ラックとは英語で「rack」と表記する、物を乗せたり置いたりする為の棚のことです。オフィスで必要が生じる場合、その物品のサイズと用途に適したラックを選ぶ事が重要になります。「ラック」「サイズ」と検索すると19インチラックという結果が上位に上がります。ラックには規格があり、これはラックとそこに収納する機器のサイズに関する規格の一つで、その高さの単位は「U」で表記されます。しかしラックの大きさは自由に選びたい、テレビやサーバーに適したサイズを知りたい等、要望は様々です。ラック選びについて、規格や自由オーダーなど知りたい情報をまとめてみました。
<目次>
ラックのサイズ規格は?
EIA規格とJIS規格について
ラックには規格があります。しかしこれは“物を収納するため”の全てのラックではなく、コンピューターサーバーなどのIT関連機器やプロ用オーディオ機器、工場で使用される計測器などの収納を目的としたラックに対する規格です。ラックについて検索すると「19インチラック」が結果の上位を占めます。これはEIA規格と呼ばれるアメリカの電子工業会(EIA)によって定められたラックとそこに収納する機器へのサイズに関する規格です。多くの電子機器メーカーは互換性を上げるためにEIA規格を採用しており、その機器の幅が19インチであるため、EIA規格のラック、幅19インチ(482.6mm)とマッチするのです。
ラックの規格にはもうひとつ、JIS規格という日本の工業製品に関する規格(日本工業規格)があります。JIS規格は、前出のEIA規格の19インチラックに合わせた形で寸法を規格しているので、幅は480mm、19インチが約482.6mmなのでほぼ一致します。JIS規格では長さの単位をインチではなくメートル法で表します。日本人には分かりやすいですね。
しかし、電子機器のほとんどはEIA規格を採用しているため、サーバー等の収納用ラックはEIA規格の19インチラックがメイン商品となっています。
Uって何?サーバーとラックの関係について
EIA規格の19インチラックがサーバーの収納には適していることがわかりました。このラックのサイズについてもう少し調べていくと、アルファベットのUという文字に出会います。これは19インチラックとそこに入っているサーバーの「高さ」を示す単位UnitのUです。1Uは1.75インチ、約44.45mmです。ラックに収納するサーバーの横幅は19インチという規格を採用しているものが多いのですが、高さについての指定はなく、また、機器を積み重ねて収納するため、その個数によって高さが変わります。1Uを基本に、倍数で2U、3U、と高さを選ぶことができます。例えば、高さが3.5インチ(1.75インチの2倍です)の機器であれば(あるいは積み重ねた場合の高さ)2Uのラックを選べば良いことになります。
EIA規格とJIS規格のサイズや単位についてまとめると、以下の表のようになります。
EIA規格 (米国電子工業会規格) |
JIS規格 (日本工業規格) |
|
---|---|---|
幅 | 19インチ (482.6mm) |
50mmの倍数 |
高さ | 1.75インチの倍数 (44.45mm) *1.75インチ=1U |
480mm |
奥行 | 規格なし | 規格なし |
利便性 | 多くの電子機器に対応 | メートル法なのでわかりやすい |
ラックのサイズ指定のオーダーってどうなの?
サイズ指定や自由オーダーが必要なケースとは
オフィスで収納が必要になるケースは様々です。文房具やファイルといった細々とした事務用品から、コピー用紙、インクやトナーなど、多少スペースを要するもの、書類や帳簿の保管場所も必要です。いずれも日々の業務に不可欠で、在庫の管理や出し入れのし易さがポイントになります。このような一般的なオフィス用品の収納としてラックを選ぶ場合、既製品ではなくサイズ指定や自由なオーダーが必要なケースとは、どのような場合が考えられるでしょうか。
- ラックを設置するスペースが既製品では微妙にサイズが合わない
- 収納する物品の大きさや量が既製品では上手く収まらない
- オフィスの雰囲気に合わせた色や形状のラックを選びたい
※1 スチールラックやメタルラックが便利です
あまりコストをかけずに、サイズ指定や自由オーダーを望むなら、メタルラックやスチールラックがお勧めです。横幅、奥行き、高さが数センチ刻みでサイズの指定が可能なため、収納スペースや物品の大きさや量に合わせたサイズのラックを選ぶことができます。オリジナルメーカー、大手ホームセンターや通販サイトなどで取り扱っているので、ウェブからのオーダーや、直接電話での問い合わせにも対応してくれます。メーカーや取扱店によっては色や形状を選ぶことも出来ます。
(サイズの細かさは各メーカーにより異なります)
また、木製のラックも、数センチ単位でサイズの指定が可能です。オフィスの雰囲気や収納物品によっては木製ラックも選択肢として考えられるでしょう。こちらの製品も通販サイトや事務用品専門サイトなどで検索できます。書籍や事務用品などの軽量備品の収納に適しています。
※2 完全な自由オーダーとは。サイズぴったりのラックを注文する
希望のサイズどおりのラックを注文したい、あるいはオフィスの雰囲気に合わせたオリジナルなものを設置したい、このような場合はオリジナルオーダーとして請け負ってくれる業者を選定する必要が生じます。ネットで検索すればオリジナルラックを作成している専門店や代理店を見つけることができますが、普段オフィスの大型備品やレイアウトを依頼している取引先があれば相談するのも良いでしょう。依頼先がきまったら、収納スペースや用途、オフィスの雰囲気にあったデザインなどの条件を相談し、見積もりを作成してもらいます。当然、既製品より金額は高めになりますが、担当者と直接のやり取りが出来るので、要望にあったラックを設置することが可能です。発注担当者は、納得のいく内容と金額で発注できるよう慎重な対応が必要になります。
サーバー用やテレビ用などラックのサイズの選び方は?
サーバー用ラックの選び方
現在、事業の大きさに関わらず、ほとんどの会社や事務所ではコンピューターやそれに関連するIT機器が必要となっています。特にサーバーを保持している場合は、その保管の安全性が必要になるため慎重に取り組まなければいけません。サーバーの保管に関しては専門知識が必要となるため、ここでは基本的な内容とそれに対するラックの選びかたについて説明したいと思います。
(1)サーバーのタイプを確認する
まずは、お使いのサーバーがとのタイプであるかを確認します。サーバーのタイプは大きくわけて2種類あり、ラックマウント型とタワー型があります。そのタイプによってサーバーラックの選択が異なります。サイズに関しては、現在は19インチマウントタイプと呼ばれる、幅サイズ19インチ(482.6mm)のタイプが主流となっているため、サーバー用ラックを検索すると必ず19インチラックが検索結果に表示されます。※「ラックのサイズ規格は?」を参照して下さい。
サーバータイプ | ラックマウント型 | タワー型 |
---|---|---|
形状 | テレビの録画機のような薄い形状 | パソコン本体(四角い箱の部分)のような形状 |
置き方 | ラックに積み重ねて収納 | 据え置きで収納 |
ラックを選ぶポイント | EIA規格であることが多く、19インチラックが適用できる | 奥行が長く、重量があるため、奥行サイズと耐荷重を確認する |
(2)サーバー用ラックのサイズやタイプを選ぶ
サーバーのタイプを確認したら、そのタイプに合ったラックを選びます。
サーバータイプ | ラックマウント型 | タワー型 |
---|---|---|
ラックタイプ | 19インチラック | 収納タイプ:金庫の様なケース型 据え置きタイプ:フレームタイプ |
サイズ | 横幅は19インチ規格が適用されるため、高さ(Unit)で選択 例:9U〜42U |
サーバーの大きさに適したサイズを選ぶ |
形状 | パネルタイプ(四方が覆われている) フレームタイプ(むき出し) |
パネルタイプ(四方が覆われている) フレームタイプ(むき出し) |
(3)その他、注意すべきポイント
サーバーラックを選ぶ時、タイプやサイズ、形状などの表面上の選択肢の他、以下のようなラックの機能性にも注目し、適切なラックを選ぶよう注意しましょう。
- 冷却性能
- 堅牢性
- 耐震性
- その他(セキュリティ、作業性、拡張性など)
テレビ用ラックの選び方
家庭でのテレビ用ラックといえば、「テレビ台」または「テレビキャビネット」などと呼ばれ、木製やスチール製のボックス型ブレーム上にテレビを設置し、ボックス内部に録画機やメディアを収納するのが一般的です。では、オフィスでテレビを設置する場合、どの様なテレビ用ラックが適しているでしょうか?例えば会議室などに見栄え良く設置したい場合は組み込み式のラックなど、大掛かりな工事が必要になりますが、後付けであれば、テレビスタンドと呼ばれるフレーム素材のシンプルなラックが一般的のようです。
【テレビ用ラックを選ぶポイント】
用途と場所 | 会議室:テレビ会議用モニターとして 食堂/休憩エリア:社員の娯楽として |
モニター室/特定の場所:映像の確認など |
---|---|---|
使用する人 | 大勢の人、様々な人が見る | 限られた人だけが見る |
適した置き方 | 固定式または移動式 | 固定式 |
ラックタイプ 名称など |
テレビスタンド、モニタースタンド、 タワースタンド、フレームラック |
テレビスタンド、モニタースタンド、 タワースタンド、フレームラック |
機能 | キャスタータイプ: 可動式で使う場所を移動できる 壁寄せタイプ: スペースを取らず、スッキリと設置したい場合 デジタルサイネージタイプ: 店頭や受付など |
壁寄せタイプ: スペースを取らず、スッキリと設置したい場合 キーボード台付スタンド: パソコンとの連携 |
【テレビ用ラックのサイズについて】
テレビのモニターサイズはインチで規格されているため、テレビ用ラックもそのインチに合わせた商品を選ぶことが一般的です。
- 小型17インチ〜29インチ
- 中型32インチ〜50インチ
- 大型52インチ〜84インチ
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