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かつては粉せっけんしかなかった衣料用洗剤も、今はいろいろな 種類があります。液体や粉末だけではなく、さらに進化した商品もCMで盛んに流されていますよね。洗剤の形態によって、実際には効果にどれほどの違いがあるのでしょうか。また、柔軟成分や漂白成分などが付加された機能性洗剤も、次々と新開発されています。ここでは、衣料用洗剤の特徴と、ライフスタイルに合った選び方などについて見ていきましょう。

衣料用洗剤の状態別の特徴〜液体と粉末、ジェルボール〜

泥汚れに最強な粉末洗剤キーワードはアルカリ剤

今やすっかり液体洗剤に押され気味で、影が薄くなってきた粉末洗剤。陳列棚の占有率も年々少なくなってきているようですが、まだまだ粉末派という人もいるようです。

粉末洗剤のメリットとデメリットを見てみましょう。

○粉末洗剤のメリットデメリット

メリット デメリット
・歴史が長く品質に安定感がある

・箱入りでエコ

・比較的価格が安い

・泥汚れに強い

・使い勝手に不便さがある

・湿気に弱く固まりやすい

・水で溶け残る場合がある

・皮脂汚れに弱い

粉末洗剤が泥汚れに強いというのには、成分上の理由があります。粉末洗剤には、他の形状の洗剤よりも、アルカリ剤が多く含まれているのが特徴。アルカリは酸性の成分について、化学反応によって汚れを落とします。

一方で界面活性剤の含有量が少なく、襟汚れなどの皮脂の落ち方がやや弱くなっています。が、食べこぼしやシミなどさまざまな汚れに対し有効で、浸け置きが不要なほど高い洗浄力を発揮します。野外スポーツをしたり、小さいお子さんがいるご家庭などに向くタイプの洗剤です。

汗や臭い抗菌性に優れる液体洗剤

その使いやすさから瞬く間に粉末洗剤から、座を奪ったように見える液体洗剤。こちらもメリットとデメリットを確認してみましょう。

○液体洗剤のメリット・デメリット

メリット デメリット
・皮脂汚れや汗に強い

・部分づけができる

・抗菌性能など特定の汚れに効果がある

・全体にまんべんなく成分が行き渡る

・粉末洗剤に比較すると割高

・購入時に重い

・洗浄力が落ちる

液体洗剤はアルカリ剤の配合割合よりも、界面活性剤の方が多くなっています。こちらは、汚れを包み込むようにし、浮き上がらせて落とすというしくみです。皮脂や臭い成分の分解などに優れている一方で、洗浄力自体は粉末洗剤ほどではありません。ひどい汚れの場合には、部分づけや浸け置き洗いが効果的。男盛りの皮脂や気になる臭いも解消してくれる洗剤です。

良いとこ取り?ジェルボール

第3の洗剤などというふれこみで、まったく新しいカタチを提案したのがジェルボールです。何しろ手軽で手が汚れず、スタイリッシュということで大きな話題となりました。

○ジェルボールのメリット・デメリット

メリット デメリット
・いちいち計って入れる必要がない

・洗剤を入れる時に手が汚れない。

・詰め替える必要がない

・洗剤をこぼしたり散らすことが無い

・洗濯後や乾燥後の香りが良い

・汚れ落ちが良い

・価格が高い

・少量の洗濯など調整がきかない

・手洗いに向かない

・気温が高いと溶ける

・濡れた手で使うとくっつく

・子どもが誤飲しやすい

ジェルボールは高濃度の界面活性剤を配合しているため、洗浄力は高く、汚れ落ちには期待できます。その一方で、価格が高く、また使ってみたら意外と不便なこと多かったという声も上がっています。家事をおしゃれにこなしたい人や、小さな子どものいない家庭などで使われているようです。

衣料用洗剤の成分別の特徴〜柔軟成分や漂白成分、蛍光増白剤〜

柔軟剤入りの衣料用洗剤ってどうなの?

昔は洗濯するとゴワゴワと繊維が固くなったものですが、柔軟成分が配合された今の洗剤は、衣類がしなやかに仕上げられます。柔軟剤を最後に投入する必要がないのはとても便利だけれど、なんだか不思議な気がしますよね。

通常の状態では、洗剤の洗浄成分はマイナスに、柔軟成分はプラスに帯電しています。そのため、混ぜてしまうとそれぞれの働きを妨げてしまいます。後から柔軟剤を入れなければならないのは、このような理由からです。

柔軟剤入りの洗剤は洗浄効果を阻害しない柔軟成分を配合し、洗浄力を落とさず洗濯物を柔らかく仕上げることができるようになっています。

すすぎ過ぎると柔軟効果が低下するような気がしますよね。メーカーによれば、極端に長い時間すすがなければ問題はないとのこと。逆に、すすぎが十分でないと洗剤成分が残り、固い仕上がりになることもあるようです。

洗濯ものが真っ白になるしくみとは?漂白成分

洗剤に入っている漂白剤は、プールのような塩素のにおいがありません。これは衣類用洗剤に使われているのが、酸素系の漂白剤だから。主にアルカリ剤の過炭酸ナトリウムが使用されています。漂白剤には、シミや汚れの色素を化学的に分解して落とす効果があります。

酸素系漂白剤は、塩素系と比較すると漂白力は落ちますが、繊維に優しいという特徴があります。衣類の色抜けを防ぎながら、汚れだけを除去します。除菌・殺菌効果もあるので、抵抗力の落ちたお年寄りや赤ちゃんがいるご家庭では安心ですね。

洗濯ものが真っ白になるしくみとは?蛍光増白剤

本来、綿などの繊維は生成りです。白い衣服は、繊維に「蛍光増白剤」を浸み込ませて作られます。蛍光増白剤は染料の一種です。太陽光の中の紫外線を吸収し、青色の光(蛍光)を放出する働きがあるため、生地が白っぽく見えるのです。白い服が何度も洗濯していくうちに、次第に白さが失われてくるのはこの成分が落ちてくるため。購入当時は真っ白だったブラウスやTシャツが、何となく黄ばんでしまうということは良くありますよね。

洗剤に入っている他の成分は、汚れなどを「落とす」機能を持ちますが、蛍光増白剤は発光成分を「付加」することになります。染料によって白さを加えるわけなので、生成りや繊細な色合いの衣類には向きません。せっかくのお気に入りをダメにしないように、洗剤選びには注意してくださいね。

失敗しない、衣料用洗剤の選び方

家族構成や環境によって洗剤を選ぼう

スーパーやドラッグストアで安売りをしているのを見て、適当に洗剤を購入してしまうという人が多いようです。でも、洗剤にはそれぞれ特徴があります。大切な衣類を傷めたり、汚れ落ちに満足できないとがっかりですよね。是非、成分表示をチェックして自分の家にぴったりの洗剤を求めるようにしてください。

また、粉末洗剤と液体洗剤を半々に使うとかなり強力な汚れ落とし効果があるようです。仕上がりにこだわるのならば、いくつかの方法を試してみても良いでしょう。

うちにはどんな洗剤が合う?おすすめ洗剤

○衣料用洗剤のシーン別選び方

家族構成例 必要な条件 おすすめの洗剤
乳幼児・お年寄りがいる ・肌に優しい

・除菌・殺菌

・粉末洗剤

・酸素系漂白剤

小さな子どもがいる ・誤飲に注意

・食べこぼし

・ジェルボールは不可

・液体洗剤

・酸素系漂白剤

小学生がいる ・泥汚れ ・粉末洗剤

・酸素系漂白剤

働き盛りのサラリーマン ・ワイシャツの皮脂汚れ ・液体洗剤
おしゃれ好きの女性 ・デリケートな衣類

・生成り衣類

・中性洗剤

・蛍光増白剤不可

共働きの家庭 ・簡単手軽に

・洗濯回数は少なめ

・ジェルボール

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