シャンプーで頭を洗うと、気分爽快、すっきりしますよね。でも、あまりにさっぱりとし過ぎると、何か強い成分でも入っているのではないかと少し心配になります。最近は、シャンプーの種類も増え、アミノ酸系やノンシリコンといったことばが並びます。安全性の高いシャンプーとはどのようなものなのでしょうか。また、市販のシャンプーには危険な成分はないのでしょうか。ここでは、シャンプーに使われているさまざまな成分について、見ていきましょう。
<目次>
シャンプーに使われている成分はどのようなもの?
よく目にする界面活性剤って何?
エコについてのニュースなどで、界面活性剤という言葉を目にすることがあります。あまりよい意味に使われていないようですが、どうなのでしょうか。
実は界面活性剤とひと口にいっても、その内容はさまざまです。汚れのうち、ほこりや泥などは水でも落とすことができますが、皮脂汚れはお湯で洗っても取れません。界面活性剤は油汚れを包み込んで落とす役割をします。界面活性剤の種類には、次のようなものがあります。
l 天然物
l 石けん系
l 脂肪酸エステル系
l アミノ酸系
l 高級アルコール系
l 石油系
問題となるのは石油系などの合成界面活性剤。頭皮や毛髪に優しいと謳われているシャンプーには、天然系やアミノ酸系が使われています。
シャンプーにはその他に何が入っているの?
シャンプーには汚れを落とす以外にも、さまざまなものが添加されています。考えられるものを挙げてみましょう。
l 香料
l 着色料
l 紫外線吸収剤
l 防腐剤
l 保存料
このほかにも、保湿剤や手触りをよくする成分などがあるでしょう。添加されるにはそれぞれ理由がありますが、化学合成された香料や防腐剤、保存料、鉱物油などは体質によって、かぶれをおこす原因となります。また、紫外線吸収剤も成分によっては、頭皮にあまり好ましくない場合もあります。
シャンプーの成分に、人体などに危険なものが使われている?
界面活性剤の内容に注意
シャンプーの成分のなかで、最も注意が必要とされるのは、合成界面活性剤です。市販のシャンプーで最も使われているのは「ラウレス硫酸系」と呼ばれるもので、泡立ちに優れていて、強力な洗浄力があります。爽快感がある、汚れ落ちがよいと喜ぶ人もいますが、その反面、脱脂力も強いため、必要な皮脂までも落としてしまいます。うるおいが失われると、よけい皮脂の分泌が多くなるため頭皮表面のバランスが悪くなり、油ぎっているのにフケが多いなどのトラブルが発生しやすくなります。
シャンプーのパッケージに記載されている成分表示では、ラウレス硫酸○○とか、ラウリル硫酸○○と表記されています。よくある例としては、ラウリル硫酸ナトリウム・ラウリル硫酸Na・ラウレス硫酸Na・ラウリル硫酸カリウム・ラウレス硫酸アンモニウム・ポリオキシエチレンラウリル硫酸アンモニウムなどが挙げられます。
アミノ酸系でも油断はできない?
弱酸性を謳う、アミノ酸系のシャンプーならばよさそうに思えますが、「メチルアラニン系」には注意が必要です。シャンプーの成分としては、ラウロイルメチルアラニンNaという物質が使われており、アミノ酸系のなかでは刺激性が強く、アレルギーを起こしやすいと言われています。
これらの成分について、人間にとって「危険か」というと、一概にそうとは言えません。よく「発がん性が疑われる」などという指摘もありますが、シャンプーとして使った場合の危険性ではありません。ラットに常飲させることによって、内臓への影響があるといった実験では、シャンプー成分として危険という判断はできないからです。
人間の肌に対して洗浄力、脱脂力が強すぎる成分を使い続ければ、トラブルが起こっても不思議ではありません。一方でまったく影響が出ない人もいるので、やはり自分の体質との相性で選ぶことが最も大切といえるでしょう。
シリコンとノンシリコン、一体何が違う?
そもそもシリコンとは何?
シリコンは髪の手触りやブラシの通りをよくし、また髪の毛に艶を出すために開発されたものです。成分は、「シクロメチコン」「アモジメチコン」といった油の一種。かつてはスプレーなどにも盛んに使われ、シャンプーやリンスに必ずと言ってよいほど入っていました。
しかし、頭皮について注目が集まるようになると、洗い残したシリコンが毛穴に詰まり、正常な髪のターンオーバーが阻止される恐れがあることがわかりました。また、シリコンの性質として健康な髪の毛にのみ付着し、傷んだ髪の補修になりません。それどころか、健康毛に対してトリートメントなどで与えられる栄養分が髪の毛に行き渡らないという弊害があります。
シリコンの表記には先の「アモジメチコン」以外に「シクロメチコン」がありますが、「シロキ○○」「シリカ○○」などの記載があるものも、シリコンが含まれていると考えられます。
ノンシリコンなら何でもよいわけではない
最近は自然派を謳うノンシリコンが主流です。シリコンで被膜されないので、外から与えられる栄養が、髪に浸透しやすくなります。リンスやトリートメントの成分の直接の効果が、期待できるでしょう。
しかし、ノンシリコンということばだけで、「髪に優しい」と思い込むのは問題があります。シリコンかノンシリコンかは、洗浄力やほかの成分とまったく無関係だからです。ノンシリコンと言いながら、高級アルコール系や石油系の界面活性剤が入ったものでは、まったく意味がありません。髪や地肌の健康を考えるのであれば、派手な宣伝文句に惑わされず、しっかりと成分の中身を確認することが大切です。
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