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生活の中で接着する作業にかかせないのが、のりや接着剤です。のりがものをくっつけるのは、とても当たり前に思われます。しかし、なぜ接着できるのか、また接着剤とのりはどう違うのかを詳しく説明できる人はあまりいません。ここではのりと接着剤の接着原理の違いについて考えていきます。

のりはなぜ接着するの?

昔話に出てくるのりは米から作られた

すずめのお宿という話は、すずめがのりをなめてしまうところから始まります。おばあさんが作っていたのは、着物を洗濯板にはりつけるための「のり」。これが元々ののりの起源です。のりのネバネバの正体は、イモや米の中デンプン質。事務で使うのりは、こうしたデンプンが原料となっています。今でも植物のデンプンやニカワを使っているのりは多く、防腐剤や他の薬品を混ぜることで、品質を安定させています。また、プラスチック容器に入っているヤマトのりは、水溶性の合成樹脂を原料としています。スティックのりは、水分を少なくし石鹸など他原料を混ぜて棒状に固めています。

のりで紙がくっつくのはなぜ?

のりで紙がくっつく原理については、いくつかの説があるようです。ひとつは、紙同士の繊維の中にのりが入り込み、固形化したのりがつなぎとなるという意見です。また、のりが圧着されることで、紙と紙との間に空気の層がなくなるため、くっつくという説明をする人もいます。いずれにしても、のりは乾くと固形化します。固まることで、紙同士を固定し、離れないようにします。粘着状ののりの時間経過による固形化する性質を使う、という原理には違いはないようです。

接着剤はなぜ接着するの?

接着剤のアンカー効果

接着剤は一般的に従来からある「のり」とは区別されることが多いようです。現在、接着剤の種類は多く500種類以上有ると云われ、用途によって選択されます。自然由来の「のり」との違いは、接着するもの同士の表面に何らかの変化をもたらすことです。そのため、主に紙などを接着するのりよりも、強力な接着効果が生まれます。アンカー効果は、接着効果のひとつで接着する物の表面にある細かい穴、くぼみ、畝などに入り込み、くさびのようにつなげる状態をつくります。2つの面のそれぞれの凸凹に入り込んだまま固まり、外れなくなるのです。

粒子同士の結合・化学反応による接着

その他には、ガラスの間に水をたらしたときのように、粒子同士が引き合う性質を利用して接着するものもあります。ガラスと水の粒子が触れ合うほど近づくと、接合しようとし、ガラスとガラスが密着します。この原理を利用し、開発された接着剤があります。また、接着剤を塗ることで、接着する面の分子と化学変化を起こし、結合します。物質の表面は、化学変化することで元の状態とは異なる物質になってしまいます。接着剤の多くはこの原理を利用しているので、はがした跡、溶けた様になっていたり色に変化が起こっています。

のりと接着剤を比較してみよう

「接着剤」は「強力糊」?

植物などから作られていた古来の「のり」に加え、現在の接着剤の元ができたのは大正時代。セメダインの当時の社長が、「強力糊」と呼ばれていたものを「接着剤」として売り出しました。その名の通り、接着剤と呼ばれる商品は一般的に、のりよりも接着力が強く、紙以外のさまざまなものが接着できるようになりました。のりは主に学校や事務用品として利用されますが、接着剤はその多様性からあらゆる用途に利用されています。
(小見出し)宇宙船用まである?接着剤

○のりと接着剤の種類とその用途

名称 形状 用途
のり ・容器入り
・チューブのり
・スティック
・液体のり
・テープのり
主に紙類
水溶接着剤 キャップ付きボトル・液体 木工・布・紙
ゴム系接着剤 チューブ・弾力性・柔軟性がある ゴム・木・布・皮・ビニールとゴム
エポキシ系接着剤 チューブ・2液混合 金属・ガラス・陶磁器・タイル
・コンクリート
シアノアクリル系 チューブ・瞬間接着剤 ガラス・金属・陶磁器・プラスチック
ビニール系接着剤 チューブ・弾力性あり 塩化ビニール
シリコーンゴム系 チューブ・ボトル
柔軟性・弾力性に優れる
シリコーンゴム(人形用)
プラスチック系 チューブ・素材別に専用がある ABS樹脂・ポリカポネード・ナイロン
・アクリル・硬質塩ビ・飽和ポリエチレン
・ポリプロリレン・ポリアセタール等

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