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泡切れが良く、除菌機能も付加されるなど、今どきのキッチン洗剤はとても優秀です。でも油汚れまで瞬時に落としてしまう強力さに、どんな成分が使われているのかとふと不安になることも。界面活性剤などということばも良く聞きますが、安全性に問題はないのでしょうか。アトピーなど、肌への影響も気になりますよね。エコ意識が高まる今、キッチン洗剤への疑問にスポットを当ててみましょう。

キッチン洗剤に使われている成分は?

合成洗剤と自然派石けんの違いは?

スーパーなどでたくさん売られているキッチン洗剤のほとんどは、合成洗剤のカテゴリに入ります。メーカーによってそれぞれ多少の違いはありますが、成分的にはあまり変わりはありません。合成洗剤の主な原料は石油由来です。それに対して自然派の石けんは、動植物の油から作られます。

○合成洗剤と自然派石けんの材料比較

合成洗剤系 ・水
・アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)
・アルキルアミンオキシド(界面活性剤)
・クメンスルホン酸ナトリウム(安定化剤)
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)
・クエン酸三ナトリウム二水和物(安定化剤)
・塩化ナトリウム(安定化剤)
・エチルアルコール(粘度調整剤)
・ポリプロピレングリコール(安定化剤)
・水酸化ナトリウム(pH調整剤)
・香料
・防腐剤
・着色剤
自然派石けん系 ・精製オリーブオイル(ヤシ油、牛脂、ラード、なたね油、大豆油、米油など)
・精製水
・苛性ソーダ

良く聞くけど“界面活性剤”って何?

界面活性剤の「界面」は、性質の異なる物質の間にできる境界面のこと。水と油のように、そのままでは混ざり合わないもの同士の間には、必ず界面があります。

界面活性剤とは、界面の性質を変えてそのままではなじみ合わないものを、同化させる働きをもつ物質です。洗濯や食器洗いの場合には、水と空気、水と油といった本来は混ざらないものをなじませなければ汚れを落とすことはできません。

実は、界面活性剤の用途は洗剤だけではありません。マヨネーズなどの「乳化」は界面活性剤の作用によるもの。界面活性剤には大きくは次のような3種類があります。

・天然界面活性剤(レシチンや大豆サポニンなど)

・石けん

・石けん以外の合成界面活性剤

人体や自然への影響について取り上げられるのは、主に「合成界面活性剤」ということになります。

キッチン洗剤とアトピーって関係がある?

強力な洗浄力は皮膚刺激の元凶に

アトピー性の皮膚炎や肌の弱い人は、直接洗剤に触れないような工夫をしている場合が多いようです。肌への刺激として考えられるのは、その洗浄力の強力さです。最近では、1滴で、油汚れを浮かせて落とすというCMが目に着きますが、皮脂に対しても影響がないとは考えられません。主婦湿疹に悩まされるという声のほとんどは、食器洗いに関係しており、乾燥する季節ほど悪化するといいます。

アトピーは肌バリア機能が低下することにより、わずかな刺激によっても症状が重くなります。合成界面活性剤入りの油汚れに強いキッチン洗剤は、それだけ乾燥を招きやすく、アトピーも悪化しやすい状態となります。

界面活性剤とアトピーの関係は?

アトピーが社会問題として取り上げられるようになったのは1970年頃からですが、当時は子どもの症状が主流でした。しかし、その後大人になっても改善しないアトピーが多く見られるようになり、現在に至ります。これについては、合成界面活性剤との関わりが指摘されています。より洗浄力の高い合成界面活性剤の普及とともに、長年アトピーで苦しむ人が目立つようになってきたといわれます。

実際に、洗剤を自然由来のものに変えたところ劇的に症状が改善したり、キッチン洗剤を薄めて使っただけで、子どものアトピーが治まったという話をよく聞きます。アトピーは、人によって症状も原因もさまざまですが、キッチン洗剤との関係がまったくないとはいえないようです。

キッチン洗剤とエコって関係がある?

アルカリ性は環境に優しい?

石けんや合成洗剤は有機物に分類され、そのままの形では自然界に戻ることはできません。石けんや合成洗剤が放出されると、微生物による「生分解」という過程を経て自然に帰ります。微生物は水中や土中に存在するものですが、放出される物資が過多になると分解が間に合わなくなり、環境破壊が起こります。

洗剤の多くは中性ですが、食洗機用洗剤などにはアルカリ性の商品もあります。アルカリ剤は油脂の成分である脂肪酸と反応し、自身が石けんとなって汚れを落とす性質があります。かなり強力ですが、手肌のタンパク質とも反応するため、直接肌に触れるような使い方には向きません。

このアルカリ剤は有機物ではなく無機物です。自然界にそのままの形で存在することができる物質なので、分解される必要がありません。

これらのこと考え合わせると、食器の汚れを不要な紙でふき取り、食洗機で少量のアルカリ剤を使って洗うことがもっともエコといえるのかもしれません。

自然界で生分解するキッチン洗剤

環境先進国であるアメリカでは、環境に配慮した商品についてはキッチン洗剤にもラベル表示を行なっています。アメリカ環境保護庁(EPA)が厳しい審査の元、「人体と環境に安全で、製品品質や性能が維持向上していると認定する」商品について、環境適合設計認証(DfEマーク)を与えます。

環境を保護する観点からは、毎日必ず多くの家庭で使う、キッチン洗剤の影響が重大です。食器を洗った水は最終的に、自然へと流れ込みます。自然界で分解可能な成分を使用している商品を選ぶ行動が、未来の環境を守るエコ活動であることは間違いないでしょう。

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