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プラスチック消しゴムの原料には塩化ビニールが使われているため長時間消しゴムとプラスチックを接触させておくとプラスチックを溶かしてしまうおそれがあるのです。この原理を知らなくて久々に筆箱を開けてびっくりしてしまったという経験をした事がある人は意外に多いのではないでしょうか。ここではプラスチック消しゴムの原料や消しゴムの種類について、消しゴムにまつわる様々な疑問を解説していきます。

消しゴムがプラスチックを溶かしてしまうのはなぜ?

消しゴムはプラスチックを溶かすのか?

消しゴムがプラスチックを溶かすと聞いて心当たりがある人はどれくらいいるのでしょうか。経験がない人にとっては嘘みたいな話ですが、実際に消しゴムがプラスチックを溶かしてしまうという現象はよくある事です。では、どのようにすると溶けてしまうのでしょうか。長時間消しゴムとプラスチックをくっつけておくだけでプラスチックが溶けてしまうのです。長い間筆箱に入れっぱなしだった消しゴムがプラスチック製の定規を溶かしてしまったという経験をした事がある人もいるのではないでしょうか。一般的な消しゴムには可塑剤という溶剤が含まれており、その成分によって接触したプラスチックを溶かしてしまうのです。

消しゴムは何でできているの?

普段何気なく使っている消しゴムはどのような原料を使用しているのでしょうか。ラバー消しゴムとプラスチック消しゴムの原料を表で見てみましょう。

ラバー消しゴムの主な原料 プラスチック消しゴムの主な原料
・天然の生ゴム
・サブスティチュート
・研磨材
・塩化ビニール樹脂
・可塑剤
・粒子の細かい研磨材

このように消しゴムには様々な薬品が使用されていますが、使用する事で人体への影響はあるのでしょうか。最も懸念されるのはプラスチック製の消しゴムに含まれる可塑剤ですが、可塑剤は環境ホルモンへの影響に疑いがあるとされていましたが、今の段階では毒性は認められていませんので身体への影響はないと言っていいでしょう。

プラスチック消しゴムは普通の消しゴムと違うの?

プラスチック消しゴムの特徴とは

プラスチック消しゴムの特徴は何と言っても塩化ビニールという成分を使っているため硬くて使いやすいという点ではないでしょうか。また、プラスチック製の消しゴムには様々な形の物があります。これも塩化ビニールを使っているからこそ可能なのです。塩化ビニールはプラスチックの仲間です。プラスチック製のものは熱すると柔らかくなりますが、塩化ビニールも同様です。こんな特性があるからこそ単純に四角いだけの消しゴムではなく様々なユニークな形の消しゴムがあるのもプラスチック製消しゴムの大きな特徴です。

プラスチック消しゴムと普通の消しゴム、使うならどっち?

消しゴムと一口に言ってもプラスチック消しゴムやラバー消しゴム、砂消しゴム、練り消しゴムなど様々な消しゴムがありますが、一般的に使われているのはやはりプラスチック消しゴムです。文房具店の消しゴムコーナーを見ても分かる通り殆どがプラスチック消しゴムだと言っても過言ではありません。実はプラスチック消しゴムが誕生したのは日本なのです。鉛筆などの文房具は外国から輸入されてきたものばかりだったので、いつまでも外国製の製品に頼ってばかりはいられないという事で研究の日々を経てプラスチック消しゴムが誕生して一気に広まっていったとされています。消し心地の違いについてはプラスチック消しゴムとラバー消しゴムはやや似ていますが、プラスチック製のほうが硬いのでより使いやすいと認知されています。

プラスチック消しゴムに使われている可塑剤って何?

そもそも可塑剤とは何か?

可塑剤と聞いても殆どの人がどんな物質なのか分からないのではないでしょうか。可塑剤はある物質を柔らかくしたり、加工処理をしやすくするために使われており、可塑剤の「可塑」は柔らかく形を変えるという意味の言葉なのです。主な使用用途としてはプラスチックを柔らかくするために用いられています。その中の一つとして当然プラスチック消しゴムも含まれています。可塑剤については安全性については様々な見解がありますが、安全性について解析や研究をしてきた結果としては健康への影響はないと判断されています。

可塑剤のメリットとデメリット

可塑剤が使われている消しゴムはプラスチック消しゴムのみです。ラバー消しゴムや砂消しゴム、練り消しゴムには可塑剤は使用されていません。可塑剤はプラスチック製のものを柔らかくするためのものなので、普段私達が使っているプラスチック消しゴムが手頃なサイズで消しやすい形にデザインされているのも可塑剤のお陰なのです。プラスチック消しゴムを作るにあたって可塑剤を使用する事によるデメリットは今のところは特に見当たらないというのが実情です。

やっぱり、消しゴムはプラスチックケースに入れないほうがいい?

消しゴムをプラスチックケースに入れる際の注意点

プラスチック消しゴムをプラスチック製のケースに長時間入れたまま放置しておくと溶けてくっつく恐れがあるので保管には十分注意が必要です。もしプラスチック製の筆箱を使用するのであれば、定期的に筆箱を開けて消しゴムを出し入れをするなどの対処が必要です。毎日筆箱を開ける習慣がある人であれば別ですが、プラスチックを溶かしてしまう事が気になるのであれば、布製や革製の筆箱やペンケースの使用をおすすめします。最近では安価で様々な素材のペンケースが販売されているので敢えてプラスチック製のものを選ぶ必要もないでしょう。

プラスチックケースに入れる際の工夫ポイント

どうしてもプラスチックのペンケースを使用するのであれば、消しゴムの収納方法については工夫が必要です。少々大袈裟ですが紙に包んでしまっておけば溶けてくっつくという事はありません。また最近では消しゴム用のケースも販売されており、中にはお洒落なデザインのものもあるので消しゴムケースに収納しておけばプラスチックが溶ける心配も要りません。または厚紙を使って消しゴムのサイズに切ってケースを手作りする事も可能です。紙とはハサミと糊があれば簡単に作る事ができるのでおすすめです。プラスチック消しゴムは意外と手のかかる文房具ではありますが、鉛筆やシャープペンシルを使う人にとってはなくてはならない文房具なので上手に対処しましょう。

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