オフィスの事務用品としてバインダーは頻繁に発注するアイテムのひとつです。バインダーを購入する際に「樹脂製」という説明文を目にすることがありますが、樹脂製とは何を指すのでしょうか。樹脂とは広義においてはプラスチックです。ではバインダーの素材が樹脂(プラスチック)のものかと言うとそうではなく、主に「とじ具」の部分の素材が樹脂か金属かの区別に使われています。バインダーのとじ具に樹脂が使われているとどのようなメリットがあるのでしょうか。またバインダーの種類や性能について説明したいと思います。
<目次>
樹脂製のバインダー、その特徴
樹脂っていったい何ですか
「樹脂」には合成樹脂と天然樹脂があり、合成樹脂とは高分子化合物から人工的に作られた物質です。プラスチックやビニール、ペットボトルも樹脂の種類に含まれます。そして天然樹脂とは植物から採取された素材で作られた天然ゴムなどを指します。
「樹脂製バインダー」とネットで検索すると、プラスチック製リングバインダーが上位結果として表示されます。大手事務用品サイトやネット通販サイトでの商品紹介でも樹脂製バインダーとはバインダーの留め具
(リング式やフラット式など)の部分を指すことが多いようです。また、立ちながら記述するときに便利なクリップボードのクリップ部分が樹脂のタイプものも樹脂製バインダーと呼ばれているようですが、こちらの記事ではバインダーやファイルの留め具の意味として説明します。
樹脂製バインダーについて
バインダーの留め具を樹脂にすることでどのような利点があるのでしょうか。樹脂製の留め具と金属性の留め具で比較してみました。
樹脂製 | 金属性 |
---|---|
・ファイル重量を軽量化できる ・コストを抑えられる ・カラーや形状のバリエーションが豊富 |
・重量があるので安定化できる ・耐久性に優れている ・たくさんの書類を保管できる |
樹脂製バインダーの環境問題
樹脂製とはつまりプラスチック、化学物質を素材とした製品です。そのため、環境問題の観点から廃棄処理には注意が必要です。最近では企業の環境問題への取り組みが一般化しており、不要になった樹脂製バインダーなどの化学物質を含む事務用品は、再利用や焼却時の有毒ガスの発生を防ぐために分別して廃棄することが推奨されています。例えば樹脂製や金属製バインダーの場合、表紙ととじ具の分離が可能な作りになった製品が多く発売されており、廃棄時には別々にして再利用できる仕様になっています。また、樹脂製バインダーのとじ具にABS樹脂が使われている場合、焼却可能なためバインダーやファイルを大量に使うオフィスには分別の手間が省ける上、環境にも配慮しているので一石二鳥です。
バインダーの素材といってもいろいろな種類がある
素材別バインダーの用途
バインダーの留め具の素材について説明しましたが、ここからはバインダー本体の素材について紹介したいと思います。バインダー本体(表紙)の素材として最もポピュラーなのはPP素材ではないでしょうか。
PPとはプロポリピレンの略で、PPも樹脂の一種、つまりプラスチックです。バインダーの素材としてPPが好まれる理由は、水や汚れに強く、軽さと耐久性を両立させている、またカラーバリエーションが豊富なのも人気のひとつです。バインダー本体の素材には、他にも紙製、ビニール製などあり、用途によって素材を選ぶ場合もあります。
バインダーの表紙素材 | 特徴 | 具体的な用途 |
---|---|---|
紙 (合紙、印刷表紙、ボード表紙) | ・軽量で安価 ・再生紙の使用でエコ対策 |
帳票保管 |
レザー・布 (貼り表紙) | ・高級感と耐久性 ・長期間の保存に適している |
記念品、贈呈用、契約書 |
プラスチック (PP表紙) | ・軽量で安価 ・耐水性と耐久性 ・軽くてお洒落、持ち運びに便利 |
一般業務用、学習用途 |
ビニール(PVC表紙) | ・耐水性と加工性 ・手触りがよく高級感がある |
契約書、不動産書類 メニューファイル(ホテル/レストラン) |
バインダーとファイルってどう違うの?
書類などの紙類の保管ができるアイテムを探すときファイルという名称で検索することが多いと思います。しかしバインダーも書類を保管する文房具です。その違いは何でしょうか。日本ファイル・バインダー協会が定義を紹介しているので、内容をまとめてみました。
ファイル | バインダー | |
---|---|---|
定義 | 記録済みの文書をとじるものとして使う | 未記録のとじ穴のある用紙を挿入して使う |
用途例 | 伝票、カタログ、書類 などの 整理・保管をする |
ルーズリーフ、帳票 などをとじ具にセットし、 記入・記録する |
おすすめバインダーをピックアップ
バインダーはノートとして利用することが多いため、「バンダーノート」「ルーズリーフバインダー」「リングバインダー」などと呼ばれています。ノートバインダーは学生の利用率が高いため、カラフルでお洒落なデザインのものが多く発売されています。また各メーカーからオリジナル機能や、便利な新機能のバインダーも登場しているので、興味のある方は是非チェックしてみて下さい。
◆プラスチックバインダー アートスパイラル B5(26穴)
ポップなカラーテイストで毎日使いたくなる楽しさと機能性にあふれています。
◆メタルバインダー ピュオ(puo) スリムA5サイズ
ビニール製の収納袋付きで使い終えたレフィルやメモ、レシートなどを保管できる便利なバインダー。
◆ファイブチャートライト ファイルノートバインダー
インデックスとファイル表紙デザインがマッチしたお洒落でかわいいノートバインダー。
◆ルーズリーフバインダー テフレーヌ
書く時にリングが手に触れないという活気的な機能で、ストレスなく文字が書き込めます。
◆ツイストリングノート
リーフの入れ替えが簡単な上、リングノートのように折り返して使うことができる、バインダーとノートをイイトコ取りした画期的アイテム。
耐熱性の高いバインダーってあるの?
耐熱素材のバインダーとは
重要書類をバインダーに保管した場合、火事や地震といった災害時での焼失が気になるところです。耐熱性金庫に保管することで重要書類を火災から守ることが出来ますが、バインダーの素材そのものに耐熱性のものはあるのでしょうか。耐熱性素材として私たちの身近でよく使われているのは、フェノール樹脂やメラミン樹脂です。これらは熱硬化性樹脂とよばれ灰皿や鍋の持ち手に使われています。バインダーの素材として使われている耐熱性樹脂としてはABS樹脂が最もポピュラーです。ABS樹脂は耐熱性とされながらも、焼却する場合、有毒ガスを出さないため焼却廃棄が可能で環境対応としても扱われています。
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