万年筆を使い慣れてくると、カートリッジ型のインクでは物足りなくなってきます。万年筆の本数が増えたら、色々なカラーの使い分けを 楽しみたいですね。ボトルインクは、豊かなカラーバリエーションが魅力です。カートリッジインクでは望めない、微妙な色彩がそろっています。ここではおすすめのボトルインクと、その使い方、使い切る工夫についてご紹介していきます。
<目次>
万年筆のボトルインクならこれがおすすめ
ボトルインク一番人気はブルーブラック
ボトルインクというと多彩なカラーを思い浮かべますが、一番人気は意外にもオーソドックスなブルーブラック。トメやハライなどがくっきりと見えながらも、フォーマル文書にも適しているため日本ではとても需要があります。黒に近い濃い色ですが、メーカーによって微妙に青色が異なり、乾くと美しさが際立ちます。おすすめは発色の濃淡が特徴的なセーラー。インクフローがなめらかで筆記しやすく、長年のファンが多いインクです。ウォーターマンの「ミステリアスブルー」という幻想的な名前のインクは、粘度が低いため万年筆に優しく、メンテナンスの回数が少なくてすみます。速乾性に優れるパーカー、耐水性、耐光性に優れる古典インクのペリカンもおすすめです。
画期的!ミックス可能なインクも登場
メーカーそれぞれの色合いと、おしゃれな容器もボトルインクの楽しみです。ペリカンの「宝石」と名されたボトルインクのカラーには、ひとつひとつ違う宝石名がついています。美しいボトルとロゴもおしゃれで、つい集めたくなります。万年筆の王様モンブランのインク瓶は、靴のような独特の形をしています。ラベンダーパープルなどカラーについても、独自のこだわりを感じさせます。ひと味違うカラーインクの使い方をしたいのであれば、プラチナから発売されている、画期的なミキサブルインクがおすすめです。常識を打ち破った混色可能インクで、オリジナルカラーを作成できます。色調節がしやすくなる、インク調合キットもあわせて販売されています。
ボトルインクから万年筆にインクを入れてみよう
吸入式万年筆にボトルインクを入れる
最近は手軽なカートリッジ式が一般的になってきましたが、万年筆の王道は吸引式という人もいます。丁寧に吸引させている時間が、落ち着くので楽しいという愛好家も。吸入式万年筆へのインクの入れ方は次の手順で行います。
- 万年筆のペン先と反対側にある、ノブを回してピストンを下げる
- ペン先を完全にインクの中に浸す
- ノブを回してインクを吸い上げる
- いっぱいになったら、インクを数滴戻す
- ペン先を上に向けノブを回すとインクが中に入る
- ペン先のインクを毛羽のない布、柔らかい紙で良くふき取る
万年筆の仕様によって、ノブではなく吸入レバーの場合があります。また、ノブの回す向きについては、必ず説明書を確認してください。インクボトルにペン先を浸す際には、瓶の底に当てないように気をつけます。
コンバーター式万年筆にボトルインクを入れる
コンバーターはカートリッジ式の万年筆でボトルインクを使いたい時に、カートリッジの代わりに装着して使います。コンバーターへのボトルインクの入れ方は、次の手順で行います。
- カートリッジを外し、コンバーターを装着する
- ペン先を完全にインクの中に浸す
- ノブを回してインクを吸い上げる
- いっぱいになったら、インクを数滴戻す
- ペン先を上に向けノブを回すとインクが中に入る
- ペン先のインクを毛羽のない布、柔らかい紙で良くふき取る
コンバーターにもノブを回す方式や、レバーを引く方式があります。コンバーターはメーカーや品番によって異なるので、カートリッジと取り換える際には、良く確認して正しいものを装着してください。
ボトルインクを最後の一滴まで使い切りたい
100円ショップのグッズをボトルインク用に
ボトルインクは、カートリッジよりも割安でお得ですが、最後まで使えなければ逆に割高ということに。一滴もムダにせず使い切りたいものですね。次回のインクも同じものであれば、わずかな残りは新しいボトルに移してしまえます。すっかり使い切りたいのであれば、注射器やスポイトを利用しましょう。100円ショップで売られている、化粧水を移しかえるためのグッズが役立ちます。空のカートリッジに入れたり、ピストン式の万年筆ならばペン先から染み込ませて使います。インクの消費期限は3年と言われています。粘度が高くならないうちに、使い切りましょう。
買う時の容量・ボトルの形状にも注意
自分のインクの消費量を日頃からチェックし、良く考えた購入が大切です。大型のボトルは80ml入りですが、60ml、30mlなど容量の違うインクが出ています。パイロットの色彩雫シリーズは、期間限定で20mlや15mlなども販売されています。また、ミニボトルを3本セットで販売している店舗もあります。カランダッシュのインクボトルは斜めに傾いているので、最後まで使い切りやすい設計です。残りが気になるのであれば、購入の時に形もチェックしておきます。
また、万年筆側にも比較的少ない量を吸入しやすいものと、そうでないものがあります。シェーファー吸入式万年筆はインク量がわずかでも吸い取って入れられます。いくつか試してみて、吸い取り専用の万年筆を見つけて置くのもひとつの手段です。
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