世の中にネコ派とイヌ派がいるように、飲み物の好みも紅茶派とコーヒー派に分かれるようです。どちらも好きという人も、毎日の生活のなかで割合を考えると、よく飲むほうは決まっているようです。いずれ劣らぬ香りと味わいであることに間違いはありませんが、カフェインなど、健康面から見た場合にはどう違いがあるのでしょうか。また、淹れ方などについても知っておきたいですよね。ブレイクタイムにかかせない、紅茶とコーヒーのいろいろな違いについて見ていきましょう。
<目次>
紅茶とコーヒー、カフェイン含有量の違いは?
紅茶とコーヒーそのものでは?
「カフェイン」というくらいなので、コーヒーの含有量が多いのはわかりますが、紅茶にもカフェインが含まれているというイメージはあまりなかったようです。しかし、最近では“紅茶のカフェイン量はコーヒーよりも多いため、妊婦さんは注意しましょう”などという注意書きも見られます。
実際のカフェイン含有率を調べてみると、なんと、一般的には紅茶のほうがカフェインが多いということになります。
・コーヒー:豆の重量に対してアラビカ種(0.9〜1.4%)、ロブスタ種(2〜3%)
・紅茶:茶葉の重量に対して約3%
実際に摂取する状態を比較すると?
けれども、ここで気をつけなければならないのは、コーヒーも紅茶も当然そのまま「食べる」わけではないこと。抽出液にした場合を比較しなければなりません。
実際に口に入る際のカフェイン量を比較すると、次のようになるそうです。
・コーヒー1杯あたり10gの豆を使用:カフェイン含有量は約60〜100mg
・紅茶1杯あたり3gの茶葉を使用:カフェイン含有量は約30mg
紅茶にもカフェインは含まれますが、実際に飲む量を比較すると、やはりコーヒーのほうがカフェインは多いということになります。
カフェインの最も大きな働きは、覚醒作用です。眠いときに飲むのならば、やはりコーヒーがよいようですね。逆に身体に刺激を与えたくないときには、紅茶をチョイスすると安心です。
紅茶とコーヒー、カロリーや健康面での違いは?
なかなかスゴイ紅茶の健康効果
紅茶は砂糖やミルクを入れなければ、1カップあたり2kcalです。紅茶だけならダイエット向きですが、甘いロイヤルミルクティーには注意しなければなりませんね。
紅茶には有効成分がたくさん含まれています。カルシウム、カリウム、ビタミンB1・B2、ナイアシン、さらにはポリフェノールの一種であるテラフラビン、紅茶フラボノイド、カフェインなど。これらの成分により高い抗酸化作用を持ち、動脈硬化などの原因となる活性酸素の除去に働きます。
紅茶でうがいをすると、風邪をひきにくいという話を耳にしたことはありませんか?ある実験によると、市販のうがい薬以上に風邪やインフルエンザの抑制に効果があるとのこと。紅茶を飲んだ後の葉でも、OKなのでムダがありません。
また、よく聞かれるのが、紅茶のティーバッグをまぶたに乗せると目の疲れが取れるという話。ビタミンやカテキンの作用で、腫れぼったさも解消できます。
最近になって、紅茶のアロマによる脳のリラックス効果が確認されました。身も心も紅茶のお蔭で元気になれそうですよね。
ダイエット効果が期待できる?コーヒーの効能とは
ブラックコーヒー1杯あたりのカロリーは4kcal程度。ノンカロリーではないにしても、それほど気になる数値ではありません。ただ、ウィンナコーヒーなどのアレンジメニューには高カロリーのものが多いので、選ぶときには注意してください。
ところで、最近の研究により「ブラックのホットコーヒーをおよそ3~4時間おきに飲む」「運動をする20~30分前にコーヒーを飲む」などによるコーヒーのダイエット効果が伝えられています。これはコーヒーに含まれるカフェインとクロロゲン酸の働きによるもの。脂肪の代謝・燃焼を促進させ、自律神経の機能を活発にする効果が期待できます。
さらに驚きのコーヒーの健康効果として、近年の調査で食品含まれるポリフェノールの約半分がコーヒー由来であることが判明したとのことです。強い抗酸化作用により、紫外線ダメージの軽減、活性酸素の除去によるアンチエイジング効果、脳血管障害やガン予防にも期待が寄せられています。かつてはガンの発生原因とされていたコーヒーが、まさに大逆転したと言えるのかもしれませんね。
紅茶とコーヒー、こだわりの淹れ方の違いは?
紅茶の基本“ゴールデンルール”って?
美味しい紅茶を入れる基本は次の3つです。
l 沸騰した軟水を使う
l ポットは陶磁器・銀製・ガラス製を使う
l 蒸らし時間に注意
水は汲み置きを使わず、空気を多く含む汲み立てがベター。ポットのお湯では紅茶の香りが出ません。使用するポットやカップは事前に温めて置き、ミルクは冷たいものまたは常温にして入れます。コーヒー用クリームよりも牛乳が合います。
茶葉にはストレートティー用とミルクティー用があるので、使い分けるのが美味しい紅茶を入れるコツ。蒸らす時間は、茶葉の細かさによって変えます。大き目の茶葉ならば3~4分、細かい茶葉は2分半~3分を目安にします。蒸らしの間温度が下がってしまうと、味や香りが落ちてしまいます。おしゃれなティーコジー・ティーマットで優しく保温してあげるのが、絶品紅茶を入れるポイントになります。
コーヒーの淹れ方は多種多様
淹れ方に関しては、シンプルな紅茶と異なりたくさんの抽出方法があるコーヒー。それぞれに特徴をまとめてみました。
○コーヒーの淹れ方と注意・特徴
淹れ方 | 器具 | 特徴 | 注意 |
サイフォン | ロート・フラスコ | 演出効果があり雰囲気が出る | 火加減とかくはんするタイミングが難しい |
ネルドリップ | ネルフィルター・ドリップポット | 柔らかな口当たり。最高の抽出法と言われる | ドリップ加減ひとつで味が変わる。ネルの後始末を十分に。 |
コーヒーメーカー | コーヒーメーカー | 手軽。機種によって特徴が異なる | 新鮮な水を使う。保温プレートに置きっぱなしにしない |
フレンチプレス | フレンチプレス | コーヒー本来の味が楽しめる | 挽きが細かいとざらついた味になる つまみをおろすまで4分ほど置く |
パーコレーター | パーコレーター・コンロ | 味は濃い目 | 強火で煮出したり、長時間火にかけたままにすると過剰抽出や酸化する |
エスプレッソ | エスプレッソマシン | 高い圧力と短時間抽出でカフェインが少ない | 抽出時間が長いと雑味が出る |
ウォータードリップ | ドリッパー | 熱湯の熱を加えないためコーヒーの味が素直に出る | 時間がかかる |
紅茶とコーヒー、どの国で人気?
イギリスだけじゃない、紅茶の美味しい国
紅茶と言えば「英国」ですが、栽培国は全世界で30か国以上です。そのなかでも、主だった国はインド、スリランカ、ケニア、中国、インドネシアの5か国。およそ世界の80%弱を占めています。当然これらの国でも紅茶は親しまれており、生活にかかせないものとなっています。
また、アゼルバイジャンではレモンを添えて楽しむ人が多く、さっぱりとした味わいで旅行客にも人気があります。隣国のグルジアでも紅茶の栽培が盛んで、お土産品としても最適です。イランやトルコも美味しい紅茶が味わえる国。濃い目のお茶は、お肉料理などの食事の後にぴったりです。特にトルコでは紅茶の消費量が日本の3倍だとか。1日20杯も飲んでいる人も珍しくないというから、びっくりです。
抽出の仕方もそれぞれのお国柄があり、英国式のポットとはまた違う形のかなりユニークな器具もあるようです。
意外な国がコーヒー消費量第一位!日本は?
世界中で飲まれているコーヒーですが、消費量第一はルクセンブルクとかなり意外。1人当たり年間2844杯を消費するそうで、これを1日換算すると8杯になります。赤ちゃんからお年寄りまで含めているので、そう考えるとスゴイですよね。
続いて、2位がフィンランド、3位がデンマーク、4位ノルウェー、5位スイス。上位を北欧の国々が占めているのは興味深いことです。
たくさん飲んでいそうなアメリカは20位。ドイツの7位、カナダの9位から見ても、割と消費量は少ないですね。コーヒー豆の産出国はブラジルの11位が最高位。主要輸出産業と消費量とはまた別の話ということなのでしょう。
気になる日本ですが、全体では29位。1人当たりの年間消費量は340杯なので、1日1カップ弱飲んでいるということになります。あなたがコーヒーを飲む量と比べて多いですか?少ないですか?各国で飲まれているコーヒー。いつか世界中のコーヒーを飲み比べてみたいものです。
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