いくつかの大手スーパーチェーンでは、すでにレジ袋の有料化が開始されています。それまで当たり前に渡されていたレジ袋 に対しお金を支払うことについて、当初は戸惑いや反発もあったようです。今ではマイバック持参率も上がり、環境配慮への意識も高くなってきました。メリットが多いと考えられるレジ袋有料化ですが、そこにデメリットはないのでしょうか?逆にレジ袋を無料とするメリットは?ここではレジ袋の有料化について考えていきます。
<目次>
レジ袋の有料化について
エネルギー消費とレジ袋の有料化
レジ袋の有料化について理解が得られた要因には、石油エネルギー消費を抑えるという意味あいがあります。限りある石油資源が原料となっているレジ袋。有料にすることで実質的に使う量を減らし、生産の負担を減らします。また、レジ袋を焼却する際にはCO2が発生すると考えられているため、レジ袋を減らすことが地球温暖化の抑止につながるとも言われています。レジ袋削減を提唱する環境保全センターによると各人のマイバック持参の行動で、日本の家庭で消費される約1.3%のエネルギーが節約できると試算されています。レジ袋を断る人が増えればそれだけエネルギー消費をしないで済むと考えた人が、有料化に賛同しています。
有料化に対する反対意見
一方ではレジ袋を減らしても、環境保全に貢献しないという意見もあります。もともとレジ袋の原料は石油製品を製造する過程であまった部分を使い、コストがあまりかかっていないはず、というのがその主張です。さらに、現在のレジ袋は完全燃焼させたときには、水と二酸化炭素しか発生しないと理論上は言われています。焼却時に有毒ガスの発生しないポリエチレン製のレジ袋は、ゴミ袋としても優秀。リユースの代表とされているほどです。わざわざ同じポリエチレン製のゴミ袋を購入するのであれば、レジ袋を減らす理由はないということなのです。
レジ袋の有料化のメリット&デメリット
環境意識の向上とコスト削減効果?
レジ袋を有料化することとして考えられるメリットには、次のようなものが挙げられます。
- マイバックを持参することによる各人の環境に対する意識向上
- レジ袋の生産・購入・搬送・管理コストの削減
- エネルギー消費の削減
- 廃棄・焼却による環境破壊の抑制
逆にデメリットとして挙げられているものには、次のような点があります。
- マイバック購入費用の負担
- 買い物回数が減少し、まとめ買いが増える(自動車の利用増?)
- 店舗型の万引き対策への負担
- エコ対策としての効用が明確でない
レジ袋の有料化による自然環境保護の意味合いは、諸説がありどれも確定的に証明されているものではありません。しかし、増えすぎたレジ袋が安易に廃棄され、自然環境を乱していることだけは事実です。焼却されずに地上や海上に散らばったレジ袋は、時間を経ても溶解に至りません。野生動物や魚の体内からレジ袋が多数発見されています。
○レジ袋の有料化で考えられるメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・環境意識の向上 ・生産時の石油エネルギー消費の軽減 ・店舗側の購入・搬送・管理コスト削減 ・焼却時のCO2発生の抑制 ・廃棄による動植物への影響の軽減 |
・マイバック購入の負担 ・ゴミ袋購入の負担 ・万引き対策への負担 ・環境保全効果が明確でない ・レジ袋を製造する業界への影響 ・まとめ買いが増える |
レジ袋の無料配布のメリット&デメリット
レジ袋削減による各業界への影響は?
レジ袋が無料の場合のメリットとしては次のようなことが挙げられます。
- いつでも気兼ねなく買い物ができる
- こまめな購入につながる
- 弁当・生もの・冷凍食品などの購入が衛生的
- レジ袋の製造に関わる各業界の利益
逆にレジ袋の有料化の理由として挙げられているものが、無料配布のデメリットとなります。
- 廃棄や焼却時の自然破壊
- こまめな購入につながる
- 店舗側のレジ袋購入・搬送・管理コストの増大
レジ袋が無料配布されている場合に感じるメリットは、やはりその利便性です。多くのコンビニでは未だにレジ袋は当然のように無料ですが、スーパーへの買い物と違い、マイバック持参でコンビニに行く人はかなり少ないと思われます。特に仕事途中のサラリーマンや、昼食を買いに立ち寄る人がマイバックを必ず持っているとは、考えにくい状況です。また、レジ袋には広告媒体としての役割もあります。店舗名やメーカー名が記載されたレジ袋は、移動する広告としての効果が期待できます。レジ袋が日常的に利用されていることで、包装業界などの安定収入となっていることも事実でしょう。
○レジ袋を無料配布するメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・消費者が気軽に買い物でき、負担がない ・日常的な購入につながる ・衛生的 ・広告媒体としての役割がある ・包装業界・広告業界への貢献 |
・エコ意識が高まらない ・安易に廃棄され自然破壊につながる ・販売店の購入負担 |
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