生活の中のさまざまなシーンで必要となる接着剤。誰しも2~3種類くらいは、所有しているでしょう。金属やプラスチック、ゴムといった、くっつけるものによって種類が異なることくらいは知っていますが、接着剤にはどのくらいの種類があるのでしょうか。また、普段私たちが知らない用途には、どのようなものがあるのでしょう。これまであまり知られていない、接着剤について探ってみましょう。
<目次>
接着剤といっても、実はさまざまな種類がある
接着剤の種類は500もある?
瞬間接着剤や、のり、ボンドなど身近にもいくつかの接着剤を見かけます。でも、現在使われている接着剤の種類は、500以上あると言われています。どんな接着剤を使うかは、接着する素材同士、また環境などを考慮して選ばなければなりません。
○接着剤の主な種類
種類 | 特徴 | 用途となる素材 |
---|---|---|
水溶性接着剤 | ・水溶性で使いやすく安価 ・水に弱いので濡れると取れる ・固定まで時間がかかる |
木工品・布・紙等 |
ゴム系接着剤 | ・湿布後しばらくたって粘着力が出た時点で強い力を加える ・乾いた後柔軟性が出る ・硬質性のものには向かない |
ゴム・木・布・皮・ビニールとゴム |
エポキシ系接着剤 | ・化学反応によって硬化 ・硬化時間は5分~30分 ・耐熱性・耐水性・耐油性に優れ、強力 |
金属・ガラス・陶磁器・タイル・コンクリート等 |
シアノアクリル系 | ・瞬間接着剤 ・凸凹面は接着できない ・ひねりに弱い |
ガラス・金属・陶磁器・プラスチック |
シリコーンゴム系 | ・人形等特殊製品の接着に使用 ・接着時間は20時間以上 ・防水性がある |
シリコーンゴム |
プラスチック系 | ・非常に種類が多く、それぞれに適したものを要する | ABS樹脂・ポリカポネード・ナイロン・アクリル・硬質塩ビ・飽和ポリエチレン・ポリプロリレン等 |
宇宙船にも接着剤?
接着剤は、リベットやボルトに比べて全体の重量を軽くでき、広い面で接着するために強度も上がります。スペースシャトルやロケット、飛行機も今や複合素材を組み合わせて作る時代。異なる素材を貼り合わせるために、高度な技術で開発されたさまざまな接着剤が使われています。宇宙空間を飛行する際には、とんでもない圧力や高熱が襲いかかります。それらに耐え負荷を吸収するよう、最高峰の科学技術から生まれた接着剤が宇宙開発を支えているのです。
金属に使うならこの接着剤!
金属専用の瞬間接着剤もある
ドイツのヘンケル社から出されている金属専用の瞬間接着剤は、金属の他に硬質プラスチックや合成ゴムなども接着することができます。ハイスピードで乾燥するのが特徴で、乾いた後は耐水性があり、振動や衝撃にも耐えます。一方でポリエチレンなどの軟質性プラスチックや、皮素材のものには向きません。販売価格は20g入りで700円前後。ユーザーの評価も高く、特に強度については満足した声が多く聞かれます。
航空機にも使われてる!スイス発強力接着剤
スイス・チバガイギー社からは、エポキシ系の強力接着剤が販売されています。世界各国の電機、自動車、航空機などの先端技術分野で信頼を得るほどに優秀。金属以外では木、ガラス、石、コンクリート、皮革、熱硬化プラスチックなど幅広い用途に使えるのが特徴です。また、充填剤としても利用ができ、ひとつあると思いがけない場所で重宝しそうです。低温では硬化しないため、18度以上での利用が推奨されています。こちらは、2つの物質の化学反応によって接着する方式。A剤とB剤がそれぞれ30gずつ入って900円前後となっています。
プラスチックやゴムに使うならこの接着剤!
プラスチック専用 強力ジェルタイプ接着剤
3Mが開発したプラスチック専用のジェルタイプ接着剤は、プラスチック同士、プラスチックと異素材を強力に接着できます。ジェル状で液だれがなく、垂直面の作業も可能。乾くとかなり透明化するため、はみ出しがあまり気になりません。ほとんどのプラスチックに使えますが、軟質塩ビ、発泡ポリスチレンには使用不可。液状の瞬間接着剤とは本質的に異なるため、乾燥時間がやや長くかかるので、時間に余裕があるときの利用がおススメです。価格は30g入りで600円前後です。
プラスチック接着において最強商品が出現
武藤商事からは、プラスチックの接着剤として最強と評判の高い商品が販売されています。厳密には、2種混合タイプの「 造形補修剤」。単に接着するだけではなく、欠けたり穴の開いた場所の修復や再生に使用します。造形補修材は接着剤のようにその部分を密着させたり、つなげるという方式とは少し異なっています。その部分を溶着補修、つまり溶かしてから固めるという作業となります。つぶれたネジ山の再生も可能で、用途の幅が広いのが特徴です。硬化後は樹脂になり、振動や衝撃に耐えます。硬化が速く、修復当日のうちに研磨や塗装、メッキができるというのも魅力です。価格は10mlの液体と5gの粉末の構成で、1700円前後とやや高めです。
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