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世界的に見てもキレイ好きとして知られる日本人の現在のトレンドは、「香り」といっても良いのではないでしょうか。さまざまな香りづけアイテム人気もさることながら、消臭剤のラインアップも驚くほど豊富です。 従来の置き型に加え、スプレーやプッシュ型など新しい商品が次々に開発されています。どの家庭にも今や必ずあるといっても良いこれらの消臭剤ですが、安全性はどうなのでしょうか。赤ちゃんやペットに対する影響も心配です。ここでは消臭剤を安全に使うため、覚えておきたい知識について見ていきましょう。

その消臭剤、使っても安全ですか?

消臭剤のタイプによる影響の大小はある?

実はこれほど消臭剤の市場が大きいのは、日本をおいて他の国にはありません。アメリカや欧州でも芳香剤は良くみかけますが、消臭や除菌の機能をプラスした製品はほとんどないようです。

現在売られている消臭剤としてのタイプは、大きく2つあります。

・据え置き型

・スプレー型

据え置き型は、液体と固体・ゼリー状のビーズが入ったものがあります。空気に触れ、成分が揮発する際に、消臭成分が吸着されるシステムです。物質を放出するわけではないので、特に害となるものはありません。ペットの横に置いても、比較的安全な消臭方法です。似た様な働きをするのが、冷蔵庫用の活性炭消臭剤です。臭い成分を吸着するしくみであるため、食品の近くにあっても安心です。

スプレー型は吸い込みに注意が必要

臭い成分を吸着する据え置き型と比較し、スプレー型はより能動的ともいえる働きをします。空気中にまかれた粒子は臭気の成分を取り囲み、乾燥すると下に落ちます。

カーテンやカーペットなどの臭いを失くすCMが盛んですが、物質そのものが消えたわけではありません。そのままにしておくと汚れの原因になるので、やはり洗濯が必要となります。

スプレー型で多く使われる成分は、両極性活性剤といわれるコカミドDEAやデキストリンなどです。これらは特に有毒物質ではありませんが、直接肌に噴霧したり、吸い込むことのないように気をつける必要があります。

アレルギーのある人や赤ちゃん、ペットがいる部屋で消臭剤を使うのは危険?

化学物資過敏症では注意が必要

多くの場合、消臭剤の「消臭」部分にはそれほど問題はないようですが、除菌効果がプラスされているものには、注意が必要です。

「ヤシ殻活性炭」などといわれるように、消臭については天然由来のものでも可能ですが、除菌では化学物質が使われています。毎日家中にまき散らすことで、少しずつ体内に蓄積されていく可能性は否定できません。ある日突然、ハウスシック症候群のような化学物質過敏症をひきおこすこともあります。実はメーカー側の成分表示には、除菌効果のある物質の、明確な記載がないことが多いようです。そのため、アレルゲンとなる物質かどうかを確認できないまま使用して、不調の原因となることもあります。

複合的な作用が不明という危険

例えば消臭剤自体の影響が少ないとしても、電気蚊取り、カビとりの燻煙剤、入浴剤、防臭剤など身の回りにはたくさんの化学物質があります。スプレーの場合には、これらのどの成分同士が反応するのか見当もつきません。

カーペットに毎日のように消臭剤をまいていた家庭で、ペットの犬が肝臓障害を起こしたという例もあります。もちろん、因果関係が明確にされているわけではありませんが、食事やその他には十分に気をつけていた場合、原因となっている可能性があります。大人よりもカーペットに呼吸が近いペットや、はいはいをする赤ちゃん、床で遊ぶ幼児などには、より大きな影響が懸念されます。臭いが消えるからといって、安易に大量使用するのは考えた方が良いでしょう。

消臭剤を誤飲してしまった!どうする?

冷静にタイプを把握する

異物を食べたり飲んだりすると、すぐに吐かせることを考えますが、商品によっては吐かせない方が良い場合もあります。ほとんどが緊急性のない成分が使われています。慌てずに商品説明で消臭剤の材料を確認してください。

一般的な消臭剤のタイプと対処法を見てみましょう。

○消臭剤のタイプによる誤飲の対処法

タイプ 中毒の危険性 対処法
固形(+芳香) ほとんどなし 水か牛乳を飲ませて様子をみる
液体 量による 少量の場合は、水か牛乳を飲ませて様子をみる

5ml以上の場合には水か牛乳を飲ませた後に吐かせ、診察を受ける

有機酸系 量による 少量の場合は、水か牛乳を飲ませて様子をみる

5ml以上の場合には水か牛乳を飲ませた後に吐かせ、診察を受ける

植物精油系 なし 様子をみる
パラジクロルベンゼン系 やや危険 水を飲ませ吐かせて診察を受ける
しょうのう系 やや危険 吐かせないこと

なめた程度なら水を飲ませて様子をみる

食べたならそのまま診察

ビーズ系は危険性が低い

子どもがお菓子と間違えやすい、ビーズ型の消臭剤はそれほど危険度が高くありません。なめた程度であれば、口をすすいで牛乳を飲ませて様子をみます。2~3粒食べても、便となって排出されるためあまり心配はありません。

大量に食べた場合は、牛乳やスポーツドリンクを飲ませ、診察を受けます。ビーズ型の消臭剤は、水で膨らむ性質があるため、水を飲ませないように気をつけてください。

消臭剤の適切な捨て方を知っておこう

液体はトイレに流すと安心

消臭剤を購入したものの、芳香剤入りで香りがきつすぎたなどで捨てたいことがありますよね。廃棄の際に、どうしたら良いか迷ってしまいます。メーカー側の回答では、特に環境破壊となる物質はないとのことですが、洗面所などの排水口に流すのは何となく抵抗があるという人も。

その場合は、トイレに水と共に流すのが良さそうです。容器は多くのメーカーがポリエチレンを採用しており、燃やしても有害ガスが発生する危険性は低そうです。念のため、素材の表記を確認して、自治体の分別ルールに従ってください。

ビーズはトイレに流してはいけない!

先にもあったように、ビーズ型の消臭剤は水を吸うとふくらみます。トイレの詰まりの原因となるため、絶対に流してはいけません。当然、排水口などには少量でも落とさないようにしてください。固形の消臭剤の場合は、燃やしても特に環境への影響はありません。ポリ袋や紙に包んで可燃ゴミに出して大丈夫です。常識的なことですが、プラスチックや缶の容器から出し、きちんと分別してから処理を行なってください。

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