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殺虫剤にも様々なタイプがあります。殺虫剤にも医薬品、医薬部外品とあります。効果的に使用するにはどんな事に気を付ければいいのでしょうか?ここでは殺虫剤に使用されている成分や特性、医薬品と医薬部外の違いから薬事法に至るまで、殺虫剤について詳しく掘り下げて解説をしていきます。殺虫剤の成分や効果、選び方についてもっと知りたいという方はこの記事を参考にしてみてください。きっと理解が深まるはずです。

殺虫剤に使われている成分を理解しよう

殺虫剤はどんな成分で出来ているの?

そもそも殺虫剤にはどんな種類があるのでしょうか。

大きくカテゴリー分けすると「くん煙剤」「スプレータイプ」「誘引殺虫剤」などがあります。それぞれタイプは異なりますが主にどんな成分で構成されているのでしょうか?代表的な成分について見ていきましょう。

まずは、有機リン剤です。こちらは神経系や呼吸器系に対する毒性があり、かなり古くから殺虫剤の成分として使用されてきました。有機リン剤と同様の効果があるカーバメート剤も、殺虫剤の成分として頻繁に使用されています。また、ニコチン剤も様々な殺虫剤の成分に含まれています。効果としては神経を異常なまでに興奮させて殺虫します。

これらの成分は人体に対して無害ではないので取り扱う際は注意事項を厳守しましょう。

殺虫剤の成分は人体に影響はないの?

殺虫剤は使用する上で十分に注意することが重要です。例えば、部屋の中でスプレータイプの殺虫剤を使用した際には、十分に換気をするなどの対処が必要です。換気もせずにそのまま生活していると人体への影響が出てくる可能性も考えられます。

また、くん煙剤も同様です。使用中は部屋に入らない、食べ物は密閉する、食器類は洗浄し直す、といった事は必ず行いましょう。

ピレスロイドなどの成分は様々な殺虫剤の成分として含まれていますが、注意が必要です。昆虫の神経を壊す作用があるとされていますが、人体への影響が全く無いわけではないので、万が一体内に入ってしまったという時は入念にうがいをしてください。体調が優れない場合は速やかに医師の診察を受けましょう。

殺虫剤の医薬品と医薬部外品の違いを理解しよう

そもそも医薬品と医薬部外品の違いは?

医薬品や医薬部外品といったワードは耳にするけど、具体的な違いについてイマイチ理解していないという人は多いようですが、医薬品とは何を指すものなのでしょうか?

シンプルに伝えると医師が処方してくれる薬や、薬局で売っている薬のことを言います。定義としては、医師や薬局で専門家の許可の下で販売される薬です。

次は医薬部外品についてですが、こちらは少々紛らわしいのです。医薬品ではないけど、医薬品に準ずるものとされています。イマイチしっくりこないですよね?わかりやすく伝えると少々乱暴な説明になってしまいますが、効果はあるものの積極的に怪我や病気を回復してくれるものではないというものです。

ですので、より効果を期待するのであれば医薬部外品よりも医薬品を選んだほうが良い、ということになります。

殺虫剤の医薬品と医薬部外品は何が違うの?

殺虫剤の医薬品と医薬部外品はどうやって区別されているのでしょうか?殺虫剤となると、捉え方がまた変わってきます。殺虫剤のタイプによって医薬品、医薬部外品に分かれるようですが、表にまとめてみましたのでご覧ください。

医薬品 医薬部外品
・蚊取線香

・毒餌剤

・エアゾール(有効成分がピレスロイド剤である場合)

・ダニシート

・くん煙剤

・エアゾール剤

このように分かれます。どちらが危険で、どちらが安全ということではないようです。どちらも使用する上では最新の注意を払って、注意事項を厳守しましょう。

薬事法とはどのような法律なのか

薬事法って何?

薬事法という法律は、医薬品・医薬部外品を使用した際に衛生上危害の発生を防ぐことを目的として制定された法律です。安心安全に医薬品・医薬部外品を使用するだけではなく、研究開発の促進も目的とされています。

また、医薬品を手にする際には薬に関する知識を十分に備えた医師や薬剤師の下で処方、販売されるというルールも薬事法に含まれています。

薬事法の概要には医薬品を手にする国民側(消費者)にも、成分の有効性や安全性に関する知識や理解を深めるように努めてほしいと記されています。要するに医薬品を製造する側も、販売する側も、消費者側も細心の注意を払ってくださいということなのです。

薬事法違反の判断基準とは?

医薬品と医薬部外品の境界線はとても曖昧なものです。医薬部外品であるのにも関わらず過大効果を謳ってしまい、違反となってしまうケースも少なくありません。また、医薬品でも過剰な効果を宣伝文句として表示してしまう例が跡を絶ちません。

表記されている効果を信用して購入したのにもかかわらず、一向に病状が回復しないのでは、消費者は何を信用すればいいのか判らなくなってしまいます。例としては”癌がよくなる””便秘がなおる””腎障害をなおす”といったような、断言するような文言は違反となります。

殺虫剤と農薬の違いを理解しよう

農薬はどんな成分で出来ているの?

農水省に登録されている農薬の有効成分は、約500種類あります。今は登録されていても、失効してしまうと使用できなくなるので使用できる成分の数は常に変動しています。

ごく一部ですが、防虫対策を目的とした成分ではアセタミプリド、菌の繁殖抑制を目的として成分ではアゾキシストロビンといったものがあります。

全ての成分を理解するのは不可能に近いので、農薬を購入する際は商品の効果を理解し、用途に合ったものを選びましょう。また、農薬と殺虫剤ではどちらの方が強力、ということはないようです。用途に合った使い方をするのが最も効果的だといえるでしょう。

殺虫剤と農薬の決定的な違いとは?

殺虫剤と農薬では何が違うのでしょうか?パッケージを見ればわかるけど、効果についてはイマイチ理解できていないという人も多いのではないでしょうか。

実は、全く成分が同じでも、許可を出す省庁が異なるだけで殺虫剤か農薬なのか変わります。殺虫剤は厚生労働省の「薬事法」で管理されており、農薬は農林水産省の「農薬取締法」で管理されています。成分や強さではなく管理している省庁が異なるというだけなのです。

農薬だから安全だと勘違いする人も多いようですが、これは大間違いです。使用上の注意を厳守するよう心がけましょう。

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