万年筆をきれいに使いこなしている人は、大人の社会人としてイメージアップします。でも日頃ボールペンを使い慣れていると、上手に文字を書くのが難しそうにも感じますね。ここでは万年筆を使う際の美しい文字の書き方やインク補充など、迷いがちな万年筆の扱い方についてご紹介していきます。
<目次>
万年筆で字をきれいに書くコツ
万年筆とボールペンの違いは「力」
ボールペンは誰が書いても、文字の線が同じような太さになります。ボールペンの場合、ペン先にボールが入っていて、くるくると回転しながらインクを転写するつくりとなっています。そのため、ある程度筆圧をかけなければ文字が書けません。それに対して万年筆は軸の中に入っているインクが芯についている細い溝を伝って、ペン先に届きます。粘度の低いインクが常にタラタラと流れている状態、と考えれば良いでしょう。万年筆に力をまったく入れなくても、ペン先を紙に置いただけでインクが伝わるのは、このようなしくみとなっているからです。
筆圧と角度に注意
ボールペンと同じように力を入れると、万年筆の文字のラインはムダに太くなってしまいます。流れるような筆致こそ万年筆の持ち味。ボールペンで書くときよりもリラックスするのが、第一のコツと言えます。さらに万年筆のペン先はボールペンと異なり、向きがあります。ペン先はねじれがなく、正面の状態で紙に接するように持ちます。また、ペン先が紙に対して垂直に近いほど、細いラインになりかすれてしまいます。およそ55度の角度で紙に当たるのが理想的。ボールペンよりもやや寝かせ気味を心がけてみてください。
○万年筆で気を付けるポイント
- 力を入れない
- ペン先が正面となるように持つ
- 万年筆を立てすぎない
カートリッジ式の万年筆のインクを補充するコツ
簡単便利なカートリッジ式なら初心者も安心
インクタンク型の万年筆と比較すると、扱いがかなり楽なカートリッジ式。万年筆初心者にはぴったりです。カートリッジの装着は万年筆に差し込むだけですが、ポイントを知っておくと安心です。カートリッジはきちんと差し込むことで、先端に穴が開き、万年筆にインクが流れるしくみとなっています。そのため、斜めになったり逆になるとうまく入りません。
- カートリッジの差し込む向きを確認
- 正しく真っ直ぐ差し込む
- しっかりと押し込んで先端まで入った感覚をつかむ
- ペン先を柔らかい紙に包んで軽くふる
- 少し置いてもインクが出ない場合にはカートリッジの中央部分を軽く押す
カートリッジ交換時はインクこぼれに注意
インクがなくなった時には、カートリッジを交換しなければなりません。万年筆内にインクが残っていると、カートリッジを抜いた瞬間に飛び散る可能性があります。交換時の操作はインクがこぼれないよう、ペン先を上に向けて行います。万年筆もインクが中で固まったり、汚れで書き味が悪くなったりすることがあります。カートリッジの交換時にお手入れをすると、いつまでも快適に使えます。
- カートリッジを抜き、ペン先のついた側をコップなどの水にひたす
- そのまま一日程度浸けたままにする
- 柔らかい布(毛羽のないもの)で水分をふきとり乾かす
- 新しいカートリッジを装着する
コンバーター式の万年筆のインクを補充するコツ
色インクも楽しめるコンバーター式
カートリッジインクはあまり色数がなく、ブラック、ブルーといった定番色も画一的です。ボトルインクは特に輸入物の色が豊富なので、万年筆でイラストを描きたい人には魅力があります。カートリッジ式の万年筆でボトルインクを使うためには、コンバーターに差し替える必要があります。コンバーターを使う手順は次の通りです。
- カートリッジを取り外す
- コンバーターをしっかり差し込む
- コンバーターのノブを説明書に従って回し、ピストンを下げる
- ペン先をハート穴までインクに浸かるようにインクボトルに入れる
- ノブをゆっくりと回しながらインクを吸入
- ペン先の回りについたインク汚れをふき取る
インクの色替えは混ざらないように
別のインク色に変えたい時には、色が混ざらないように洗浄する必要があります。同じ色を使い続ける場合にも、時々お手入れをするのが理想的です。
コンバーター式万年筆の洗浄は、万年筆の胴体部分やペン先・ペン芯に残っているインクを吐き出させるように行います。
- 万年筆のペン先を水に沈めて水を吸入・排出する
- 上記を数回繰り返し色が出なくなるまで行う
- コンバーターを抜き、ペン先のついた側をコップなどの水にひたす
- そのまま一日程度浸けたままにする
- 柔らかい布(毛羽のないもの)で水分をふきとり乾かす
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