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カッターナイフを使う場合、うっかり机に傷をつけてしまうことがあります。カッターマットを使用すると安心して作業ができますよね。それほどの厚みがあるわけでもないのに、カッターマットはなぜ下まで刃が通らないのでしょうか。ここでは、カッターマットの素材や、大判などのサイズ、用途によっては便利な透明マットなど、カッターマットにまつわる知識を見ていきましょう。

カッターマットの素材ってどのようなものがある?

サンドイッチ型が一般的

通常のカッターマットは、主にプラスチックでできています。表面がやや柔らかく弾力性があるのは、軟質プラスチック素材。内側にカッターで切断されてしまわないよう、硬質プラスチックが挟んであります。材質は塩化ビニール、オレフィン系樹脂などが使われており、それぞれに特徴があります。3層構造となっているのは、反りを防止するためです。また、表面と内側2種類の素材を変えることで、強靭さと平滑など異なる性質を両立させることができます。製造時に高圧プレスで圧着されるため、はがれたり分解することはありません。

塩化ビニール樹脂とオレフィン系樹脂の違いは?

塩化ビニール製かオレフィン製かで価格が異なります。また使用感が多少違うので、それぞれの特徴から購入時に選択をすると良いでしょう。

○材質の違いや特徴

材質 メリット デメリット
塩化ビニール樹脂 ・伸縮性に富み、カッターによる表面の傷跡が目立たない
・製造過程で硬度を自由に変えられ、商品に応じて柔らかさを設定できる
・着色、表面印刷が容易。
・耐熱温度が60~70℃と低く、温度変化で変形しやすい
・低温時はもろくなりやすいため、冬場の作業には注意が必要
オレフィン樹脂 ・耐熱温度が100~120℃と一般的使用程度の温度変化に強い
・強度があり、安全性が高い
・リサイクル性があり環境配慮性に優れる
・焼却時に塩化水素ガス、ダイオキシンがほとんど発生しない
・塩化ビニール商品と比較すると高額
・柔軟性に欠ける
・印刷、接着など二次加工がしにくい

透明なカッターマットってあるの?

透明・半透明なカッターマットならトレースも簡単

最近人気があるのが、デザインやアート、漫画の背景に使うトーンの切り抜きなどに使える、透明なカッターマットです。商品によっては、すりガラスのような半透明なものもあります。表面に完全に透明なシートを、内側に半透明シートを挟んでいる商品は、見た目も穏やかな印象です。光を透過するためトレース台との組み合わせで、自由度が増し作業効率が上がります。サイズもさまざまな用途に合わせて選ぶことができます。マット周辺や全面に方眼罫が印刷されているものも多く、寸法を測りながらのカッティングなどにも対応しています。

透明なカッターマットは日常使いに便利

普通のデスククロスよりも丈夫で、柔らかさのあるカッターマットをデスクカバー代わりにしている人も多いようです。ガラスやアクリルのような冷たさもなく、素材によっては耐熱性も十分なので、非常に機能的です。下にメモ類や図面、データ書類などを入れて見ながら作業を行うことができます。服飾系の業種では、作業台の傷防止対策にカッターマットを利用しているところもあります。気兼ねなく裁断や目打ちができ、図案を挟んでおけるので重宝です。一般的な色つきのカッターマットでは、事務的な雰囲気で見た目が今ひとつ。クリアや乳白色のカッターマットならば、圧迫感もなく、デスク素材のイメージを損なうこともありません。

大判のカッターマットって何に使うの?

特殊業種以外でも需要が多い大型カッターマット

看板施行や服飾系、デザイン、建築設計会社など、広い作業台を利用する業種では、大判のカッターマットが使われています。例としては、ワンピースやロングドレスの型紙を裁断するアパレル関連企業、建築模型の成型などに利用されます。最近はプリンタの価格も下がり、大判サイズの印刷を行なっている会社も増えてきました。一般業種の会社でも、作業用に大判のカッターマットを求める場合があるようです。会議用の大きなデスクにカッターマットを敷き、自由発想でコラージュを行なったり、販促資料を作成するという使い方もあります。

オリジナルサイズを受注している企業も

市販されている大判のカッターマットのサイズは、一般的には次のようなものがあります。

○大型カッターマットサイズ例

  • 1000×2000
  • 1000×2400
  • 1200×2400

この他にも、オリジナルサイズでカッターマットを作ってくれるメーカーも多いようです。サイズの他、素材やカラー、印刷などにも柔軟に対応し、用途に合ったカッターマットを作ることができます。個人宅ではダイニングテーブルサイズに合わせ、子どもが自由に遊べるようにしている家もあります。家具が傷つく心配もなく、鋭利な道具を使っても安心なカッターマットは、サイズ展開することによりさまざまなシーンで利用ができます。

カッターマットがない場合、代用できるものってある?

ざっくりと使うのなら手近にあるものでも

ちょっとした切り抜きなどでカッターを使うというのであれば、捨てても良いものを下敷きにできます。ダンボールや菓子箱などやや厚手の紙、雑誌などが良いでしょう。カッターによって下敷きにしているものも切れてしまうので、厚みには気をつけてください。

○カッターマットの代用品とメリット・デメリット

代用品 メリット デメリット
ダンボール・空き箱など ・惜しみなく使える
・手に入りやすい
・貫通の恐れがある
・刃がめり込みやすくカットが自在にできない
雑誌 ・手に入りやすい
・捨てやすい
・ページが細かく切れるので散らかりやすい
古い下敷き ・細かい作業ができる ・キズがつく
・手元にない場合が多い
アクリル板など ・細かい作業ができる ・高額
・キズがつく
・手元にない場合が多い

繊細な作業にはカッターマットが一番

単にデスクを傷つけたくないというのであれば、代用できるものも多いようですが、力を入れた際に貫通したりサイズが足りないということもあります。本格的な作業であれば、やはりカッターマットが一番です。100円ショップにもカッターマットという名前の商品がありますが、ほとんど1回使うと切れてしまったり傷だらけになります。いきなり半分に切断してしまった例もあるようです。安価なものは、通常のカッターマットのように3層構造になっておらず、厚みをつけている程度です。そのため少し力を入れると、カッターの刃が入り込んで切れてしまいます。カッターのメーカーでは、カッターマットも販売しているところがほとんどです。自社のカッターが使いやすいような開発をしており、安いものは800円程度からあります。
カッターを使う作業が多い場合には、やはり正式なカッターマットを準備しておくことをおすすめします。

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