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環境問題への関心が高くなり、レジ軽減のための マイバッグ持参運動が叫ばれています。レジ袋を有料化したり、ポイント付与などでそれなりに効果が上がっているようですが、実際にはどれほどの効果があるのでしょうか。また、石油カット効果やレジ袋に使う石油のコストについても気になります。ここでは、レジ袋を減らすことによる、環境への関わりについて見ていきましょう。

レジ袋をもらわないと、どれだけ「エコ」なの?

レジ袋って何でできているの?

レジ袋を使わないことが、なぜエコにつながるのか詳しく知っている人は意外にいません。レジ袋の原料は、ポリエチレンです。ポリエチレンなどの合成樹脂は石油から作られるプラスチック製品、つまり限りのある地球の資源を使ってできているのです。毎日ひとりひとりがもらうレジ袋はたった1枚かもしれません。国民1人当たりが消費するレジ袋は、スーパーでもらう大型の袋だけならば1年で300枚です。日本国全体で見れば、年間約300億枚。これを原油に換算すると、日本の1日当たりの輸入量である55万8,000キロリットルとなります。現在運行される大型タンカーの積載量は20~30万トンですから、およそ2隻分に相当します。これにコンビニでのレジ袋の利用を加えれば、数字はもっと跳ね上がるでしょう。レジ袋を1枚でも少なくすれば、その分貴重な原油の使用量を減らすことにつながります。

レジ袋を減らすことはCO2の削減にも寄与

スーパーでもらってきたレジ袋は、どんな運命をたどるのでしょうか。大体は、そのまま廃棄されるか、ゴミを入れて集積場に出しますよね。家庭ゴミの6割を占めるのは、包装紙や容器だと言われています。レジ袋はその筆頭です。いくら中味を詰めているからと言っても、結局は捨てられていることに変わりはありません。レジ袋に詰めたゴミを、さらに大型のごみ袋に入れて出している人も多いのでは?レジ袋が焼却されることによってCO2が排出されます。2重3重になったゴミ袋としての、レジ袋が地球温暖化の促進役となっている可能性もあります。

マイバックの持参によるコスト削減の効果

マイバック持参率は約60%

2014年現在で内閣府が調査した結果では、買い物時にマイバックを持参する人は約60%。レジ袋の有料化に賛成するという声も6割に達しました。レジ袋の製造コストは1枚あたり約0.2円ほどですが、毎日多くの来店客に無料提供する場合には膨大な金額となります。レジ袋の費用の削減は、小売店側の確実なコスト軽減となります。しかしその一方で、マイバック持参の常態化によって、万引きとの見極めが難しくなっているという現実もあります。レジのレイアウト変更や、監視体制の強化といった別の面でのコストの問題も浮上していることは間違いありません。

全体から見たマイバック持参の効果

レジ袋を製造するためのPOF・ポリエチレンはナフサという原料からできています。厳密には日本はこのナフサを輸入していることになりますが、レジ袋の需要に変化があればナフサの輸入量も減ります。当然輸入にかかる費用は、軽減されることになるでしょう。小売店ではレジ袋の利用が減ればそれだけ、発注する量も減り、運搬や在庫管理にかかるコストも削減できます。
その一方で、これまでゴミ出しに使われていたレジ袋の代わりに、指定ゴミ袋の購入が必要になるという声も上がっています。レジ袋と比較して大型のゴミ袋を買う家庭が増えれば、逆に製造や1人当たりの支払コストは高くなるという意見もあります。

レジ袋を作るのにこれだけの石油を使う

レジ袋1枚作るのには約20mlの石油を使う

レジ袋の原料はポリエチレンなどの石油化合物ですが、 レジ袋1枚を作るためには約20mlの石油が必要です。日本では年間300億枚のスーパーのレジ袋が利用されており、これを石油に換算すると60万キロリットルとなります。2リットルのペットボトルならば、30億本分という量です。これに加えてマイバック持参率の低いコンビニを合わせると、さらに多くの石油が使われている計算となります。地球上に残された石油資源は、一説によるとあと40年と言われています。例えそれがわずか20mlの節約にしかならないとしても、残り少ない資源をムダにしない手段となるならば、考える必要があります。

世界に広がるレジ袋の規制

レジ袋を削減しようという動きは、日本だけで起きているわけではありません。環境先進国である世界の国々でも、積極的なレジ袋の規制が始まっています。法律で規制し、削減に向けて厳しい措置が取られているのはアイルランド。レジ袋1枚につき15円の課税とし、その結果半年足らずで9割のレジ袋削減に成功したといいます。日本国内の自治体でも、より積極性をもって呼びかけることで、マイバック普及率を90%以上に押し上げている地域が続々と見られます。コスト面での論争は決着がつきそうにありません。しかし、レジ袋が石油を減らしているという事実は確かです。何ができるのかを問われた場合、自分で判断をし、行動していくことが求められています。

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