Pocket

大企業では広々としたワンフロアタイプのオフィスが一時は主流となっていましたが、最近では効率化やプライバシーといった観点からパーテーションの導入が増えているようです。需要の増加にともない、デザインもより洗練されてドアつきのタイプや、おしゃれなオフィスを演出するための製品も多くなっています。ここでは、パーテーションを導入する際の取り扱いメーカー、デスクを区切るタイプなどの情報も併せて見ていきましょう。

オフィスにパーテーションを設置するメリットデメリット

アメリカ発:研究で明らかになったオープンオフィスの弊害

オープンオフィス先進国のアメリカでは、働く人の70%が仕切りのない職場で作業をしていると言います。先ごろ環境心理学ジャーナルにより、オープンオフィスで働く人の満足度を調査したところ、半分以上が「騒音・雑音」に対する高い不満を訴える結果となりました。また、「視覚的プライバシー」や「室内温度」に関しての不満も40%に達しています。

さらに、パーテーションで仕切られたり個室のオフィスと比較し、オープンオフィスで働く従業員は、病欠日数が62%も多いというショッキングなデータも。先進的に感じられていたオープンオフィスの、明らかな弊害が認められています。その原因として挙げられているのは、次の2点です。

  • ウイルスやバクテリアの拡散
  • プライバシーの欠如からくるストレス

満足度の調査でも声のあったプライバシー問題の他、密集空間での衛生環境に焦点があてられています。

オフィスにパーテーションの利点欠点を比較

逆に、仕切られた空間のオフィスにデメリットはないのでしょうか?
パーテーションを利用するメリット・デメリットを整理してみましょう。

メリット デメリット
  • プライバシーが守られる
  • ウイルスやバクテリアの拡散が限定される
  • 集中力が向上し業務効率が向上する
  • レイアウトによりオフィスの演出がしやすい
  • 騒音、雑音防止
  • 温度管理がしやすい
  • 閉塞感があり暗く感じがち
  • コミュニケーションを取りづらい
  • チームワークが促進されない
  • 部署間の交流がない
  • イメージ的に自由度が低い

オフィスのパーテーションメーカー有名3社の特徴を比較

日本パーティション工業会所属の安心メーカー

意外と知られていないのがパーテーションの販売メーカーです。どのようなところが製造元となっているのでしょう。「日本パーティション工業会」に所属している主なメーカーは次の通りです。

  • 株式会社イトーキ株式会社
  • 岡村製作所
  • コクヨ株式会社
  • コマニー株式会社
  • 小松ウオール工業株式会社
  • 三和シヤッター工業株式会社
  • アイカ工業株式会社
  • スリーエムジャパン株式会社

パーテーションのイメージがなかった有名メーカーも、多数含まれています。

有名パーテーションメーカー3社を徹底比較

会社ごとに製造しているオフィス用パーテーションの特徴には、どのようなものがあるのか。もっとも注目度が高い企業をまとめてみました。

メーカー名 特徴
コマニー株式会社 「いい空間には、いいパーティションがある」をキャッチフレーズにしたパーテーション専門メーカー。オフィス向け不燃スチールパーティション、開放的で洗練された空間を演出するガラスパーティションなどカラーバリエーション、アーバンイメージなど多彩な展開を可能にする空間を演出。
コクヨ株式会社 誰もが知っているステイショナリー、オフィス用品の老舗としてのノウハウを生かし、オフィス空間の構築を提案。連結部分をすっきりと見せるために、フラット感を追求して編み出された「片寄せガラス」やお好み表面仕上げなど、独自の進化を遂げたパーテーションを提供している。
株式会社イトーキ オフィス家具の販売を主な事業とし、内装インテリアにも深い造詣を持つ企業。これまでの画一的なオフィスを一新し、開放感のある新しい空間の創造をめざしたパーティションや、可動式と同様の手軽さで利用できる間仕切り、継ぎ目の目立たないガラスパネルなど自社開発商品には他の追従を許さないプライドを持つ。

オフィスでのドア付きパーテーションの上手な活用方法

ドア付パーテーションで動線を確保しながら目隠しを実現

オフィスならでは、多くの人間が動きやすい間取りでなくてはいけません。

  • 大部屋を区切りたいが、動線を確保したい。
  • パーテーションを建てると迷路のようになってしまう。
  • 細かく区切ると災害時に心配がある。

プライバシーや作業効率の向上のためには、個室化が必須。でも、通り抜けの動線はどうしても必要だと言う場合には、ドアつきのパーテーションが最適です。空間を区切る際に迷路のような通路を作らず、スムーズな通行をするためにはドアが必要です。ドアつきのパーテーションならば、需要に応じて四面のいずれにもドアを取り付けることができます。中央に集中型出入り口を確保したい場合には、三面ドアでも設計できます。たくさんの部屋を通って出入りするよりも、スマートでおしゃれなオフィスになります
消防法による避難路の確保にも、ドアつきのパーテーションで問題なくクリアできますね。

オフィスに自在に小部屋を構築できる柔軟性

業種によっては区切りつつ出入りにも気を配りたいという悩みもあります。

  • 1部屋あたりの人数が確定しづらい業種。
  • 出入りのプライバシーも確保したい。
  • 柱などの関係で、出入りの通路が作りづらい。

通常の建築では部屋のレイアウトを気軽に変更できませんが、パーテーションならば柔軟性をもって小部屋を構築できます。また、個室をつくるよりも、激安で実現が可能です
音楽教室や学習塾、IT系企業など少人数単位での集散の需要が高い業種では、ドアつきのパーテーションによって自在に部屋を設計、移動できます。各部屋に出入り口をつけることで、よりプライバシーが保たれる上、レイアウトに制限がありません。前提的に部屋が欲しいと言う場合にも、ドアつきのパーテーションならば柔軟に対応できます。

オフィスのデスクを区切るデスク用パーテーション

目が合うと気が散る!そんなお悩み解決のパーテーション

パソコンに向かっていてモニターを見ているのに、向いの人と目が合って気まずい。そんな声を多く耳にします。音や空気は我慢するが、せめて視線はさえぎって欲しい。そんな悩みにお答えするのが、デスク用パーテーションです。

素材は不可視型の一般ボードから、すりガラス調アクリルもおしゃれで人気です。高さは40~50cmが主流。前面のみから三方囲み型も需要が多いようです。

素材 特徴
布張り 定番。比較的安価に設置できる。カラーバリエーションがある
重厚感が出せる。価格が高い
スチール スタイリッシュなオフィスを演出できる。
アクリル 半透明。透過性があり、比較的圧迫感がない。明るい。
強化ガラス 透明、半透明。透過性がある。重い。

オフィスのデスク用パーテーションメリット・デメリット

間仕切りと比較して、導入しやすく状況に合わせて変化をつけやすいデスク用パーテーションですが、デメリットはあるのでしょうか。

メリット デメリット
  • 集中力が向上する
  • ルーム用より安価で導入できる
  • デスクごとにレイアウトできる
  • 可動性が高い
  • デザインが豊富
  • 部屋全体が狭くならない
  • 圧迫感が少ない
  • 音が遮断できない
  • ウイルスやバクテリアの拡散対策にならない
  • 雑談などコミュニケーションが取りにくい

fw_600x68_20191019b