Pocket

昔から子供の習い事で人気なのが「そろばん」です。昔の人々はそろばんをはじいて計算を行っていました。しかし、今現在は簡単に早く計算ができる電卓が普及しています。だったら「そろばん」はもう必要ないのではないかと思っている人もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では電卓とそろばんを比較してどちらが優れているのか対決をしようと思います。またそろばんと電卓の歴史についても詳しく紹介いたします。

そろばんの歴史

伝統ある「そろばん」の歴史

そろばんの歴史は古く、なんと今から4000年以上前のメソポタミア文明までさかのぼります。メソポタミア文明で使用されていたそろばんは地面に線を引き、その線の上に石を置いて使用していたそうです。

次に登場する古いそろばんは「線そろばん」というものです。線そろばんは地面に線を引くのではなく木でできた板に線を引いて、そこに石や骨を置いて数字を計算していました。この線そろばんは、今から2500年前のエジプト、ギリシャ、ローマなどで使用されていました。このそろばんですが、いつごろ日本にやってきたと思いますか?約1570年ごろには日本に伝わっていたとされています。日本最古のそろばんはあの有名な戦国武将「前田利家」が使用したものだそうです。そして、江戸時代に商売が盛んに行われるようになり、同時にそろばんも一般市民に普及していきました。その後、明治に入ってもそろばんが廃れることはありませんでした。

科学技術が発達した現在でも、そろばんというものが存在していることはとてもすごいことです。それほど優れた道具であるという証でもありますね。

・そろばんの原型は、古代メソポタミア文明が発祥。
・2500年前のローマやエジプトでは、木製の板や石の上に線を引きその上に石や骨などを置いて計算していた。
・日本には1570年ごろに中国から伝来したとされている。
・江戸時代に入ってから、一般庶民(特に商人)が多く使うようになった。

そろばんが4000年以上前に開発され、今なお使用されているのはとてもすごいこと。そろばんを使用した計算がどの時代にも適していた証拠ですね。

電卓の歴史

革命的な電卓の歴史

電卓とは「電子式卓上計算機」の略です。この電卓ですが、難しい計算でも一瞬で答えが出るのでとても便利ですよね。しかも、小型でポケットに入る製品も多いですね。そんな便利な電卓ですが、開発にはとても苦労しました。

この電卓の開発は、大手電機メーカーの「カシオ」のがんばりによるところが大きいです。当時使用されていた計算機は本体が大きく、電動式のものが多かったので、モーターの駆動音がうるさいという欠点を持っていました。そこでカシオは電気回路で処理する電気式計算機「14-A」を開発しました。電気回路を使用することで、モーターの駆動音などの問題はクリアされました。

その後、イギリスが世界初の真空管を使用した電子式電卓を開発しました。カシオもこの開発競争に勝ち抜くために、商品開発をしてメモリーが付いている電卓を開発しました。その後も各社電卓の開発競争が続き、ついにカシオが今現在使用されている電卓の原型とも言える製品「カシオミニ」の開発に成功しました。「カシオミニ」の当時の価格は12800円です。少し高いような気がしますが、当時、他社の電卓は4万円前後するものが主流でした。そんななか、12800円という低価格設定と製品の小ささは世間に大きな衝撃を与えました。

・1950年代の電卓は本体が大きく、扱いが大変だった
・カシオが電気式計算機の開発に成功した
・1965年にメモリーを搭載している電卓を開発
・1972年に「カシオミニ」が発売され、爆発的にヒットする

電卓の歴史は、小型化の歴史といっても良いかもしれません。小さくする技術がいかに高度な技術なのかが分かりますね。

そろばんと電卓どっちが優れている?

そろばん対電卓

昔から庶民の間で使用されてきたそろばんと、近年開発された電卓とでは、計算スピードでどれくらいの違いがあるのでしょうか。日本珠算連盟が行っている暗算の大会上位の人は、電卓で計算するよりも速く計算ができるそうです。

そこで大事になってくるのが、電卓の機能です。単純な足し算や引き算にはそろばんに負けてしまうけれども、電卓では関数などを使用した複雑な計算が可能です。単純な計算ではそろばんに軍配が上がりましたが、関数を使用した複雑な計算になると電卓のほうが優位ですね。

・単純な足し算引き算の計算は、そろばん(暗算)のほうが早い
・関数を使用する複雑な計算は電卓が優位

以上の点をふまえると、そろばん対電卓対決は引き分けといったところでしょう。お互い長所と短所があるので、用途に合わせて使用するのが良いですね。

fw_600x68_20191019b