ステープラーという文具名はあまり聞きなれませんが、実はホッチキスと同じもの。JIS規格上では、ホッチキスではなくステープラーと呼ばれます。どこの家庭やオフィスにも必ずあるホッチキスですが、最近では針を使わずに同じ機能をもつ商品も出ています。ここでは針なしのステープラーや、ホッチキス針のリムーバーなどさまざまな情報を見ていきましょう。
<目次>
ステープラーとホッチキス、何が違う?
ホッチキスの規格上の名称はステープラー
ホッチキス、ホチキスのように紙をまとめて留める文具は、JIS規格上ではすべてステープラーという名称で呼ばれます。フランスで初めて原型となる文具が誕生したのは、18世紀のことです。紙を使うことが増えていた当時の社会では、1度の作業で紙に針を打ち込み、折り曲げられるステープラーはかなり画期的な文具でした。明治時代には日本にもアメリカから、入ってきました。その際、E.H.ホッチキス社の商品が持ち込まれたことで、日本ではホッチキスという呼び名が一般的になったのです。その後は商標の普通名称化に従って、ステープラーではなくホッチキスの名のままで親しまれています。NHKの放送向け統一用語では、「ホチキス」が使用されています。
ホッチキスの針名にも正式名称がある
ホッチキスに使われる針は、他にホッチキスの芯、たま、などと呼ばれていますが、JIS規格上の名称は「ステープラ用つづり針」です。また、ステープルという場合もあります。ステープラーの針サイズは、大きく3種類があります。小型は10号サイズの針や最近では中型との中間サイズの11号もあります。ホッチキスは通常この小型ステープラーを指し、コピー用紙20~36枚程度まで通すことができます。中型は3号、もしくは35号の針を使い、コピー用紙75枚程度まで通すことができます。さらに大型になると、1号または12号と呼ばれる針サイズを使用し、250枚もの紙を通すことができます。手動では困難となるため、電動のステープラーが使われています。
意外と活躍、ステープラー針リムーバー
ステープラーの針取りは意外なほど種類が豊富
ホッチキスの針を外さなければならないシーンは結構多いもの。綴じた瞬間に、「あ、1枚留め忘れた!」なんていうこともありますよね。ホッチキスの後ろ側にツメがついているものもありますが、しっかりと針が閉じられているとなかなか取れません。ステープラー針のリムーバーは、イライラを解消し、スムーズに針を外すことができます。こんな便利な商品があるのかと思いますが、実は意外と種類が豊富です。
○ステープラー針リムーバーの種類
形状・名称 | 特徴 |
---|---|
収納型リムーバー | 外した針がリムーバーの中に落ちるしくみ 安全に針を捨てられる |
ツインリムーバー | 小型・中型の針サイズ2種類を効率よく外せる マグネット付き |
ペンチ型 | 書類を傷めることがない ドイツ製 |
ホッチキス一体型 | 一台で、留める・取るの機能を持つ |
100円ショップでも手に入る
ステープラー針リムーバーの価格は、100円~2,000円と用途や使う頻度に合わせて選ぶことができます。100円ショップで売られているものも、素手やホッチキス付属のツメよりは楽に針を外すことができます。価格が高いものは、力要らずで紙を傷めず、耐久性があるなどのメリットがあります。シュレッダーにかける際に必ず針を外す作業がある、処理する回数が多いなどの場合は、ストレスなく確実に針を外すことができるリムーバーを選ぶと仕事の効率アップにつながります。
針のない、安全なステープラー
針なしホッチキス?どんなしくみなの?利点は?
針のないホッチキスというふれこみで、新しいステープラーに人気が集まっています。消耗品の針を準備する必要がなく、シュレッダーもそのままかけられます。針なしのステープラーは、紙に穴をあけ、その穴の部分の紙が差し込まれて固定されるというしくみです。綴じられる枚数は、4~8枚程度。子どもでも扱えて、落とした針でうっかりケガをする心配がありません。外すときも引っ張れば簡単です。一方でかなりしっかりと綴じられるので、振り回したくらいでは、書類がバラバラになることはなさそうです。大きさも手のひらに入るサイズからあり、筆箱などに入れて置くことができます。
針のないステープラーの価格は?従来とどちらを使う?
プラスチック素材が多い針なしステープラーは、100円から1,000円程度で購入できます。価格の差は、穴の形状に明確に出ます。有名文具メーカーの商品は穴の形状が複雑で、くさびのようになるため故意に引っ張らなければ、外れないようにできています。100円ショップなどの商品は、単純な穴の形状のため紙をつかんで振ると外れてしまいます。枚数も4枚が限度です。針のないステープラーを従来のホッチキスと比較すると、綴じられる枚数が圧倒的に少ないのがデメリット。分厚い資料を留めるのには、向きません。が、良く閉じる紙の枚数がいつも5枚程度、という人にはとても便利です。ライトな感覚で使える針のいらないステープラーは、用途に合わせて従来のものと使い分けると良いでしょう。
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