オフィスのインフラや、飲食店の備品としてティッシュペーパーの購入を考えているあなた、これトイレットペーパーで代用できたらもっと安くお得になるのではと考えたことありませんか。できるだけ金額を抑える意味でも、安くなる方をなるべくたくさん購入したいですよね。同じような紙なのだから、どこかで代用はできないものでしょうか。ここでは、知っているようで実はあまり知らない、ティッシュペーパーとトイレットペーパーの違いや値段比較について見てゆきます。
<目次>
本当にお得なのはやはりトイレットペーパー
ティッシュペーパーとトイレットペーパーの値段を比べようとしても、カタチが違うので単純には比較しづらいものです。
ここでは
- 一般的に販売されている価格
- 実際に使用する時の価格
の2つの視点で比較してみたいと思います。一度の出費を抑えたいなら「販売価格」を本当にお得に買いたいなら「使用価格」を参考にすると良いと思います。
購入価格はティッシュペーパーの方が安いが、面積あたりはトイレットペーパーに軍配
売っているティッシュペーパーとトイレットペーパーの価格を単純に比べると、ティッシュペーパーの方がトイレットペーパーよりも安い傾向にあるみたいです。
ティッシュペーパーは、枚数、つまり組み数によって価格が決まります。ティッシュペーパーの場合は、箱数が同じように見えても一箱あたりの枚数が違っています。目玉商品となるコンパクトなものは、160組(2枚組)のことが多いようです。
価格としては160組320枚5箱だと200円台のものが多いような気がします。
一方でトイレットペーパーを選ぶ際、最初の選択肢はダブルかシングルかというところでしょう。企業で利用する場合、ダブルは減りが早いためあまり好まれないようです。
同じシングルで価格が異なる場合には、ひと巻分の長さもチェックしてみてください。同じシングル12個パックでも1ロールあたり50mと90mでは、価格がほぼ2倍となります。
販売されているものの主流は、シングル60m、ダブル30mまたはシングル50m、ダブル25mのようです。
1㎡あたり価格の比較 | |
---|---|
ティッシュペーパー | 7.4円 |
トイレットペーパー | 5円 |
トイレットペーパーとティッシュペーパーでは紙質などが異なるため、一概には比較ができません。が、単純に1㎡あたりの値段を比較したところ、トイレットペーパーが5円、ティッシュペーパーが7.4円となりました。、面積あたりの価格ではトイレットペーパーの方がかなりお得と言えます。
実際に使う時にはティッシュペーパーとトイレットペーパーではどちらが安いの?
前述の1㎡あたりの単純比較例を考えても、ティッシュペーパーはトイレットペーパーよりも割高な感じです。なんとなくトイレットペーパーの方が安そうに感じますが、本当にそうなのか実際に見てみましょう。
例として鼻をかむことを想定してみると、トイレットペーパーはミシン目で1回分として、1パック12ロールでは2700回以上利用することができます。ティッシュペーパー200組を使ったとしても、5箱で1000回ですので、やはり価格的にはトイレットペーパーにはかないません。
とは言え、実際問題としてはミシン目でいちいち切り離して使うというのは、考えにくいものです。トイレットペーパーをティッシュペーパー代わりにする場合、大体は中の芯を抜いて真ん中から引き出すようにして使います。引き出しやすいがために、余計に量を使ってしまうことは十分に考えられます。そこで多めに使っても、トイレットペーパーの価格の安さと量の多さに軍配は上がりそうです。
しかし見た目のイメージや質、ティッシュボックスの利便性を考えてみた時に、どちらを選択するかは環境によるのではないでしょうか。スタッフが多く、出来る限り消耗品費を抑えたいというのであれば、トイレットペーパーを鼻をかむ用途に置くということもひとつの手段です。
ティッシュペーパー、トイレットペーパーそれぞれにある高級品事情
やっぱりトイレットペーパーの方が安いからと言っても、質の違いは気になってしまいますよね。じゃあ、それぞれ質の高いといわれる高級品はどうなんでしょうか。
石川県の通販サイトで限定販売されている特殊なティッシュペーパーは、何と一箱5,250円。詰め替え用が付いているとは言え、日常で利用できるものではありません。また、市販されている商品の高級ラインでは、2箱で3,000円というハイクラスものが販売されています。アマゾンでは黒い紙のティッシュペーパーが1箱500円。一般的にスーパーなどで売られている花粉対策用の柔らかなティッシュペーパーは、250円~300円程度が相場です。シーズンによってはお客様用に、少量の配置があって良いかもしれませんね。
ハイクォリティを追及した商品は、トイレットペーパーの世界にもあります。皇室献上品を謳い文句にしている商品は、3ロール5,000円です。その他では8ロールで1,980円、6ロールで1,000円などがあります。一般小売されている商品では、4ロール300円台というあたりがプチ高級志向と言えるかもしれません。いずれにしても高級ホテルならばともかくも、一般オフィスや企業ではちょっと手の届かない価格ではあります。
結論としては、特別な状況でなければトイレットペーパーの高級品はお勧めしません。価格をできるだけ抑えるのであれば、使用に関してそれほど気にならないトイレットペーパーは安価なもので十分でしょう。必要に合わせてティッシュペーパーの高級路線を来客用に少量準備し、スタッフ用にはトイレットペーパーで代用するか、ティッシュペーパーのお買い得品を購入すると良いでしょう。
掃除に使う場合は、用途に合わせた使い分けを
トイレットペーパーとティッシュペーパーの代用は、鼻を噛むためというより汚れや床が濡れた時の掃除としての考えが多いのではないでしょうか。やっぱり鼻を噛むならティッシュが良いですよね。では掃除などの時にはどっちがオススメなのでしょう。
シチュエーション | ティッシュペーパー | トイレットペーパー | 掃除 | メリット ・水濡れに強いのでトイレや水回りなどの掃除にも使える ・応接室やオフィスに置いても見た目が良い ・比較的ボロボロになりにくい デメリット ・価格が割り高 ・大量に使う際、箱から取り出すのが手間 ・水に流せない |
メリット ・惜しみなく使うことができる ・一度に大量に引き出すことができる ・汚物の処理の場合、トイレに流せる デメリット ・応接室やオフィスの景観を損なう ・水濡れに弱いのでトイレや水回りには向かない ・ボロボロになりやすく、散らばりやすい |
---|---|---|
脂取り・顔や手の清浄など | メリット ・見た目が良く抵抗感が少ない ・繊維にハリがあるのでしっかりとふき取れる デメリット ・品質によって固さを感じる場合がある |
メリット ・皮脂や汗を吸いやすい ・惜しみなく使える デメリット ・肌にくずが付きやすい ・見栄えが悪く抵抗感がある |
小物拭き(メガネなど) | メリット ・引き出しやすいので咄嗟に使える デメリット ・レンズなどに微細な傷がつく場合がある |
メリット ・当たりが柔らかい デメリット ・耐久性がないのでボロボロになることがある ・水分に弱い |
以上の比較から考えると、清掃用として水回りに配置する際は、ティッシュペーパーとトイレットペーパーの両方を準備しておくのが理想的です。ティッシュペーパーの耐久性は、少しくらいの水濡れならば雑巾代わりとなるため役立ちます。片付けるものによっては、水に流したい場合もあるためトイレットペーパーの出番となるかもしれません。
人目につくオフィスや来客室には、やはりティッシュペーパーの方が出しっぱなしでも気にならないでしょう。机の上、PC上の軽いほこりや灰皿の周りなど、気になった時いつでも手軽に使うことができます。トイレットペーパーを置くのであれば、カバーをかけたり、普段は戸棚にしまうなどの配慮が必要となります。こすって清掃するものについては耐久性がないので、かえって散らかってしまう可能性もあります。
ティッシュペーパーとトイレットペーパーには実は素材に大きな違いが
価格の違いや用途の向き不向きなどありましたが、そもそも一見同じに見えるティッシュペーパーとトイレットペーパー、実は材質にかなりの違いがあります。
大きな違いは水に強い素材かどうか
ティッシュペーパーの主な用途は、化粧落としや鼻をかむことです。こすることでボロボロになったり、水分にあたって簡単に破れてしまうと、役に立ちません。そのため、バージンパルプと耐水繊維をすいて作っています。要するに水に触れても簡単には崩れないように作られているのです。
トイレットペーパーの一番の問題点とは、トイレ詰まりです。このため、トイレットペーパーは水にあたることで溶けてドロドロになります。この状態には、汚水処理場で処理しやすくなるという利点もあります。トイレットペーパーは繊維のあるバージンパルプは使わず、ほとんどが再生紙です。
ティッシュペーパー | トイレットペーパー | |
---|---|---|
材料 | 主にバージンパルプ | 主に古紙からの再生紙 |
耐水性 | あり・水に溶けない | なし・水に溶ける |
加えるもの | 樹脂 | でんぷん |
特徴 | トイレで使えない | ぼろぼろになりやすい |
【豆知識】ティッシュペーパーとトイレットペーパーの歴史の違い
ティッシュペーパーは最初、脱脂綿の代用品として開発されました。時代は第一次大戦のさなかです。さらに厚手で吸収性を高めたものが、防毒マスクのフィルターとして作られていました。戦争が終わった後、在庫が残っていたものを利用してメイク落とし用に販売されたのが、現在のティッシュペーパーです。1924年、「クリネックスティシュー」として誕生しました。以降、ティッシュはハンカチ代わりとしても、爆発的に普及していったのです。
登場は1300年ほど前の中国と言われています。6世紀頃富裕層や王族などの間で広まり、それが一般にも利用されるようになりました。14世紀頃にはすでにトイレ用の紙が生産されていたと言いますから、中国はトイレットペーペー先進国だったのです。
他の国ではなかなか紙の使用が広まらず、ヨーロッパでは16世紀になって一般的ではなかったと言います。日本では戦国時代になって紙の使用が始まりました。
現在のようなトイレットペーパーは、1857年にアメリカで発売されたものです。日本には明治維新後に西洋文化と共に入ってきました。が、昭和の時代、水洗トイレが本格的に普及する前には、四角いちり紙を使っている家庭が多かったようです。
トイレに流せるティッシュもある!代用もできなくはないが…
元々はその用途のために、水に溶けないのがティッシュペーパーの特質でしたが、最近ではトイレに流せるタイプの物も販売されています。材料はバージンパルプなどではなく、ケナフ等の非木材紙です。バージンパルプに比べて高くなるためあまり目にしませんが、公共のトイレなどでも使えるのでひとつあれば便利ですね。
もし質にこだわらないならトイレットペーパーでティッシュの代用はあり
トイレットペーパーをティッシュ代わりに使うことのメリットとしては汚れ物を流すことができるなどが上げられますが、最大の利点は、なんといっても低価格であることです。花粉の時期などで、たくさんの人がティッシュペーパーを使う場合には、より安価なトイレットペーパーで代用できれば経済的です。カバーをかけるなどして、普段から身近に使っている人もいるのではないでしょうか。乾いた場所であれば惜しみなく使えてお得ですね。汚いものをぬぐった場合はトイレに捨てる事もできます。
反対にトイレットペーパーをティッシュ代わりに使うことのデメリットとして挙げられるのは、鼻をかんだときに紙の繊維が崩れて切れ端がつきやすいことと、肌触りが悪いことです。用途が異なるために、トイレットペーパーはティッシュペーパーほどなめらかに作られていません。何度も顔をこするうちに、肌荒れを起こす恐れがあります。また、お部屋の中にそのまま置くのは見栄えの点で抵抗があるという人も多いようです。
ティッシュペーパーをトイレットペーパーの代わりに置く意味はやっぱりない
ティッシュペーパーの良い点は、トイレットペーパーよりも耐性があることです。しなやかな肌触りでも破れずに使うことができます。またバッグなどに入れていることが多いので、いざというときに使うことができます。
逆にティッシュペーパーをトイレットペーパー代わりにすることの最大のデメリットは、トイレに流せないということでしょう。公共のトイレを利用した場合に、これくらいならばと流す人もいるようですが、やはり設備上好ましくありません。備え付けの紙以外は流さないように、との注意喚起がされている場所がほとんどです。企業のトイレに置く場合、水に流せるティッシュペーパーはさらに価格が高くなるので、トイレットペーパーの代用とする意味はまったくなくなります。
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