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花粉症やPM2.5問題などの影響もあり、空気清浄機を部屋に備える人が多くなりました。さまざまな施設でも、衛生上の対策として大型の空気清浄機を導入しています。空気清浄機には果たして期待されるような効果があるのでしょうか。また、効果的な置き方や使い方とは?ここでは気になるハウスダスト、タバコの煙、感染症対策などについて空気清浄機の効果を見ていきましょう。

空気清浄機vs.ハウスダスト〜その効果〜

一般的なハウスダストには効果あり


家の中を舞っている微細なホコリがハウスダストですが、それによってアレルギー反応が引き起こされたり、不快症状が現れたりします。ひと口にハウスダストといっても、含まれる内容はホコリやチリの他、ダニ・ダニのフン、ネコや犬のフケ、さらに季節によっては花粉、また環境によっては外部からの粉じんなどが挙げられます。これらの物質に対して、ほとんどのメーカーの空気清浄機は効果があると謳われています。実際に、空気清浄機を導入してからは、くしゃみに悩まされることが少なくなったという家が多いようです。ほこりっぽいオフィスでも、空気清浄機のフィルターに貯まるホコリをみれば、かなり空気をキレイにしてくれていることがわかります。

除去できる“ダスト”の大きさって?


普通の家庭内に浮遊しているハウスダストの大きさは、10~100μm(マイクロメートル)といわれています。それに対して空気清浄器の平均的なフィルターの目の大きさは、0.3μm。また、メーカー側の発表では、0.1μm以上の大きさの物質に対しては空気清浄機能が有効であるとされています。よほど特殊環境でなければ、一般家庭やオフィス内でのハウスダストに空気清浄機での効果が期待できます。小さなお子さんや呼吸機能が弱っているお年寄りなどには、特に有効な手段といえるでしょう。

空気清浄機vs.タバコの煙〜その効果〜

タバコの有害物質は対象外と明記


ほとんどの空気清浄機の説明書には、「タバコの有害物質(一酸化炭素など)は除去できません」という記載があります。煙とともに空気内に拡散される有害物質については、ほぼ1μmの1/1000程度と粒子が細か過ぎるため、空気清浄機で捉えきれるレベルではないようです。
一方、目に見える煙の粒子の大きさについては0.1~1μmです。こちらの方はキャッチできる割合が高いので、煙の軽減に効果が期待できます。また、臭いについてもまったく空気清浄機のない場合と比較すると、かなり薄くなるようです。ただ、喫煙者が多い場合や、部屋に対して空気清浄機の処理能力が低いときには、タバコの存在を隠すには至りません。

置き場所・吸い込み口の位置が重要


空気清浄機の効果的な配置は、空気の循環が多い場所といわれます。例えば出入り口付近や、エアコンの吹き出し口付近など、空気の出入りが多いほど清浄機フィルターを通る空気の量が増えて効果がアップします。
タバコの臭いや煙を効果的に除去するためには、喫煙者から出される煙が拡散する前に、できるだけ空気清浄機が吸い込むようにしなければなりません。空気の取り込み口が正面にあり、タバコを吸う人の口元に近いほど効果的ということになります。
CMなどでは強力に周辺の空気を吸収するようなイメージがありますが、掃除機のように吸い込めるわけではありません。また、タバコから出されるすべての成分を取り除くことができないので、ヤニが壁に付くのを完全に避けるのは難しいようです。

空気清浄機vs.花粉〜その効果〜

空気清浄機で花粉症状に劇的変化?


花粉に対しては、どの空気清浄機もある程度効果がみられるようです。特に、花粉に対しての特殊な効果をうたっている機種では、はっきりとした違いがあるという声が聞かれます。「空気清浄機を置いてある部屋ではほとんど症状が出ない」「夜間子どもが目を覚まさなかった」などそれまで花粉症で悩んでいた人ほど、空気清浄機の力を実感しています。
効果を上げるためには、まず外出から戻った際に落ちる花粉をなるべく少なくすることです。そのためには玄関に1台あると良いですね。さらに各部屋ごとにあれば理想的ですが、無理な場合には家族がいつもいるリビングや、特に症状が重くなる人の寝室などにもう1台を設置すると良いでしょう。

床に落ちた花粉は循環しづらい


空気清浄機は循環する空気を取り込んで、キレイな空気を吐き出します。地面近くの空気は停滞しやすく、一度床に落ちてしまった花粉が吸いこまれる現象は起こりにくいものです。ひんぱんに掃除機をかけることももちろんですが、手軽な手段としては、扇風機との併用があります。サーキュレータや天井ファンでもOK。いずれにしても室内の空気に気流を起こし常に循環させることで、汚れた空気が清浄機内に入るチャンスが増えます。
花粉の大きさは、スギ花粉で20μm~40μm、ヒノキで30μm~40μmです。空気清浄機の能力からいえば、確実にキャッチできることは間違いないでしょう。

空気清浄機vs.ウィルス〜その効果〜

物理的な除去が難しいナノメートルの大きさ


0.1μm以上の大きさの物質に対しては有効とされる空気清浄機のフィルター効果ですが、ウィルスや細菌は、μm(マイクロメートル)のさらに1/1000の単位であるnm(ナノメートル)で計られるほど小さな存在です。物理的には空気清浄機による捕獲・除去はとても難しいことがわかります。また、各社がウリにしているプラズマクラスターイオン発生機や、ナノイー発生器といった新技術も、実際に生活する広さの空間実験では、明確な効果が得られていません。
現在もっとも微細な物質に有効とされる、HEPAフィルター搭載の機種であれば多少の効果が見込めるといわれます。ただ、細菌やウィルスによっては必ずしも空気感染しない場合もあるため、確実に効果があるとはいえないようです。

空気清浄機プラス加湿器が有効対策


ウィルスそのものの除去という点でいえば、それほどには過信できない空気清浄機ですが、病気対策ということであれば効果はあります。空気中に浮遊しているホコリ、ダニ、その死骸などはカビの温床ともなり、また呼吸器系の症状の原因となります。空気がキレイならば、それだけ病気の条件が少なくなりますし、身体への負担も減ります。
インフルエンザなどの対策として考えるのであれば、加湿も必要です。今の空気清浄機には加湿機能がプラスされた商品もあります。置き場所に悩むのであれば、一体型を検討されてみてはいかがでしょうか。

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