オフィスチェアのロッキング機能、と聞いてすぐに「あぁ、あれね」という方は少ないと思います。しかしながら、普段座っているオフィスチェアにさりげなく備えられているロッキング機能は、座り心地の良し悪しや仕事の効率にも影響を及ぼすもの。この機会に、ロッキング機能の知られざるメリットをチェックしてみてはいかがでしょうか。
<目次>
オフィスチェアのロッキングとは背もたれが倒れる機能のこと
ロッキング機能は座り心地を左右するキーポイント
デスクワークが主となるオフィスにおいて、オフィス家具を購入する場合、最も気を使うべきなのがオフィスチェアの選択です。
価格重視で選ぶのもひとつの方法ですが、毎日何時間も座るオフィスチェアは健康にも影響が。価格よりも機能で選ぶ、というのが後悔しない選び方と言えるのではないでしょうか。
特に外せないのが「ロッキング機能」。ロッキング機能とは、一言で言うと「背もたれが後ろに倒れる機能」のことです。
オフィスチェア、と称して販売されているものには、リクライニング機能とロッキング機能を併せもっているものが多いですが、機能の差は千差万別。
では、どのような機能があるか見ていきましょう。
意外と知らない?ロッキング機能の4つの種類
ロッキング機能は、大きく4つに分類されます。
1つめは「背のみロッキング」。背もたれのみが後ろに倒れる、という一番シンプルなロッキング機能で、ほぼすべてのオフィスチェアに備えられているといえます。
2つめは「ロッキング強弱調節機能」。体重をかけたとき背もたれがどれくらい傾くかを調節できる機能で、座面の裏側に調節ねじがついているものが主流です。
3つめは「ロッキング固定機能」。背もたれの位置(角度)を固定する機能で、固定位置が決まっているものと無段階のものがあります。
4つめは「シンクロロッキング」。背もたれが傾くと座面も連動して自然な角度に傾くという機能で、姿勢が変わってもフィットして体を支えるため、座り仕事の負担を軽減してくれます。
ロッキング機能 | リラックス | 調整 | 集中力 |
---|---|---|---|
背のみロッキング | ★ | ||
ロッキング強弱調節機能 | ★★ | ★ | |
ロッキング固定機能 | ★★ | ★★ | |
シンクロロッキング | ★★★ |
オフィスチェアによっては、これら複数の機能を兼ね備えたものが多くなっています。
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ロッキング機能のメリット。ロッキング機能の価格は2,000円程度
座り心地の良し悪しが、仕事の効率アップに影響
ロッキング機能により得られる「座り心地の良さ」は仕事の効率アップにも多大な影響を及ぼします。
無理な体勢でデスクワークを続けていると、疲れやすくなるのはもちろん、からだにトラブルを生じる元に。腰痛、肩こりをはじめ、精神的なストレス、内臓のトラブルまで。
パソコン作業をしている場合には、視力低下や腱鞘炎を招くこともあるといいますから、座り心地を軽視してはいけませんね。
また、集中力・リラックスを得るためにも座り心地は大切。正しい姿勢を保ち続けたり、リラックスできる姿勢をとることのできるロッキング機能は、オフィスワーカーを陰で支える立役者、ともいうべき存在ではないでしょうか。
ロッキング機能をプラスすると価格差は2,000円程度
では、ロッキング機能のあるオフィスチェアはいくらで購入できるのでしょうか。
正直、オフィスチェアについては価格はピンキリ。安いものであれば、ロッキング機能がないもので3000円台、ロッキング機能つきのもので5000円台から、といったところでしょう。
シンクロロッキングを求めるのならば、最低でも1~2万円台。その他、チェアの材質や他の機能(ヘッドレスト、キャスター、肘掛け)により価格が大幅に変わってきます。
ロッキング固定のオフィスチェア。ロッキング固定を選ぶ理由
ロッキング固定機能があれば、さらに快適
ロッキング機能の種類、の段でも紹介した「ロッキング固定機能」。この機能がついていると何がいいのでしょうか。
まず、ロッキング固定機能があると、ロッキングする・しないを選べるというのが大きく違います。「ロッキング強弱調節機能」では、ロッキングの強弱を調節できるというだけで、ロッキングしない、という選択肢はありません。
つまり、強弱の差はあれこそロッキングはするので、背もたれがグラグラします。
すると、人によっては集中力をそがれる、といったことがあるため、ロッキング固定が好まれているのですね。
また、リクライニングつきのオフィスチェアにおいては、背もたれを倒した状態でロッキング固定をすることができるのもポイント。仮眠や休憩時にゆっくりと休むことができれば、オフィスワークがさらに快適になりますよ。
ユーザーに合わせて、無段階固定ができるタイプが人気
ロッキング固定については、固定できる位置が数段階に分かれているもの、無段階固定ができるものがあります。座る人の体格や好みによって好きな角度で固定ができるため、無段階固定ができるタイプがやはり人気。
ただし、無段階固定タイプの方が値が張るのは致し方ないでしょう。
ロッキングとリクライニングの違いを徹底比較
ロッキングとリクライニングの大きな違い
ロッキング機能とは、rock(揺れ動く)に由来し、体の動きや体重移動に合わせてチェアが動いて、体を支える機能のことです。「ロッキングチェア」を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。地面と接する脚の部分がカーブを描いていて、体重移動に合わせてゆりかごのように前後に揺れる木製のチェア。オフィスチェアのロッキング機能の名称もそこから来ているといわれています。
対してリクライニング機能とは、recline(もたれかかる)に由来し、車や飛行機などの座席のように、レバー等で背もたれの位置を好きな角度で固定できる機能をいいます。
オフィスチェアにはこのロッキング機能とリクライニング機能の両方を兼ね備えたものが、多く出回っています。
ロッキングとリクライニング、おすすめはロッキング
ロッキングとリクライニング、2択の場合におすすめなのはやはり、ロッキングでしょう。
どちらも背もたれが倒れる機能であるため、同じように思われがちな2つですが、リクライニングは映画館や車といった体を動かすことの少ないシーンに向いている機能です。
長時間のデスクワーク等に使うオフィスチェアの場合には、体を好きな時に動かせるロッキングの方が使い勝手や健康面においても嬉しい機能と言えるのではないでしょうか。
レバーで調整するタイプが一般的
リクライニング機能においては、座面下のレバーで調整するタイプが主流ですが、背中を押し付けて傾けるだけ、というものも存在します。
また、「ロッキング強弱調節機能」については、ついているのに使っていないという方が大半なのだとか。こちらはダイヤル式になっていて、ロッキングの強弱を調節できるもの。座り心地がかなり違ってきますので、調整してみてはいかがでしょうか。
座り心地においては機能が多くついているほど、その良さを実感できることは想像ができますね。座る人の体型もさまざまなことから、できれば調節機能は備えておきたいもの。
予算内でどの機能をつけるか、できれば試座をしてセレクトするのがオススメです。中古も選択肢に入れるといいかもしれませんね。
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