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現在では当たり前のように使っている電池ですが、電池が誕生するまでには様々な苦労があり、改良に改良を重ねて今の形になりました。イタリアで誕生した世界初の電池とはどのようなものだったのか、またその後どのような変遷を経て日本に伝わってきたのか。ここでは電池の歴史から変遷、仕組までを詳しく解説していきます。

電池の発明者は誰なのか

電池の発明者は誰?

電池の発明者はアレッサンドロ・ボルタという生物学者でした。アレッサンドロ・ボルタといはどのような人物だったのでしょうか。1745年に生まれ13歳から哲学を学び始めましたが次第に電気に興味を示すようになりました。20歳の頃になると友人宅の研究室に閉じこもって電気にまつわる研究を重ねて24歳の頃には独自の実験で得たデータを基に研究論文を書き上げました。30歳の年には静電気発生装置を発明した事も有名です。その後も貪欲に電気について研究を重ねていき電池の発明に至るのです。

電池はいつ発明されたのか?

私達が普段から何気なく使っている「電池」はいつ何処で誰が発明したのでしょうか。電池の歴史のスタートは1800年にまで遡ります。発明者は先ほども紹介した通りイタリアにて生物学者であったアレッサンドロ・ボルタによって電池が発明されボルタ電池の歴史が始まったとされています。発明の5年前の1795年にボルタはある現象を発見しました。それは亜鉛と銀の板の間に塩水で濡らした紙を挟むと亜鉛と銀の間に電気が発生するという理論です。これがのちの電池の発明の大きなきかっけとなったのです。1800年に亜鉛と銀の板を交合に多数積み重ねていく電堆をつくる事によって強い電流を流すことに成功し、ボルタ電池が誕生しました。

発明当時の電池の仕組みはどういうものか

世界初の電池の仕組みとは?

世界初の電池は現在私達が使っている電池とは全く異なる形状で、長さが50センチほどあり亜鉛と銀の板が交合に積み重なってタワー状の形をしたものでした。電流が流れる仕組みは、亜鉛と銅の2つの電極を使用し、電解液には食塩水を使用します。亜鉛は性質上、電気化学列上で銅よりも高い位置にあるためマイナスの電荷を持つ食塩水と反応します。プラスの電荷を持つ水素イオンは銅から電子を受け取り水素ガスを発生させます。以上をまとめると亜鉛の電極がマイナス、銅の電極がプラスとなり、それぞれの電極を繋げると電気が流れるという仕組みで成り立っています。

今の電池との仕組みの違いとは?

今私達が使っている電池と発明された当時の電池の決定的な違いは大きさと形状です。今では考えられない程大きかった電池が今では数センチというコンパクトなサイズになりました。当時のボルタ電池は食塩水を使って発電させるものでしたが、現在の電池は溶液を使う事はなく亜鉛板と銅板のみで電気エネルギーを発生させる事ができるという点です。発明された当時のボルタ電池は発電力が弱く、ごく微量の電流しか流せないという事でしたが、その後イギリス人のダニエルがボルタ電池の問題点を改善した「ダニエル電池」を発明した事も有名な話です。

電池はどうやって日本に伝わったのか

電池はいつ日本に伝わったのか?

イタリアで発明された電池がその後、どのようにして日本に電池が伝わってきたのでしょうか。日本に電池を伝えた人物とは電池が誕生してから約50年後の1854年に米国のペリーが来日した時に幕府への土産として電池が伝わったそうです。因みにペリーが土産として持ってきた電池は1800年にアレッサンドロ・ボルタが発明したボルタ電池ではなく、ボルタ電池をダニエルによって改良されたダニエル電池と呼ばれるものでした。

日本で使われ始めたのはいつ?

ペリーが土産として日本に持ってきてからすぐに日本で電池が使われ始めたと思っている人が大勢いるようですが、日本で電池が使われ始めたのはボルタが電池を発明してから85年後の1885年でした。日本で使われはじめたのはボルタ電池でもダニエル電池でもなく「乾電池」と呼ばれるものでした。日本で乾電池が普及すると同時に電気製品にも大きな影響を与えました。当時日本で乾電池を使用した電気製品といえば連続電気時計でした。

乾電池の発明者は誰なのか

乾電池を発明した屋井先蔵とはどのような人物なのか?

乾電池を発明したのが日本人という事実はあまり知られていないようですが屋井先蔵という人物によって発明されました。屋井先蔵とはどのような人物だったのでしょうか。1864年に生まれ19歳の時に電池で正確に作動する連続電気時計を発明すると同時に特許を取得した事も有名です。連続電気時計を発明した背景にはとても面白いエピソードがあります。高校受験に遅刻してしまったため試験に失敗してしまい、翌年から年齢制限により高校受験の資格を失ってしまった事が連続電気時計の発明のきかっけになったと言われています。

乾電池はいつ発明されたのか?

・発明された当初のエピソードを紹介
屋井先蔵が乾電池を発明したのは1887年の事でした。当時屋井先蔵は昼間は会社での勤務で夜は乾電池の発明に時間を費やしていたようで、開発前の3年間は平均睡眠時間が3時間程度だったというエピソードもあります。見事乾電池の発明をしたものの当時、屋井先蔵は貧しかったため特許を出願できずにいましたが、発明から6年後の1893年にようやく特許を出願し取得しました。

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