万年筆を使ってみたい、と思っても価格が高そうだし、なかなか手が出ないという人もいるでしょう。初心者向けの万年筆は、どこに気をつけて購入すれば良いのでしょうか。 ここでは初心者でも安心して万年筆に挑戦できる選び方や、おすすめのメーカー、万年筆のペン先の太さ、インクのタイプなどについてご紹介していきます。
<目次>
初心者のための万年筆の選び方:メーカー編
有名メーカーでも低価格路線がある
万年筆、といえばモンブランが有名ですが最低クラスでも5万円程です。いきなり初心者が使いこなすのは、ハードルが高すぎますね。世界中に知られる万年筆メーカーにも、初心者向けの低価格商品を開発・販売するところはたくさんあります。
名品が多いドイツのメーカー、ペリカンやラミーでは低価格ながら高品質の万年筆も扱っています。ドイツでは早くから万年筆に慣れさせるので、子どもが最初に手にするものとして力を入れています。正しく持つ位置を覚えやすく、扱いやすい工夫がされています。
ビギナーにおすすめ国産万年筆も続々
日本ではパイロットが低価格の万年筆を打ちだし、ブームの先駆けとなっています。子どもから大人まで、ライトに使える万年筆は、先にあげたドイツメーカーを十分に研究して作られています。元々パイロット社のペン先は、日本語にマッチしていると定評があります。まずは最初の一本として、ボールペン代わりに使ってみると良いでしょう。同価格帯でプラチナからもビギナー向けの万年筆が出ています。インクの固まらない設計を採用し、カートリッジを付けて一年放置しても使うことができる画期的な商品です。万年筆の泣き所を良く押さえています。セーラーからはずばり「初めての」とネーミングされた万年筆が。こちらは先の2メーカー品よりやや高めの価格ですが、ペン先が二つとカートリッジインクが3本付属しており、万年筆らしさを存分に味わえると高評価です。
初心者のための万年筆の選び方:ペン先と線の太さ編
本格万年筆のペン先はゴールド
いわゆる高級万年筆のペン先は、しなやかにしなりやすい金が使われています。ペン先には14金・18金・21金を表す記号が表示されています。これが、万年筆が高額になりやすい理由のひとつとなっています。最近はスチール製・金メッキといったペン先が、エコノミー版に利用されています。丈夫でこだわりなく使えるので、万年筆に慣れる第一歩としては問題ありません。ペン先はニブ、とも呼ばれていますが、大きさやかたちで書き味が変わります。ペン先のわん曲が鋭いものは硬い感覚となり、なだらかな形は柔らかい感じの書き味です。
線の太さはメーカーによって種類数が違う
文字幅を表す線の太さは、多いメーカーではスタンダードでも7種類以上もあります。一般的には、EF(極細)、F(細字)、M(中字)、B(太字)がそろっています。初心者におすすめは、EF(極細)かF(細字)。中字以上では文字に存在感がありますが、主に署名に使われます。悩んだら、ビジネスや一般文書など汎用性が高いF(細字)が良いでしょう。手帳での利用が多い人は、EF(極細)でも構いませんが、カリカリとした書き味が多いようです。このサイズには特に規定はありません。海外製品の場合、細字と思って購入したら、日本の中字ほどの太さだったということも良く聞きます。日本製の方がより、文字幅が細めと覚えておくと良さそうです。
初心者のための万年筆のインクの選び方
まずはカートリッジから始めるのが無難
万年筆のインクによる違いは、吸入式、カートリッジ式、カートリッジとコンバーターが使える両用式の3方式です。吸入式は、伝統的で本格派のイメージがあり、最高級万年筆には吸入式しかないシリーズもあります。が、インクの補充に手間がかかり、扱いになれていないとかなり面倒です。ただでさえ万年筆に対して敷居が高いと思われる向きには、おすすめできません。カートリッジは、コストパフォーマンスは悪いのですが、外出時でも簡単に交換できるので安心です。また、低価格帯の万年筆はほぼ、扱いの簡単なカートリッジ式となっています。
両用式ならカラーインクも楽しめる
カートリッジの難点は、色のバリエーションが少ないことです。ほとんどのメーカーではブラック、ブルーブラックといったオーソドックスなカラーのみとなっています。カートリッジ式の万年筆の多くは、コンバーターとの差し替えが可能です。万年筆の扱いにもなれ、カラーインクに興味が出てきたり、割安なボトルインクを使いたくなった場合には、コンバーターと差し替えてみましょう。カートリッジ式の万年筆によっては、最初からコンバーターがセットになっているものもあります。付帯されていない場合でも、別売りで手に入れられます。コンバーターはモデルによっても異なるため、メーカーに確認してから購入するようにします。また、カートリッジ式万年筆でも、コンバーターに対応していない機種もあるため、注意が必要です。
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