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レンタルの掃除用品が普及し、ダスキンやリースキンなどを始めとして、化学雑巾と呼ばれる布もごく当たり前に使われるようになりました。ただふくだけで見事にあちこちをきれいにする化学雑巾ですが、どのような仕組みになっているのでしょう。また、最近良く耳にするマイクロファイバーは化学雑巾とは違っているのでしょうか。ここでは化学雑巾について扱い方などの知識を含め、調べていきましょう。

化学雑巾って、どの辺が「化学」なの?

世界初の化学雑巾は蚊取り線香の会社が開発

世界で初めての「化学雑巾」は、使い捨てにできる紙製雑巾というアイデアから作られました。蚊取り線香や防虫剤でおなじみの、日本メーカーが手がけたものです。それまでの「雑巾とバケツ」といった意識を一新する商品は評判を呼び、各メーカーの参入が相次ぎます。やがてほこり取りと艶出しの同時効果を得られる、布製の化学雑巾へと進化していきました。
元来の水拭きによる掃除は、濡らすことで汚れを雑巾に吸着させます。化学雑巾は薬品を浸み込ませた布で、静電気による汚れ吸着を行います。

化学雑巾は薬品の付着に注意

現在普及している化学雑巾には、油剤、界面活性剤、抗菌剤、防カビ剤などが染み込ませてあります。これらの働きにより、ほこりや汚れを吸い取り、内側に包み込むようにして除去します。そのため、水で濡らす必要はありません。汚れが戻ることもなく、他の場所への汚れ移りもほとんどありません。ただし化学雑巾に含まれている薬品が、家具表面や床に影響を与えることもあります。素材によっては強くこすると薬品が滞留して、変色する可能性も。特に無垢材や、ピアノなどの繊細な表面加工が施されているもの、また金属にもくもりが出る場合があります。

化学雑巾とマイクロファイバークロス、汚れを取る仕組みが違う

マイクロファイバーには薬品は使わない?

古典的な雑巾とは見かけが異なるという意味では、化学雑巾もマイクロファイバーも混同しがちです。が、化学雑巾とマイクロファイバークロスとでは、汚れを落とす仕組みがまったく違います。
マイクロファイバーは繊維そのもので汚れを落とすため、薬品を浸透させる必要がありません。化学雑巾には向かない場所やモノに対しても、安心して使うことができます。例えば、メガネを拭く場合には化学雑巾は、薬品がレンズに与える影響が心配されます。マイクロファイバーを使ったメガネふきの布は、レンズを傷つけることなく美しく磨き上げることが可能です。

マイクロファイバーは多様性が特徴

化学雑巾の場合、元となるのはただの布です。商品で良く見られるのは、密度の濃い比較的しっかりとした生地が使用されていますよね。繊維に薬品を浸透させるため、普通のタオル地より目の細かい布地が使われます。
マイクロファイバーは、ナイロンやポリエステルなどを極細の状態にして織り上げた生地です。繊維を細かくすることにより、綿などの自然素材以上の吸水性を持たせることに成功しています。マイクロファイバーの「マイクロ」はマイクロメートル(0.001ミリメートル)という単位を表します。マイクロファイバーは、8マイクロメートル以下の繊維によって作られています。その細かな繊維の断面が鋭角や多角形になっているため、汚れをかきとり、吸着する性質に優れています。
キズをつけずに汚れを除去するという特性に加え、吸湿性も兼ね備えるマイクロファイバーの用途は各分野に広がっています。現在では、光学レンズや自動車のボディ、ガラスなどの拭取り用クロスの他、スポーツウェアなどの衣料品、寝具にまで利用されるようになりました。

化学雑巾って、洗濯をしてもOKなの?

基本的には使い捨てが多い化学雑巾

化学雑巾にレンタルが多いのは、普通に洗うと効果が落ちるためです。薬液を浸み込ませてある化学雑巾は良く汚れを吸い取り、真っ黒になってしまいますよね。普通に洗濯をしても、うまく汚れが落ちず、別のものにホコリが移ることも。その後乾かしても、元のようにはなりません。
洗濯をしたい場合には、まず吸着したホコリを落とす必要があります。棒などでたたいたり、ガムテープで表面を押さえると良く取れます。その後、中性洗剤で洗うとある程度汚れは落ちるでしょう。化学雑巾として復活させるには、再度ホコリを吸着するような加工を再度行わなければなりません。

家庭であるものでも化学雑巾になる?

化学雑巾は薬液を浸透させ、汚れの吸着を良くしています。家庭にあるものを代用し、似た様な効果を持たせることができます。準備するものとしては、次の3つ。

  • 水:1カップ
  • 灯油:キャップ1/5
  • 住居用洗剤:キャップ1

これらをスプレー容器に入れ、良く振って混ぜます。乾かした雑巾に吹き付け、完全に乾かせば化学雑巾として蘇ります。モップでも同様の手順で再生可能です。
また、化学雑巾効果を出すスプレーも市販されています。化学雑巾を良く利用するのであれば、1本購入しておくと便利ですね。

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