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昔ながらの白熱灯や蛍光灯に代えて、LED電球の導入が進んでいます。企業や役所だけではなく、家庭でもオールLEDという人は多いでしょう。でも、LED電球は他の電球よりも価格が高いですよね。本当にLED電球ってお得なのでしょうか?ここでは未来志向と言われるLED電球の寿命や、電気代の違い、明るさなどについて調べてみました。

LED電球の明るさの単位は「lm(ルーメン)」

LED電球についている「lm(ルーメン)」って何?

これまでの電球のパッケージには、40wや60wといった表記がありました。ご存知のように、これは消費電力であるワット数を表しています。ところがLED電球には810lm、485lmといった、あまり見慣れない数値が記載されています。この数字は何かというと、明るさの単位のひとつである“ルーメン”と呼ばれるものです。

明るさの単位には、次の4つがあります。

名称 単位 日本語表記 定義
ルーメン lm 全光束 光源から全方向に放射される光の総量
ルクス lm 照度 光源によって照らされている面の明るさ
カンデラ cd 光度 光源から出る一方向への光の強さ
カンデラ Cd/㎡ 輝度 輝きやまぶしさ

これを見ると、日常で使われている「ワット」は使われる電気の量を表しているだけで、明るさとは無関係ということになります。

ルーメンは、光源が発しているすべての光量の総合値で、「電球の明るさそのもの」を表します。

LED電球ではなぜルーメンが使われている?

LED電球にルーメンが使われるようになった背景に、これまでのワット数表記の使用から誤解が生じやすいという理由があります。初期のころは、まだLED電球の表記が定まっていなかったため、「60W白熱電球相当」などの表現が使われていました。LEDの仕組みは白熱電球や蛍光灯とはまったく異なるため、光の広がり方も違ってきます。その結果、「LED電球に変えると暗くなる」という印象を消費者に与えてしまったのです。光はその広がり方によって、明るさの感じ方が変わります。光の総量を表すルーメンであれば、電球の明るさの性能をそのまま表記することになります。

LED電球なら、電気代を節約できる?

白熱電球との比較では省エネ効果が歴然

LED電球の特徴は、熱となるエネルギーがごくわずかなため、効率の良い光源であるということです。白熱電球は使用するごとに周囲が熱くなりますが、LED電球はほとんど温度を感じません。この差が電気代にも現れます。
例として60W白熱電球と、60W相当(650lm)のLED電球を比較すると、白熱電球は54wの消費に対して、LED電球では7w程度。消費電力では85%近くの節約になると言います。

電球4個を使うリビング照明で8時間とした場合、月の電気代は白熱電球で1140円、LED電球なら148円となる計算です。これを1年間で見ると、12,000円以上も節約となります。

電球型蛍光灯との電気代比較では差が小さい

白熱電球と比較すると、かなり電気代にお得感があるLED電球ですが、電球型の蛍光灯とではそれほどの差がありません。先と同様の60w相当比較では、蛍光灯では11w。電球を4個使った照明の電気料でも、LED電球が148円に対して電球型蛍光灯は232円です。LED電球自体のコストを考えると、電気代で相殺されるのにはかなり時間がかかります。

家全体を一気にLED電球に変えるのは、費用がかなりかかるので、最も長く使う場所から少しずつLEDに変更するというのが、打倒な線かもしれませんね。

○電球3種類の電気代比較(60w相当4個で8時間使用の場合)

電球の種類 1か月使用 1年使用
白熱電球 1,140円 13,680円
電球型蛍光灯 232円 2,784円
LED電球 148円 1,776円

LED電球の寿命はどれくらい長いの?

伸び続けるLED寿命時間

売り出し初期の頃のLED電球は、“10年以上もつ”といわれたものでも、実際にはそこまでの寿命がなかったようです。今では、技術も安定しており、理論上の寿命にかなり近づいてきています。現在のところ、電球の寿命は次のようになっています。

・白熱電球の寿命:約1500時間
・電球型蛍光灯の寿命:約1万時間
・LED電球の寿命:約4万時間

電気代の差は少なかった電球型蛍光灯ですが、寿命はLED電球の1/4です。交換時の費用と手間を考えれば、やはりLED電球を選んでおきたいところですね。

オン・オフでも劣化の少ないLED電球

もうひとつ重要なポイントして挙げられるのが、実際の利用した際の電源オン・オフによる劣化です。白熱電球と電球型蛍光灯の場合、日常で点灯・消灯が多いほど消耗します。同じ時期に家中の電球を取り換えたのに、トイレが一番早く切れたという経験はないでしょうか?実際に点灯している時間の長さよりも、オン・オフの多いほうが切れやすい傾向にあります。

LED電球は、白熱電球や蛍光灯ほどオン・オフの影響がありません。つまり、理論上の寿命がほぼ実生活上の寿命と考えられます。トイレやお風呂場など、使用の都度点けたり消したりを行う箇所では、LED電球が有利。急に切れると困る場所でもあります。

これからLED電球に換えていこうと検討しているのなら、まずはオン・オフが頻繁な場所から試してみてはいかがでしょうか。

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