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椅子の高さや大きさをいつも気にして座る人は少ないのではないでしょうか。でも「この椅子は座り心地が良い」とか、「美味しい店だけれど椅子が座りにくかった」という感想を持つことはあるでしょう。何気なく利用している椅子ですが、いざ自分で購入するとなると、何を基準に選べばいいのか迷ってしまうもの。ここでは、特にオフィスで使用するチェアについて、サイズの測り方と選び方をご紹介します。

椅子のサイズの表記の見方、SHは座面の高さという重要要素

椅子のサイズの表記をチェックしてみよう

椅子を購入する際に、カタログにある椅子のサイズを表す記号をみることでおおよその大きさや、イメージをつかむことができます。特に通販の場合には現物を直接確認することができないので、各部分の寸法を見ておくのが大切です。

表示されている記号には、W:幅(width) D:奥行き(depth) H:全体の高さ(height) AH:アームの高さ(arm height) SH:座面の高さ(seat height)があります。
机との関係で特に重要なのはSH(座面の高さ)です。

記号 呼び方 意味 測点
W ワイド 背もたれ、脚部など一番広い部分
D デプス 奥行き 側面から見て座面から背もたれの距離
H ハイ 全体の高さ 接地部分から背もたれ先端までの距離
AH アームハイ アームの高さ 接地部分から肘掛までの距離
SH シートハイ 座面の高さ 接地部分から座面までの距離

椅子サイズの重要要素SH、理想の高さを求める3つの方法

快適性を追求している椅子は、座面が平らでないことがほとんどです。特にオフィスチェアなど長時間利用する椅子の場合には、座りやすい傾斜や曲線が複雑に施されています。その場合SH(座面の高さ)は座面の前側ではなく、座面骨盤が接する部分、つまり後ろ側になります。この部位を、座ったときに体重を支える「座骨結節点」と呼びます。

理想とされるSHを求めるのには、次の3つの方法が一般的とされています

  • 身長の4分の1(例:170cmの場合:42.5cm)
  • ひざの高さから1センチひいたもの
  • 身長×0.25-1 (例:170cmの場合:41.5cm)

男性場合は41~45cm、女性の場合は38cm~41cmが一般的に理想の高さといえるでしょうか。これらの3つの方法で自分に合った椅子のサイズを購入したいですね。

作業環境に適した椅子のサイズの選び方

机との差は28~30cmが最適。オフィスチェアは座面の高さの可動域が大きなものを

椅子の座面からデスクの高さまでの距離を「差尺」と呼びます。一般的に、この差尺はオフィスデスクに対しては29~30センチ程度、ダイニングテーブルなどに対しては28~29センチ程度で丁度良い高さになると言われています。デスクやテーブルの高低が調節できる製品はごく限られていますので、やはり椅子での高さ調整が必要となるでしょう。オフィスではどんな高さのデスクにも合わせられるよう、可動域の大きなオフィスチェアであれば安心です

また、靴を履くか、スリッパかによっても適正な椅子の高さが変わります。紳士靴でも2cm程度はヒールがあります。女性の場合にはさらにヒールの高さに変化があるため、状況に合わせてこまめに高さを調整できる椅子が理想的です。

適正の高さに調節するためできるだけ無段階が理想

実際にオフィスで作業をすることを考えると、身長だけではなく、座高や背中のS字カーブによっても理想の高さは異なります。人によって体格や体型、姿勢は様々です。あまり高すぎても、低すぎても姿勢が不自然になり、疲れをおこします。毎日利用するものなので、長期間のうちに体調不良の原因ともなりかねません。

一般のオフィスチェアの中には、座面高が42cmまでしか下げられない商品もあります。女性には使いにくいと感じる人もいるので、39cm程度まで下げられるかをチェックしてみましょう。
また、同じブランドでも型番で最適身長が異なります。購入の際にはカタログなどで詳細を確認してみてください。高さ調節は無段階設計となっている椅子の方が、微妙な調整ができて便利です。

【女性はココに注意】固定型は男性の体型に合わせてある

日本人の場合、適合する椅子の高さの男性平均は42cm、女性平均は39cmとなっています。固定型の椅子の多くは、42cmで作られており、女性にはやや高めになっています。若干座りにくいなと感じる程度でも、長時間作業をする場合には体への負担となって響いてきますから、なるべく座面が固定型ではなく、高さ調節ができるオフィスチェアを選びましょう。

この身長差に対応できるよう、SHが39~49センチまで調節できる製品もあります。オフィスチェアの購入時には、どの程度高さが変えられるかもチェックしておきましょう

ポイント

  • 椅子の高さの平均:男性42cm・女性39cm
  • 固定椅子は男性の体型に適した規格で作られていることが多い
  • 購入の際には10cm程度の可動域がある製品が望ましい

座面のサイズも座り心地を左右する大事なポイント

見落としがちな椅子の座面サイズにも注意しよう

座面があまり狭すぎるチェアは安定が悪く、疲労の原因になります。座面の幅、奥行きは40~45cmが一般的ですが、体格によっては狭かったり、逆に奥行が深過ぎるという場合もあります。座面は単に大きければ良いというものでもありません。特に背もたれまでの距離があり過ぎると、座面の高さは合っていても、深く腰掛けすぎることにより足が浮いた状態になります。そうするとうまく体重が分散できずに、姿勢が崩れたり、疲れやすくなったりする原因になってしまいます。

最近は購入前に実際に座り心地を試して検討できるショールームも増えてきました。できれば実際に座ってみて、身体が快適にサポートされる感覚があるものを選びましょう。
1日の大半を過ごすオフィスチェア選びは、職種や業務内容を良く考え、吟味することが大切です。

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