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電池を入れたり交換するというシーンでも、もっとも多いのは時計ではないでしょうか。毎日休みなく動いている時計は、気づかないうちに止まっているものです。時計に入れる電池にはどんな種類があるのでしょう。アルカリやマンガンでは寿命に差があるのでしょうか。ここでは、時計に入れるのに適した電池に関して調べてみましょう。

時計用の電池にはどんな種類がある?

置時計・掛け時計にはおなじみの乾電池

マンガン電池よりもパワーのあるアルカリ電池。長持ちしそうなので、時計にも使っているという人もいるでしょう。しかし、実は一般的な時計にはマンガン電池の方が適しています。時計の動作には微弱な電流しか使わず、アルカリ電池の持ち味が生かされません。また時計によっては、アルカリ電池を使うことで狂いが生じる場合もあります。マンガン電池は、残量が少なくなると、徐々に電圧が下がるので遅れ気味になり、電池の交換時期がわかりやすいという利点もあります。ほとんど液漏れが起こらないため、旅行用などしまい込んでいる時計でも安心です。一方、アルカリ電池はヘッドホンステレオやデジカメ等の、比較的大きな電流が必要な機器に利用することで、その能力が発揮されます。時計に使っても価格ほどの意味はまったくありません。

腕時計用ボタン電池に種類はある?

同じ様に見えるボタン電池ですが、実は腕時計用電池には「酸化銀電池」と「リチウム電池」の2種類があります。酸化銀電池が電池容量は1.55Vなのに対して、リチウム電池の容量は3Vと約2倍です。使い分けとしては、時計のみのシンプルな機能であれば、酸化銀電池を使用します。リチウム電池を使うのはデジタル表示の時計や、アラーム付き、自動カレンダー機能など様々なしくみが仕込まれた多機能腕時計の場合です。利用できる機能が多いほど、電圧の高い電池が必要となります。

時計用の電池の寿命はどれくらい?

時計のタイプによって寿命は異なる

ここでは腕時計の電池の寿命を見ていきましょう。腕時計の場合は、同じ電池であってもタイプによって寿命が変わってきます。

・2針タイプ
おしゃれなドレスタイプでは、もっともシンプルな時針・分針のみのデザインが見られます。分針の動きは、数十秒ごと、一分ごとに作動し、省電力です。酸化銀電池を使い、電池の持ちは2~5年ともっとも長くなります。

・3針タイプ
もっともオーソドックスな、時針・分針・秒針を持つタイプは、2針と比較すると秒針の分の電力消費があります。最近ではムーヴメントの仕様でかなり長くもつものもありますが、2~3年の電池寿命が一般的です。また、リチウム電池を使用する時計もあり、その場合はさらに電池のもちが良いようです。

スタイリッシュなクロノグラフは電池の減りが速い

ストップウォッチ機能をもつクロノグラフは、その機能を作動させる時、大きく電力が消費されます。そのため、仕事などでしょっちゅうストップウォッチを使う人ほど、電池の寿命が短くなります。リチウム電池を使用する機種が多いデジタルタイプの電池寿命は、3~5年と針時計と比較して長くもちます。バックライトを点灯する場合は、その分電力消費が多く電池のもちが悪くなります。

○時計別電池寿命

時計タイプ 電池種類 電池寿命 備考
2針 酸化銀電池 2~5年
3針 酸化銀電池 2~3年 リチウムの場合もある
クロノグラフ リチウム電池 ストップウォッチ作動状況で変わる
デジタル リチウム電池 3~5年 バックライトの使用は短寿命

時計用の電池はどのように交換する?

工具があれば意外と簡単な電池交換

腕時計の電池は、時計店に頼む人が多いようですが、安くても800~1000円以上かかります。最近では道具をそろえて自分で行う人も増えているようです。電池交換に使う工具セットは、2000円弱で購入可能です。ただ扱っている店舗が少ないため、ネット通販で購入する必要があります。防水時計はシリコン防水がされていたり、パッキン交換をするため、プロに任せる必要があります。また、高級ブランドはふたのつくりが繊細なため、素人で開けるのが難しい場合があります。破損の恐れもありますので、専門店に依頼することをおすすめします。

事前準備と観察が重要

まず、外観に傷やヒビがない事を確認します。異常がある場合には、交換作業中に破損する可能性があります。また、時計動作にも注意しましょう。突然止まったり動き出したりなどする場合、針が引っかかったりしている場合、完全に止まっている場合には電池切れではなく故障の可能性もあります。電池交換の手順としては次の通りです。

    1. 裏ぶた周辺の汚れ・ホコリを取る
    2. 裏ぶたの構造を見る
    3. こじ開け口を探す
    4. 裏ぶたを外す
    5. 電池を外す
    6. 電池のあった場所の掃除をする
    7. 新しい電池を入れる
    8. 裏ぶたを閉じる

裏ぶたの周りに塵などがあると、内部に入り込んで故障の原因となります。裏ぶたは機種によって違いがあります。ベルトなどが邪魔になりそうな場合には、取り外す必要があります。こじ開け口は、9時側12時側6時側あるいは8時側10時側などの位置にあるものが多いようです。高級時計ほどわかりにくい構造となっています。こじ開け口に工具をまっすぐ差し込み、工具の厚みでふたを開けます。この時、ねじったりするとふたを割ってしまうことあるので注意をします。電池を外したら中のホコリも掃除しておきます。裏ぶたは元通りに閉じた事を確認してください。

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