ドラッグストアの棚には、ヘアケア商品がぎっしりと並んでいます。どれを購入しようかと迷ってしまいますよね。通常はシリーズで、シャンプー、コンディショナー、トリートメントなどがラインナップされています。でも、以前はリンスが多かったですよね。そもそも、リンスとコンディショナー、トリートメントの違いはどこにあるのでしょう。リンス不要のものやリンスインシャンプーなどというものもあります。毎日使うものなのに、意外とよくわからないこれらの商品の違いや特性、使い方について見ていきましょう。
<目次>
シャンプーとリンスの、それぞれの役割について理解する
ヘアケア剤の良い悪いは使い方次第
最近はとても高価なヘアケア剤も売れ行きが良いようですが、使い方を間違えると逆にダメージやトラブルの元になります。
シャンプーの役割は汚れを落とすことにありますが、髪の毛の汚れの元となるのは頭皮。いくらシャンプーを付けて毛の部分を洗っても、頭皮の汚れが落ちていなければ何にもなりません。
正しいシャンプーの順番としては次の通りです。
1.ぬるま湯にしたシャワーで良く髪の毛の汚れを落とす
2.シャンプーを手に取り、なじませてから頭全体につける
3.頭皮を指の腹を使って洗う
4.3分以上シャワーで泡を流す
シャンプーのコツは、「予洗(よせん)」です。お湯だけでも8割の汚れは落ちるといわれています。シャンプーを地肌に直接つける人がいますが、全体に行き渡らず、部分的に固まるのでよくありません。必ず手に乗せて小分けにつけていきます。
洗い方は後頭部から頭頂部に向かう意識で、指で掻くのではなく、押し込むように。地肌にキズをつけると、炎症を起こす原因となります。
洗い流すときには、シャワーヘッドを髪の毛の中まで入れて、内側からよくすすぎましょう。
えっ!リンスの使い方で毛が抜けるかも?
リンスは、シャンプーによって開いたキューティクルを閉め、髪の毛の表面をなめらかにする役割をもちます。従って頭皮ではなく、髪の毛の部分にのみつけるようにするのが大切。
髪の毛にもみ込むようにして付けることで、しっかりと髪の表面をしっかりとコーティングします。
せっかくきれいにした頭皮にリンスがつくと、成分と皮脂が混ざり汚れやすくなります。毛穴がつまっている状態が続くと、脱毛の原因になりかねません。
リンスでマッサージしている人がいますが、これは完全に間違い。わざわざトラブルをまねいているようなものです。「シャンプーは地肌に、リンスは髪の毛に」が基本です。
シャンプーとリンス、コンディショナー、トリートメントは何が違う?
シャンプーはアルカリ性
シャンプーの役割は洗浄です。皮脂汚れを落とすために、シャンプーの多くは汚れを乳化する効果の強いアルカリ性を用いています。髪の毛は、アルカリ性のままではキューティクルが開きっぱなしになり、痛みやすくなります。そこで、キューティクルをひきしめ、髪の表面を保護するため、リンスやコンディショナー、トリートメントが必要となります。
メーカーによって判断が異なるリンス・コンディショナー・トリートメント
一般的にはリンス、コンディショナーは髪の毛の表面に留まって、コーティングの役割を果たし、すべりを良くするとされています。それに対して、トリートメントはもっと内部まで浸透し、内側から補修したり状態を良くしたりします。
しかし、厳密にはこの3つに定義はありません。そのため、メーカーによって解釈がかなり違っています。
下記は主なメーカーのそれぞれの商品についてまとめたものです。
(引用元:違い.com http://chigai.soudesune.net/rinse.html)
メーカー | リンス | コンディショナー | トリートメント |
---|---|---|---|
花王 | 髪の表面に皮膜をつくり、すべりをよくするもの | (リンスと同じ) | 髪の表面から浸透し、髪の状態を内側から整えるもの |
ユニリーバ | 現在取り扱いなし | 髪にうるおいを与え、なめらかでまとまりのよい状態にするためのもの。また、どちらもシャンプーの後、髪に適量をよくなじませてから洗い流すもの | (コンディショナーと同じ) |
資生堂 | シャンプー後の髪になめらかさを与え、髪が乾いたあとも、そのなめらかさとつややかさが持続させるためのもの | (リンスと同じ) | リンス(コンディショナー)よりも効果的に水分・油分を補うためのもので、特に髪の傷みが気になる方におすすめ |
P&G | 現在取り扱いなし | 主に髪の表面をなめらかにしたりコートすることによって、指/くし通りを良くし、ダメージから髪を守るためのもの | コンディショナーの機能をより強化したもの |
ライオン | 毛髪表面に吸着してシャンプー後の髪のすべりを良くするためのもの | (リンスと同じ) | 毛髪内部に浸透して内部から髪の状態を整えるためのもの |
トリートメントは、内部からのケアを目的とし、リンス・コンディショナーは表面に被膜を張るというのが大きな考え方の枠です。実際には、機能的にかなり近いものがあり、トリートメントはケア剤としてより強化された位置づけとされているようですね。
3つを使いこなせば完璧?
シリーズで商品を販売しているメーカーでは、シャンプー・リンス(コンディショナー)・トリートメントはそれぞれ働きに違いがあるため、組み合わせて使うことをすすめています。
毎日の手入れは、シャンプー・リンス(コンディショナー)、それに加えて週2~3回トリートメントを使うことで、ダメージを避けられるとしています。
その場合、使う順番は以下のとおり。
洗浄
↓
補修
↓
コーティング
つまり、シャンプー⇒トリートメント⇒リンス(コンディショナー)の順番です。きちんと順番を知って使えば、より髪を健康的に美しく保つことができるのですね。
めんどくさい人におすすめなリンスインシャンプー
リンスインシャンプーは混ぜたもの?
リンスとは元々は酢や酸を意味しており、アルカリ性に傾いた髪を酸性でもどす役割を指しました。現在はコンディショナーと同義に使われることから、少し意味合いが違いますが、いずれにしても、洗浄するシャンプーとは真逆のもののはず。
それではリンスインシャンプーとは、どういうものなのでしょうか。
普通のシャンプーにリンスを混ぜて使っても、絶対に髪がコーティングされるようなことはありません。シャンプーと共にリンス効果は流れて行ってしまいます。
思った以上に複雑な化学現象を利用した商品
シャンプーの原理はマイナスイオンに帯電し、汚れを髪の毛から引き離します。そこへプラスイオンであるリンスが入ると、髪の毛のマイナスイオンと引き合って表面に留まるしくみです。
リンスインシャンプーの場合は、このリンスの分子を陽イオン高分子にすることで、働きに時間差をつくっています。
分子が大きいと水に溶けるのが遅く、反応も後で起こります。一方シャンプーの分子はリンスよりも小さいため、いち早く水に溶けて汚れを落として流れ去ります。
その後、リンスの分子が水に溶けてプラス反応が起こるわけです。
手軽であっても、リンスインシャンプーのリンス効果はちゃんと働きます。髪が短い人、時短をしたいという人にはぴったりの優れモノなのです。
リンス不要のシャンプーというのもある
リンスインシャンプーとの違い
最近、目にするのが「リンス不要」を謳った商品ですが、これは先のリンスインシャンプーとどう違うのでしょうか。リンスインシャンプーの場合には、シャンプー成分とリンス成分が時間差で働くだけでリンス効果が残ります。
しかし、別々に使うのと違い、リンス効果は髪の毛ばかりではなく、頭皮にも残ってしまうのです。これは、皮膚トラブルの原因となる恐れがあります。
それに対して、「リンス不要」のシャンプーとはシャンプーが与える髪の毛のダメージがなく、リンスの役割であるキューティクルの引き締めが必要ないということ。
通常のシャンプーはアルカリ性ですが、リンス不要のシャンプーは弱酸性であることが多いようです。
リンスのいらないシャンプーおススメ商品
リンス不要のシャンプーは、天然由来やアミノ酸系で、ヒトの身体になじみやすいものを原料としています。おススメの商品をいくつか紹介しましょう。
○リンス不要のシャンプー
メーカー・商品 | 特徴 |
---|---|
HARU | 100%天然由来 以下のものは不使用 シリコン・合成ポリマー・カチオン界面活性剤・石油系界面活性剤・合成香料・合成着色料・鉱物油・紫外線吸収剤・合成防腐剤・合成保存料 |
URUOTTE | 完全オーガニックホホバオイル使用 赤ちゃんにも使用可能 18種類の和洋漢植物エキスが頭皮に働きかける |
エスコス | 天然オレンジ使用 柑橘系リモネンの働きで優しく汚れを落とす 保湿効果がバツグン イチョウ葉エキス、海草エキス配合 |
クリスバン | シルクプロテインの働きでしっとりと洗い上がる ヒアルロン酸・コラーゲン配合 センブリエキス、オタネニンジンエキス |
リンス不要の商品は、どれも頭皮に優しく、かゆみやふけなどのトラブルが改善するという声が多数聞かれます。
これまでのシャンプー&リンスで合わなかった人は、一度試してみる価値がありそうですね。
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