッカリン
上白糖
グラニュー糖
三温糖
黒砂糖
和三盆

健康を気にする人にお勧めの甘味料とは

甘いものは食べたいけど、「体重増加が気になる」あるいは「カロリーゼロの人工甘味料は体に悪そう」と、甘味料を含む食べ物や飲み物の摂取はジレンマが生じます。ヘルシー志向の人には、こんな甘味料がお勧めです。

<はちみつとメープルシロップは、砂糖よりもカロリーが低い>
天然の甘い調味料として、砂糖に次いでよく利用される「蜂蜜」は、砂糖よりもカロリーが低く、健康に良い成分が多く含まれています。また、カナダのお土産として定番の「メープルシロップ」も、蜂蜜と同様に健康を意識する女性に多く支持されています。

はちみつ メープルシロップ
カロリー(100gあたり)
※砂糖 384Kcal
294Kcal 257Kcal
特徴と効果 ・殺菌力があり、風邪の予防などに効果がある
・消化が早く、疲労回復に効果的
・ミネラル、ビタミンが豊富
・糖化を防ぐので、アンチエイジングに効果的

<甜菜糖(てんさいとう)はマクロビオティックに利用される自然食品>

玄米や穀物など、自然食を中心としたマクロビオティック料理では加工度が多すぎるという理由から、白い砂糖(上白糖)は使用しないそうです。白く精製する過程で、天然の不純物を取り除くことが自然に反しているからでしょう。そんな「自然食品」に徹底したマクロビでも、甜菜糖の利用はOKとされています。その理由に以下のことを挙げられます。

(1)甜菜糖の原料となるサトウダイコンは寒冷地で栽培されるため、体を冷やさない(マクロビオティックでは生産地が熱いと体を冷やし、寒いと体を温めるという考えを持っています)。
(2)整腸作用のあるオリゴ糖を多く含んでいる。

この食べ物や飲み物には、どんな種類の甘味料が使われている?

甘いけど低カロリー?甘味料の用途はさまざま

砂糖を代表とする甘味料の最大の特徴はその「甘味」です。甘味に含まれる糖質は体のエネルギーとなる重要な栄養素ですが、過剰摂取は肥満や糖尿病などを誘発します。しかし、「甘いもの」はときどき無償に食べたくなるものです。ダイエット中や健康維持のため、糖質を控えている場合、低カロリーの甘味料は強い味方。主な甘味料と飲み物、食べ物への利用をまとめてみました。

名称 特徴 用途
果糖 その名の通り、果実などに多く含まれる糖類で、天然の糖類のなかで最も甘味が強い。エネルギーに素早く変わるので、満腹感/満足感が得られる。スポーツ時のエネルギー補給に適している。 食品、飲料、果実酒
異性化糖
(果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖)
異性化糖はデンプンからつくられたぶどう糖を酵素により一部、果糖に変化させたもの。別名を高フルクトース・コーンシロップと呼ばれ、コーラなどの炭酸飲料に多く使用されている。 清涼飲料、菓子類、ガムシロップ
オリゴ糖 腸内環境を整え、便秘解消に効果がある。オリゴ糖は、抽出される原料によりさまざまな種類がある。 ダイエットや便秘改善用の食品、飲み物
キシリトール トウモロコシの芯やシラカバなどから抽出される。キシリトールは糖アルコールのなかで最も甘く、また虫歯の原因となる酸が作られないため、虫歯を防ぐ甘味料として有名。 虫歯予防のための飲料や菓子
ダイエット食品や飲料
ステビア キク科ステビア属の葉を原料とするステビアは、植物由来であることに安心感があり、低甘味料としてダイエットドリンクなどに利用されている。 ダイエット食品や飲料、サプリメント
菓子、清涼飲料
アスパルテーム アスパラギン酸フェニルアラニンという、2つのアミノ酸が結合された人工甘味料。甘味は砂糖の約200倍あるが、ほとんどカロリーがないためダイエット用として多く利用される。 パルスイートの商品名で「カロリーゼロ」のダイエット甘味料として、いろいろな料理や飲み物に利用

 人口甘味料は本当に危険なの?甘味料の安全性について

メタボ対策やダイエット意識に対する商品戦略として、「カロリーゼロ」や「ノンカロリー」などと“太らない”をうたった飲料や食品が多く発売されています。しかし、こうした商品に使われている甘味料の多くは人工甘味料に分類されるアスパルテームです。アスパルテームには脳を興奮させる働きがあり、人体に害を与えるという情報が多く伝えられています。しかし、それは大量の量を一度に摂取する、あるいは長期に渡り摂取する場合です。どんな食品、飲料でも取り過ぎは健康を害します。なるべく自然に近い食材を、適切な量取ることが健康を維持する基本です。

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