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子どもの頃に誰しも使ったことがある色鉛筆ですが、大人の塗り絵ブームでその存在が再認識されています。さまざまな種類の色鉛筆が紹介され、メーカーによる微妙な違いでお好みを選ぶ人も多いよう。色の種類も学校時代に知っていた以上に増えていて、最高級品に人気が集まっています。ここでは、色鉛筆の種類や珍しい色など、現代の色鉛筆事情について見ていきます。

色鉛筆の色って何種類あるの?

セットで有名なのは通販の500色

現在セットになっているもので、もっとも色数が多いのはフェリシモの500色です。独特なカラーへのネーミングで知られていますが、微妙なグラデーションがあり見事です。難点は、単品売りがないことでしょう。あくまで「コレクション」としての販売のため、毎月25本ずつを20か月かけてそろえていきます。実際に使用して、足りなくなってもその色だけを購入することができません。

画材で有名なファーバーカステルでは120色、ホルベインでは150色のセットがあります。国内の一般的なメーカーでは、セット売りは多くが36色、最大で72色~100色までのようです。

単体売りではメーカーごとに150色

インターネットの普及で、海外の製品も手に入りやすくなりました。老舗の専門メーカーでは、単体で150色程度は開発されているようです。色鉛筆はメーカーごとに色彩や色味がそれぞれオリジナルであるため、同じ赤でも微妙にニュアンスが異なります。その違いを考えると、色鉛筆の色数もほとんど無限と言っても良いでしょう。また、普通の色鉛筆の他、水彩、油彩色鉛筆でも色が変わってきます。同じメーカーで、同じ色名がついていても、まったく同じ色というわけではないようです。

色鉛筆の白って必要なの?

白い色鉛筆がいつまでもなくならない?

通常は白い画用紙に絵を描くため、白い色鉛筆の出番がないと思われています。実際に子供たちの色鉛筆セットの中でも、一番最後まで長いのは白の鉛筆でしょう。何も色がつかないような白が、必ずセットに入っているのはなぜでしょうか。

子どもの描く絵では、なかなか使いこなせない白鉛筆。実は色鉛筆画をよりアートな作品とするためには、白い鉛筆が欠かせません。白い鉛筆を攻略することこそが、レベルアップにつながります。

白い色鉛筆はこうして使う

色鉛筆を使いこなす大前提として忘れていけないことは、色鉛筆は単色使いする画材ではないということ。重ね塗りによる表現が、色鉛筆の基本です。そのため、白い鉛筆はもっとも大きな役割を果たすことになります。

  • 色の調整
  • 境界線のぼかし
  • ハイライト・光の表現
  • つや・光沢感を演出する
  • 下地効果

通常の色鉛筆は、水彩絵の具のように色の濃さを簡単に調整できません。白い色を重ねることで、淡い色彩を作り出すことができます。そのままではストレートすぎる色同士のつなぎに、白を少し重ねることでうまくぼかす作用があります。その他、白を塗ることによってつや、光沢感を出し、下地にぬることで紙の表面になめらかさを与えます。

珍しい色の色鉛筆を紹介!

ロマンを感じるカラーが女性に人気

30色セット×3シリーズで展開している、「色辞典」が若い女性を中心に人気を集めています。より自然界に近い色を表現する商品コンセプトにより、色鉛筆の名前も秀逸です。薄紅色、珊瑚色、桜色、水仙、枯葉色、薄荷色など、色の名前を見ているだけでも、思わず使いたくなります。普通の色鉛筆では求められない、ナチュラルな風合いを描くことができそうです。また、100円ショップのセリアでもっとも売れ筋となっているのが、「にほんの色鉛筆」。たった12本のセットではありますが、「金茶(きんちゃ)杏(あんず)紅(べに)牡丹(ぼたん)菖蒲(しょうぶ)瑠璃(るり)露草(つゆくさ)青磁(せいじ)緑青(ろくしょう)栗(くり)鳶(とび)墨(すみ)」と普通にはない、日本古来の色彩が広がります。

詩的なことばで情景を喚起するカラーネーミング

もっとも珍しい色が見つかるといえば、やはり500色を展開するフェリシモの色鉛筆でしょう。こちらは、そのネーミングだけでは予想ができないような名前が並んでいます。「ため息のベール」「ポンパドゥール夫人の笑顔」「ムール貝のワイン蒸し」「週末のレマン湖」「3月3日ひなまつり」「温泉の湯けむり」「勝利に酔う土佐犬」など、中にはどうしても色が思い浮かばないものもありますが、その独創性には脱帽。カラーチャートのように並ぶ色鉛筆の中から、自分の1色を探すのも楽しそうですね。

最高級の色鉛筆ってどういうもの?

固めの描き心地を好む人へご紹介

○比較的固めな芯の高級色鉛筆

名称 価格(1本あたり) 特徴
カランダッシュ
パブロ
238円 世界のトップアーティストに支持されてきた色鉛筆
ファーバーカステル
ポリクロモス
324円 もっとも有名な色鉛筆でファンも多い

固めとはいっても、決して描き心地にひっかかりなどがあるわけではありません。日本の色辞典や普及しているユニカラーと比較すると、やや柔らかめです。なめらかさに置いては、世界に冠たるさすがのトップクラスの描き味。しっかりとしたラインなどを入れた絵画要素の強い、本格的な作品づくりに向きます。いずれもセットは1万円を超えることが多く、初心者にはハードルが高く感じるかもしれません。ばら売りのものを数本購入し、自分に合う使い心地かどうかを確認するのが良いでしょう。

柔らかく温かみのある作品に

○柔らかめの芯の高級色鉛筆

名称 価格(1本あたり) 特徴
カランダッシュ
ルミナンス
504円 最高級品質
非常に書き味が良い
ホルベイン
アーチスト
215円 芯が柔らかく、下絵を隠す力が強い
サンフォード
カリスマ
242円 もっとも芯が柔らかい
発色は良いが芯が折れやすい

芯が柔らかめの鉛筆は、比較的初心者でも描きやすく感じます。が、芯が折れやすく、削る際など扱いに注意が必要です。また、購入に際しても内部で芯が折れていることがあるので、信用のおけるショップで購入した方が良いでしょう。

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