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紙に穴を開けるパンチ は、オフィスのどこかに必ずある文房具のひとつですね。いざという時に見つからないと、とても不便です。身近な道具のひとつですが、意外とバリエーションが多いようです。デザインや価格など、ここでは普段あまり気にしないパンチに光を当ててみましょう。

携帯できる、コンパクトなパンチがある?

「穴あけ」が付かない「パンチ」が正式名称

会話の中では、「穴あけパンチ」と呼ぶことが多いようですが、正式名称はただの「パンチ」です。他には穿孔(せんこう)機という意味で、バンチャーと呼ばれることもあります。英語圏では「hole punch」。大体どこの国に行っても、パンチで通じるようですね。カード作成などに用いられる装飾用の穴あけパンチは、クラフトパンチです。また、穴を開けずに刻印を押すものをエンボスパンチ、美しいふちの飾りが施されるコーナーパンチなどがあります。ただのパンチと呼ばれるものは、書類をまとめるためにオーソドックスな丸穴が開くものを指します。

穴の数はいくつまである?

元々は千枚通しと同じ用途で、より確実に安全に穴を開けるために開発されました。てこの原理を応用し、少ない力で同じ大きさの穴を開けられるのが特徴です。初期の頃は2穴が主流でしたが、現在ではたくさんの種類があります。

○パンチの穴の数

名称 用途
1穴パンチ 手持ち型もあり。カード用やハトメパンチとの一体型も存在する
2穴パンチ 事務用としてもっとも一般的
3穴パンチ 2穴同様ファイリング用 北米で多く用いられる
4穴パンチ 4穴用バインダーで使われるが、2穴と同規格で互換性がある
6穴パンチ システム手帳用
22穴パンチ コンピューターバインダー用
26穴・30穴パンチ ルーズリーフ用

待望の声に応えて超小型パンチ登場

記憶用のカード・配布資料などにパンチを多用する学生から、携帯でき、邪魔にならないパンチが欲しいという声が多かったといいます。そこで登場したのが、超軽量小型パンチ。幅26.5ミリ×奥行き56ミリ×厚さ22ミリなので一見、修正テープ?と思う人が多いようです。ただ小さいというだけではなく非常に実用性が高く、対応できる用紙はA4サイズからB5、B4、A3、さらにそれ以上というから驚きです。秘密はセンタリング方式。紙を2つ折りにして角を合わせる方法なので、どのような大きさであっても規格にあった位置に穴が開きます。価格も300~500円とお手頃。配布されたプリントなどを、いつでもその場でバインダーにセットすることができます。筆箱に入り、とてもカラフルで見た目も華やか。ひとつ持っていると、予想以上に便利です。

万力型、据え置き型から徐々に進化

最初の頃のパンチは、机に取り付ける万力型でした。現在でも大量の紙に電動で穴を開けるのは、このような形をとっています。一般的にオフィスや学校でおなじみなのは、ガシャンと紙を挟む2穴式でしょう。さらに個人使用に合わせて小型化され、今では100円ショップでも購入できるほど身近になりました。デザインも動物を模ったものなど、ちょっとしたインテリア小物のような商品にも人気があります。1穴式のパンチも、手軽に使えて機動性が高いので根強い需要があるようです。

高級志向な人にぴったりなパンチ

穴あけパンチが1万円!欧州発の高級パンチ

日本製ではこれまでパンチにデザイン性を求めるという発想がなかったようですが、文房具先進国では当たり前のように高級志向に対応する商品が開発されています。ドイツ ツァック社の2穴パンチは1万円前後の価格ながら人気が高く、入荷待ちの状態です。ステンレスの硬質な輝きと、シンプルながらスタイリッシュなボディは、デスクの上に置いても独特の存在感があります。ドイツらしいがっちりとした頑丈なつくりは、長く愛用するために製造されたという印象が伝わります。またスペインのエルカスコ社でもクローム、ゴールドカラーのクラス感あるパンチをそろえています。価格は8,000円から1万円前後です。

やや高めの国産品は3,000円前後

海外品としては、その他イタリアのノヴァス社やスウェーデンのラピッド社が3,000~5,000円のパンチの名品を提供しています。上記の高額商品と比較すると、ややライトな印象ながらも洗練された外観です。国産品はパンチに対しては、高級イメージよりは効率や文具としての機能性を追求している感があります。高めのものでも、3,500円くらい。紙を打ち抜くピンの形に工夫を凝らし、最大35枚までの穿孔機能を搭載しているなど日本らしい商品となっています。ただ、いずれもやはり優美さや高級感というイメージは難しいようです。さらに高額のものは、工具の位置づけとなりもはやパンチという枠から外れる様相となります。

普段使いにはこのパンチがおすすめ

機能性を重視するならばそれなりの価格帯から

重厚なデスクにマッチしそうな高級パンチ、とまではいかなくても、ある程度高い機能性を求めるのであれば1000~2500円前後の商品が充実しています。このクラスでは1度に穿孔できる紙の枚数も表記通りに確実ですし、また穴の美しさにも安心できます。海外品はデザイン的にもおしゃれなものがあります。

○中クラス価格帯のパンチ例

名称 価格 穿孔可能枚数・特徴など
ラピドボイス 1300円 10枚
CARL 4穴 2200円 15枚 木製
MAPED Universal Meta 2625円 25枚
カール事務器 2穴 1500円~ 50枚

パンチ市場は1000円以下に集中

今やちょっとしたプレゼントやノベルティにも使われるほどのパンチには、かなりの低価格商品からあります。あまり紙の処理枚数が気にならないのであれば、100円ショップにも。こちらでは、星形・ハート型に切り抜けるクラフトパンチも人気があります。事務用品として良く購入されているのは500~1000円の商品。コクヨやキングジム、マックス、カールといったおなじみの事務機器メーカーの商品ならば、耐久性にも定評があります。穴の規格がしっかりとしているので、他のメーカーで開けた用紙と混在しても、狂いがありません。手頃な価格の商品であっても、15~20枚といった枚数に対応している商品もみられます。最近は技術の改良によって、かなり小型のものでも比較的力を入れずに相当量の紙が抜けるようになってきています。サイズもさまざまですので、置く場所や収納に合わせて探してみると良いでしょう。

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