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朝起きがけの一杯、ブレイクの一杯。コーヒーがなければ毎日が過ごせないという人も多いですよね。以前は身体に悪い飲み物のように言われていたコーヒーも、最近の研究では逆にがん予防効果があるなどの研究結果が報告されています。古代の人はコーヒーを薬として活用していたという説もあるので、効能が体感されていたのかもしれませんね。さらに美味しくコーヒーをいただけるように、コーヒー豆の名前やさまざまな飲み方の種類などを詳しく説明していきます。

コーヒーの種類には何がある?

単に薄いのがアメリカンコーヒーではない

日本でおなじみのコーヒーの飲み方としては、アメリカンコーヒーがあります。実は、こうした呼び名は、本国のアメリカでは使われていません

アメリカンコーヒーというと、味が薄いコーヒーと思っている人がいるようですが、それは完全な間違い。アメリカンコーヒーは浅煎りの豆を使用したコーヒーを指し、味わいはライトです。苦味よりも酸味のほうを強く感じ、ブラック向きと言われています。が、アメリカでは60%の人が砂糖やミルクを利用するそうです。アメリカではパーコレーターを使う家が多いので、浅煎りが好まれるのかもしませんね。

豆自体が浅煎りのせいでコーヒーの色が薄く、お湯で割っているなどの勘違いもありますが、そちらは“アメリカーノ”と呼ばれる別モノです。

マシンで入れる深入りヨーロピアン系

深煎りした豆を使い、マシンで圧縮して抽出するのがエスプレッソです。濃厚な味わいのため、小さなカップで出されます。半分の大きさのカップを意味する「デミタスコーヒー」と呼ばれることもあります。苦味が強く濃いので、カフェインが気になりますが、実はまったく逆。カフェインは煎りが深くなるほど揮発し、抽出時間が少ないほど減ります。深煎り豆で短時間抽出をするエスプレッソとドリップコーヒーを比べると、エスプレッソのほうがカフェイン量が少ないのです。外国の方が夜の食事の後に、エスプレッソを飲んでも平気なのには、そんな理由があったのですね。

コーヒー豆にもたくさんの種類がある!

コーヒーの品種は大きく分けて2つ

コーヒーの品種は、アラビカ種とロブスタ種の2つになります。世界生産の6割弱を占めているのが、アラビカ種。酸味が強く、花のような甘い香りが特徴的。標高1000~2000mの熱帯高地での栽培に適しており、栽培には非常な苦労が伴います。また、病害虫にも弱いので、生産者は細心の注意を払って育てているのです。全世界にはアラビカ種から派生した亜種がたくさんあり、それぞれに少しずつ香りが異なっています。
ロブスタ種はアラビカ種よりも苦味が強く、香ばしい香りがします。アラビカ種よりも標高が低い場所で育てられるので、比較的栽培が容易とされています。

コーヒー豆の名前は産地名から付けられる

コーヒー豆は、コーヒーノキの種子です。なんともシンプルですが、生産地の気候や風土によって形や味、香りなどに個性が出ます。

コーヒーの銘柄の由来としては、コロンビア、ケニア、ブラジル、グァテマラなどの国名、キリマンジャロ、ブルーマウンテン、エメラルドマウンテンなど山の名前、モカ、サントスなど港名、コナ、マンデリン、ジャワなど栽培地名から付けられたものがあります。

◎品種と特徴

品種名 産地・特徴
メキシコ やわらかい上品な味が特徴。酸味と香りが程よい感じ
グァテマラ 甘い香り、酸味は控えめでぜいたくな風味が特徴
ブルーマウンテン コーヒーの魅力をすべてあわせ持つ絶妙なバランス
クリスタルマウンテン 酸味&苦みが程よくマッチした上品な味わい
コスタリカ 香りたつ豊潤さと適度な酸味。口当たりはマイルド
コロンビア コクがあり、刺激的でない酸味と甘みが感じられる
ベネズエラ 独特の苦みと軽い酸味が個性的なコーヒー
ブラジル・サントス コーヒーらしさを感じさせる苦味と酸味。飽きのこない味わい
ハワイ・コナ 南国らしい強めの酸味と華やかな香り
モカ やわらかな酸味とフルーティな香りで高い人気
ケニア 力強い酸味とスッキリとした味わい
キリマンジャロ 強い酸味プラス甘い香り。コクは深め
マンデリン 上品さが漂う控えめな苦味と甘い香り
ロブスタ 個性的な強い酸味と苦味。香ばしさが魅力的

コーヒー・カフェラテ・カプチーノ、いったい何が違う?

メニューで迷わない カフェアレンジの種類

ステキなカフェで何となくオーダーしているけれど、「あれ?どこが違うんだっけ?」。何かが違うけれどわからない、そんなモヤモヤを解決しておきましょう。

特に似たようなドリンクには、カフェオレ、カフェラテ、カプチーノがあります。どれもコーヒーにミルクが入っているようですが……。

l  カフェオレ:ドリップコーヒー&ミルクの割合は50:50
l  カフェラテ:エスプレッソコーヒー&ミルクの割合は20:80でミルクが多め
l  カプチーノ:エスプレッソコーヒー&泡立てミルク・スチームミルク

さらにややこしい「マキアート」って?

マキアートはエスプレッソコーヒーにスチームミルクを入れたものですが、その量が問題です。「マキアート」はイタリア語で「染みのついた」状態を指します。カプチーノよりミルクが少ないので、入れたときに「シミ」のように茶色く跡が出現するようすから、この呼び名がついたといわれます。表面にイラストを描いてくれる「ラテアート」は「マキアート」でなければうまくいかないということなんですね。

最近はコーヒーアレンジも増え、キャラメルマキアートなど、スイーツのように甘いメニューや、スパイスを効かせた大人の味わい方を楽しむことができます。

あなたに合ったコーヒーの選び方

まずは煎り具合を好みから選ぶ

ここまでコーヒーの種類をみてきましたが、好みの豆を選ぶのは何だか難しそうですよね。でも、結局は誰かのおススメよりも、自分の好みが一番重要です。最初は「苦味」で考えてみましょう。

コーヒーの苦みが好きな人は深煎り、苦手な人は浅煎りを選びます。アメリカンコーヒーの話が先にありましたが、煎りが強いと苦味も強くなります。酸味に関してはこの逆。煎りが浅いほうが酸味を感じます。

煎りの度合いは、強い順に以下のようになります。

イタリアンロースト・・・・・深煎り
フレンチロースト       ↓
フルシティロースト      ↓
シティロースト        ↓
ハイロースト         ↓
ミディアムロースト・・・・・浅煎り

豆の鮮度が高いお店のスペシャリティに聞こう

豆の味については、なかなか素人では“どれ”と決めることが難しいもの。まずは、鮮度の高い豆を扱っている専門店で、イチオシのブレンドを飲んでみましょう。

そこから、「もう少し酸味が軽いもの」や「香りが甘い方が良い」など自分の好みを加えていきます。専門店では「今日のおすすめ」コーヒーの試飲を行なっているので、それを基準に教えてもらっても良いでしょう。

ある程度好みがある人は、「モカ系は苦手」「ロブスタのような個性的なコーヒーが好き」などと伝えれば、より自分に合ったコーヒーを見つけてくれるかもしれません。
コーヒーは飲んでみなければわからないもの。好みにぴったり合う一杯を探して、コーヒーブレイクをさらに楽しんでくださいね。

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