ISO14001の企業では紙の使用量がチェックされるなどして、コピー用紙 削減の動きが広がっています。積極的に削減を呼びかけるポスターを目にすることも多くなりました。仕事上必要不可欠と思われるコピー用紙ですが、どうしたら少しでも削減できるのでしょうか。効果的な削減方法やその削減効果、またペーパーレス化を実現することで達成できるco2の量など、オフィスで使用するコピー用紙の削減について調べていきます。
<目次>
コピー用紙の削減方法。4つの注意点と5つの削減施策例
コピー用紙削減の取り組みの意味は?個人の意識に訴える
仕事で必要と思われているコピー用紙を削減するためには、ひとりひとりの行動に対する意識が重要です。これまでの習慣でつい不要なものまでプリントアウトしてしまったり、ミスプリントを出力してしまうという事態をなくしていかなければ削減につながりません。
コピー用紙を減らしただけではコスト削減に寄与しないという考え方もありますが、ねらいはそこだけではありません。企業の環境保護についての取り組みであるなど、社会的な意義の周知を徹底するところから始めます。周知する内容には次のようなものが考えられます。
- コピー用紙をどれくらい削減したらどのくらいのコスト削減になるのかを数値化する
- コピー用紙の削減による環境への効果を訴える
- 会社全体の取り組みであることを明確にする
- コピー用紙削減について具体的な注意点をまとめる
徹底した見える化がコピー用紙消費をストップする
ある企業では、コピー用紙削減を徹底するために、昨年度消費した紙の量を目で見える形で社員に提示したと言います。用紙置き場に富士山の絵を表示して、消費したコピーの山が富士山の高さの3,776mを超えることを見えるように示したのです。
例えば、部署ごとに消費したコピー用紙の枚数を都度棒グラフにし、どの部署が一番使っているのかを確認できるようにするなどは、意識を高くするのに役立ちます。定期的に、使用量を減らすことに貢献したグループの評価を行うと、わかりやすくなります。また、稟議書の印鑑をなくしてデータによる採決ができるようにしたり、書類の保存はデータ限定にするなど、トップからの意識を変えてペーパーレス化を徹底するのも絶大な効果が生まれます。コピー用紙削減のための施策例として以下のようなものが挙げられます。
- 各種帳票のデータによる提出
- 裏紙利用を促進する
- 会議などの配布資料のムダをなくす
- タブレット端末などの活用を促す
- 縮小コピーの取り方など具体的な削減方法を掲示する
コピー用紙削減にポスターは効果あるの?効果のあるポスター例
どきっとさせて意識をさせるコピー用紙削減ポスター
ポスターを貼ったくらいでコピー用紙が削減できるのかと思われますが、効果が期待できるかどうかは、掲示する場所や訴えかけることばのインパクトで決まります。プリントアウトする前の画面確認の徹底を促したり、縮小コピーの方法を掲示するなど、作業に関わる内容を見える位置に貼り出します。裏紙のストック場所には再利用への呼びかけを、用紙置き場にも本当に必要かどうかを確認させるような内容を掲示すると良いでしょう。
貼り出しの内容やアイデアを、オフィス内で募るのも他人事とさせない方法です。
コピー用紙削減ポスターの事例
実際にポスターに使われている内容には次のようなものがあります。
意識に訴えかける内容 |
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具体策を提示 |
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コピー用紙の削減効果と環境への影響
用紙の削減だけではない環境効果
コピー用紙の削減は、用紙自体の節約だけではなく、コピー機の稼働も抑えられるためエネルギーの節約にもなります。日本製紙連合会が行なった年間の削減試算によれば、
試算条件を
- 月間紙使用枚数:A4 再生上質紙 20,000 枚/月
- 集約両面コピー採用(75%削減)
としたとき、CO2の推計削減量は790 kgにも上り、コピー用紙の削減を意識しない場合の約 75%マイナスとなっています。
これほどの規模とは言えないまでも、オフィスで利用するコピー用紙の枚数を減らすことは確実に環境負荷を減らすことにつながります。
一人あたりのコピー用紙使用量から排出されるCO2は?
ある建設会社では徹底したコピー用紙削減の手引書を作成しています。電子プレゼンテーションを推奨し、メールの印刷は禁止、インターネット画面のページ指定方法など詳細に説明して社員の意識的な行動を促しています。その会社によると、社員一人あたりのコピー用紙使用量は平均して1日39枚、年間では約 8,868 枚となっています。コピー用紙製造時に出るCO2を6.07g/枚としており、これを元に計算するとひとりひとりが年間約53,828gのCO2を排出させることになります。単純にコピー用紙の使用量を半分にできれば、杉の木2本が吸収するほどのCO2が削減できるということです。
1日あたりの紙の使用量 | 1日39枚 |
1年間の紙の使用量 | 約8868枚 |
製造時排出CO2 | 53,828g |
樹齢80年の杉の木が吸収するCO2 | 14000g |
オフィスのペーパーレス化、メリットデメリットを比較
オフィス業務をペーパーレス化する7つのメリット
オフィスのペーパーレス化は環境に優しい以外に、どのようなメリットがあるのでしょうか?一般的に考えられる点は次のようなものです。
- 省エネによる企業のイメージアップ
- 保管場所の省スペース化
- コスト削減
- 情報共有
- 検索の簡便化
- セキュリティ強化
- 災害対策
ペーパーレスを前面に打ち出すことにより、環境対策に力を入れている企業として対外的な評価が向上し、イメージアップにつながります。また、紙の書類の保管が不要となるため省スペースでの管理が可能となります。印刷コスト、保管・管理コスト、それらを業務とした際の人件費などが削減できます。データ化により情報共有が簡単になると同時に、紙媒体でありがちな書類の検索もスピーディーになるでしょう。アクセス権限やパスワードの付与によって、セキュリティ強化ができます。クラウド管理などを利用することで、火災による消失の危険性がなくなります。
オフィス業務をペーパーレス化する5つのデメリット
良いことづくめのペーパーレス化ですが、現実には今ひとつ進んでいないという会社が多いようです。原因としては次のようなことが挙げられます。
- 閲覧しづらい
- 手書きで書き込めない
- 印鑑の必要性、重要書類を紙媒体で保存する義務
- 現存する書類のデータ化の遅れ
- 社外への対応
最大の原因は、やはり紙媒体の方が読みやすいという点です。タブレット端末などの普及により、手元でデータの閲覧が可能になったとはいえ、やはり印刷物の見やすさにはかないません。また紙のように気軽に書き込みができない不便さも、不評の原因です。従来型の会社業務では、稟議書などに決裁印が必要です。また、規定で書類の保管が義務づけられている場合も多く、なかなかデータのみでは対応できません。さらに、これまで利用されていた大量の書類をデータ化する必要があり、大きな障害となります。社内でペーパーレス化が進んでも、顧客や取引先に配布したり提示する書類などについて、印刷なしで済まされないのが現状です。
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