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万年筆を使うのであれば、インクについても最低限の知識は備えておきたいものです。万年筆を長年使っているとインク漏れ、或いはインクが出ないといったトラブルが起こります。そのような場合の対処法から、インクの種類や色のバリエーション、おすすめのインクまで丁寧に解説していきます。

万年筆のインクの色にはどんな種類がある?

万年筆のインクの色は何種類あるのか?

万年筆の事をそれほど知らない人は万年筆=黒インクと思っている人も多いかと思いますが実は万年筆には様々な色のインクがあります。絵の具程のバリエーションはありませんが、一口に青と言っても7~8種類もの色があります。様々なメーカーが万年筆のインクを販売しており、勿論メーカーによって色味も異なるのでお気に入りの色をとことん追求するとなると大変な作業になってしまいます。また、絵の具同様に欲しい色は異なる色を混ぜる事によって作る事もできるので様々なインクを組み合わせてみるのも面白いかも知れません。

顔料インクと染料インクの違いとは

万年筆のインクは大まかに染料インクと顔料インクの2つに分けられます。一般的に万年筆用として販売されているものの殆どは染料インクと呼ばれるものです。大きな特徴としては水に溶けるという事です。それに対して顔料インクの特徴としては水に溶けないという事です。この2つのそれぞれのインクは色味も多少変わってきます。同じ黒でも染料インクの場合は真っ黒ではなく多少グレーがかった黒となり、顔料インクは真っ黒な色になります。更に詳しく染料インクと顔料インクの特徴を比較してみましょう。

染料インク 顔料インク
滲みにくさ 顔料インクに比べ滲みやすい 滲みにくい
耐水性 水に溶けやすい 水に解けない
発色 鮮やか 濃淡のない落ち着いた色合い

困った!万年筆のインクが出ないor出過ぎる

万年筆のインクが出ない時の対処法

万年筆は日頃のお手入れがとても大切ですが、定期的にメンテナンスを行っていてもインクが出ないなどのトラブルが起こる事は珍しくありません。このような事態になってしまったらどう対処すればいいのでしょうか。インクが出ない時はまず、インクが詰まっているかどうか調べましょう。方法としてはティッシュなどの柔らかい紙をペン先に当てま。正常であればティッシュにインクが染み込みますが、インクが染み込んでこない場合はインクが詰まっているという事になります。インク詰まりが判明したら、詰まったインクを溶かす作業を行います。コップに水を入れて一晩浸けておけば詰まったインクを溶かすことができます。また、やっては行けない間違った対処法としては分解や薬品を使用しての洗浄などです。

万年筆のインクが出過ぎる時の対処法

万年筆のインクが出過ぎると感じる時の考えられる原因は筆圧です。万年筆にもよりますが、筆圧が強いとインクが出過ぎると感じる場合があります。筆圧を弱めても更にインクが出過ぎると感じる場合は万年筆を持つ角度に問題があるかも知れません。斜めに寝かせて持った時に通常よりもインクが多く出てしまう事もあります。角度を改善しても尚もインクが出過ぎるという場合は修理に出した方が賢明です。素人が分解して原因を調べようとしてもかえって万年筆を痛めてしまう事にもなりかねません。

困った!万年筆のインクが漏れている

インクが漏れた時の対処法

万年筆のインク漏れは最も多いトラブルのひとつです。インク漏れが判明したら適切な対処を行いましょう。まずはどの部分から漏れているのかを特定する必要があります。方法としてはインクタンクを満タンにしてどの部分から漏れているのかを特定します。インクタンクに問題がなければ使用による経年変化などの原因が考えられ、そうなってくると素人が修理出来るレベルではありません。速やかに修理業者に以来しましょう。郵送で修理に出す時は万年筆が衝撃により破損しないように緩衝材でしっかりと梱包するなどの配慮が必要です。

インクが漏れる原因とは?

万年筆は衝撃に弱いデリケートな筆記用具なので、インク漏れは決して珍しい症状ではありません。インク漏れの原因については様々な事が考えられますが、ひとつは気圧です。万年筆を飛行機に持ち込むと急激な気圧の変化によってインクタンクの空気が膨張してインクを外に押し出してしまい結果としてインク漏れという事態に至ってしまいます。気圧のみならず急激な温度の変化によっても同じ症状を引き起こしてしまうので管理には十分気を付けましょう。また、経年変化や破損によってインク漏れになってしまうケースもあります。インクが漏れないようにするためには定期的に洗浄するなどのメンテナンスを行いましょう。また、持ち歩く際には万年筆のペン先を上向きに固定するのも効果的です。

万年筆のインクならこちらがおすすめ

よく使われている人気のインクとは?

万年筆にこだわる人はインクにもこだわっているようです。人気のインクはパーカーやラミー、モンブラン、セーラー万年筆など万年筆の人気ブランドが大半を占めています。特にセーラー万年筆のインクは「インクの詰まり」が起きないよう開発されたものもあり、耐水性や速乾性にも優れていて他のブランドのインクと比べても滲みにくく、万年筆の初心者や上級者問わず人気のインクです。価格はカートリッジで500円前後、ボトルインクで2000円前後なのでお求め安い価格となっております。

何色も欲しい人におすすめのインクセット

万年筆のインクには様々なカラーバリエーションがありますが、3色セットや10色セットなど詰め合わせで販売されているものもあります。様々な色を使いたいという人におすすめのセットです。また、インクはブランドごとに作り方が異なり、色を混ぜて使う場合に異なるブランドのインクを混ぜるとインクフローが悪くなりインク詰まりを起こし万年筆に悪影響を及ぼす可能性があります。その点ではセットで購入して同ブランドで揃えておけばその点も問題ありません。価格についても単色で購入するよりも割安になる場合が多いのでまとめてセットで揃えた方がお得かも知れません。

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